《天下界の無信仰者(イレギュラー)》その大剣
「ここで全員立っていても仕方がなかっただけさ」
「まあ、それはそうなんだがな」
エノクは冷靜だ。それはそれで嬉しいが、逆にどうこの弟を納得させたものかとエリヤは悩み出していた。
『エリヤ、聞こえるか?』
その時だった、いきなり聲が聞こえてきたのだ。
「ラグエル?」
聞き覚えのある聲が聞こえてくる。ラグエルだ。エリヤは周囲を見渡すがそこに彼の姿はない。
『私の聲をお前に直接屆けている。私は今サン・ジアイ大聖堂だ』
オラクルならできるといわれる音聲の空間転移だ。
『エリヤ、彼を連れだしてくれたようだな。お前はいらないと言っていたが、それでも言わせてくれ。ありがとう』
聲の伝播はオラクルなら可能だとエリヤも聞いたことがある。聲が外からではなく頭の中から聞こえてくる不思議な覚だった。思わず片手で頭を押さえる。
それ自は別にいい。重要なのはなぜ話しかけてきたのかということだ。
「兄さん? ラグエル委員長の聲が聞こえているのか?」
エノクが聞いてくるのを片手で制する。この聲を聞き逃すわけにはいかない。
『ウリエルが走したことが発覚した。すでに捜索が始まっており、同時にお前に神庁への出頭命令が出た。表向きは神長への恫喝行為、その追及だが、本當はウリエルの行方について尋問するためだ』
「そうくるかよ」
『現在司法庁とも連攜して逮捕狀や家宅捜索の禮狀など用意しているところだ。きが早い。おそらく明日にはお前の家にも捜査がる。町中にも捜査網が設置されているところだ』
「ち」
聲から伝わってくるおもしろくないニュースにエリヤは壁に背もたれ思案顔になる。
『急げよ。私でもできることはするが期待はしないでくれ。健闘を祈る』
そこでラグエルからの聲は途切れた。
「くそ、一方的に話しやがって」
不利な狀況に苛立つ気持ちをとりあえずラグエルに八つ當たりしておく。エリヤもオラクルではあるがこの手の蕓は繊細で修得する気にもなれなかった。
とりあえず狀況は分かった。ここで泊まっていくという悠長なことはできそうもない。
エリヤはうんざりするが、そこでエノクと目が合った。そういえば彼をどう説得するかで悩んでいたところだった。
しかし狀況が変わった。いったいなにから説明すればいいのか。
エリヤが悩んでいるとエノクから聲をかけてきた。
「兄さん、場所を変えよう」
「……そうだな」
二人は玄関から外に出た。どちらにせよこれから話すことはシルフィアには聞かれたくないことだ。エノクもそれを察したのだろう。
二人は家の壁に背をあずけ並んだ。空はすっかり暗くなり星がいくつもっていた。二人は遠目に見える星を黙って見上げている。
「その大剣」
「ん?」
エリヤは隣に振り返る。
「聖騎士を、辭めたんだな」
「……まあな」
総教會庁に沒収されていたはずの大剣。それが彼の背にあることはエノクも一目で分かっていた。その理由と、彼が覚悟を決めていることも。ラグエル委員長から通信があったこともエノクの確信を強めていた。
エリヤは聖騎士を辭めた。そのことに寂しい気持ちがに広がる。ずっと目標にしてきた人は、一度も越えることなくその職を辭めてしまったのだ。
だが、今はそんな傷に浸っている時ではない。
「最近」
エノクは視線を星に向けたままエリヤにも聞こえるように言った。
「神庁できがあると聞いていた。あるを捜索していると。これだけなら別段気にする話でもないんだが、なんでもデバッカー部隊までいているらしく、総教會庁でも何事かと勘ぐっていた。彼かの部隊が出するなどよほどのことだ。あれが件くだんのなのか?」
「…………」
エリヤは答えない。だがそれは肯定以外のなにものでもなかった。
「まったく。よく連れてきたものだ」
「悪かったよ」
「悪いなんて言っていない」
エノクは呆れた言いで言ったがその表を緩めた。彼のめちゃくちゃを懐かしむ。彼は昔からそういう人なんだと思い出していた。
「人を助けるのは、兄さんの趣味だからな」
「ハッ」
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