《召喚された賢者は異世界を往く ~最強なのは不要在庫のアイテムでした〜》第8話 新居?

「えっ……」

突然の決定に俺は言葉を失った。まだこの街にきて間もなく、何もわかっていない狀態で、いきなり宿無しになるのは辛かった。

「それは……決定……?」

恐る恐る聞く俺にラミィは申し訳なさそうな表をしながらも頷いた。

「トーヤさんごめんなさい……私はもっといてしいけど……他のお客さんに迷になっちゃうと……それで宿を変えられちゃった人もいるの……」

「それなら……仕方ないよね……」

その言葉を聞いた俺はさすがに文句も言えず、明日からの宿をどうしようかと思いながら部屋へと戻った。

夕食の時間に食堂でご飯を食べていても、他の客からの視線が突き刺さる。昨日とはまったく違う狀況であった。

それ程までにコクヨウは従魔とはいえ、高ランクに分類される魔であり、 同じ馬であってもまったく違っているということだ。

すぐに人の頭を噛むけど可いやつなんだけどな……

「明日からどうしようかな……。まずは泊まるとこを探さないと……。ギルドで聞いてみるか」

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同じように従魔を持つものの報だったら、冒険者ギルドに聞けばすぐにわかるだろうと思い、安心して眠りについた。

翌朝――

「トーヤさんごめんなさい……」

「いいよいいよ。二日間世話になったね。またご飯食べにくるよ」

朝食を食べチェックアウトした俺はラミィと挨拶し、見送られながらコクヨウと共にギルドへと向かった。

ギルドの廄舎にコクヨウを預けると、俺は扉を開けギルドへとる。

一瞬だけ視線が俺に向かうが、何事もなかったのようになくなった。

俺は付に行くと、見知ったミリアがおり、その列へと並ぶ。數分でトウヤの番になった。

「いらっしゃいませ。あ、トーヤさんおはようございます。もしかして……依頼ですか? けないといったのに。ちなみにまだ査定は出ていないと思いますけど」

無茶な事ばかりしていたことにミリアは口を尖らせる。

「違うんだ。宿なんだけど……コクヨウが周りを威圧しちゃうから、追い出されちゃった。それで他に紹介してもらおうかと……」

申し訳なさそうに言う俺に、ミリアはため息をつく。

「そうでしたか……でも、他の宿を紹介しても同じ事になるんでは……。それなら――商業ギルドで不産を紹介して借りるとか……?」

「商業ギルド? そんなものあったんだ。そっちで聞いてみるよ」

「午後には査定も終わっていると思いますので、また來てくださいね」

「うん、わかった。あとで寄るよ」

ミリアに禮を言い、ギルドを後にすると、説明の通りにコクヨウと街を歩き商業ギルドへと向かった。

十五分ほど歩いた場所に商業ギルドはあった。

は三階建ての石造りとなっており、所々に彩りをあしらって高級じさせる。

門の前には兵が立っており、コクヨウを預ける場所を聞いて、裏手の廄舎へと向かいコクヨウを預けた。

そして門を潛るとホールの端には打ち合わせ用のテーブルがいくつも配置されており、その奧にはカウンターがあった。

俺はそのまま進み空いているカウンターへと向かった。

「いらっしゃいませ。商業ギルドフェンディー支部へようこそ。私はサミィと言います。本日のご用件は?」

カウンター超しにいる付嬢は、赤髪を後ろで束ね眼鏡をかけた知的に見えるだった。

「家を借りたい。冒険者ギルドからここに來れば借りられると聞いてきたんだけど……」

まだ若い俺が家を借りると聞いて、し不思議そうな顔をしながらも、不産の資料を取り出してテーブルの上に置いた。

「まだお若く見えるのに家を借りるのは珍しいですね。その年で冒険者でしたら宿に住むのが普通だと思いますが……。まぁいいです。何かご希はありますか? 貴族の屋敷からうさぎ小屋まで用意できます」

テーブルに置かれたファイルのページを捲っているサミィに俺の希を告げる。

「廄舎がある家ですか……。それでしたらそれなりに大きくなってしまいます。月に50萬ギルからになりますが宜しいでしょうか? それでしたらすぐに紹介できますが……」

さすがにそれは高い。手持ちの金はまだ十分にあり払えないことはないが、一人で住むには痛い出費だ。

「さすがにそれはちょっと……」

渋る俺を橫目にサミィはさらにページを捲っていく。そしてその手が止まり、俺にその開いたページを見せてきた。

「ここでしたら月に15萬ギルで廄舎もある屋敷なのですが……、ここはちょっと特殊でして、持ち主もこの街におられるのですが、持ち主に認められた場合のみ借りられるという條件があるのです。それでよければ紹介できますが? 普通にこの屋敷の間取りを借りるなら100萬ギルが相場になります」

間取りを眺めた俺は目を見開く。

「ここの持ち主と合わせてくれ! できればここに決めたい」

鬼気迫った俺にし引きながらもサミィは頷く。

「それではこれから向かいましょう。ちょっと待っててくださいね」

サミィは部屋の奧へとっていき、上司と思われる人と話始め、すぐにカウンターから出てきた。

商業ギルドを出て、預かってもらっていたコクヨウを引き取ると、その立派なにサミィは大きく目を見開き驚いた。

「?! 従魔ですか……しかもかなり高ランクの……私知ってます! 黒曜馬バトルホースですよね? 珍しいから見るのは初めてですが……」

サミィの言葉に俺は頷き、コクヨウの首を軽くでる。コクヨウを連れて街を歩くと、その巨からか、人並みも割れていく。珍しい顔で見るものがほとんどだった。

街を15分ほど歩くと、一軒の店の前でサミィが止まる。

「ここです。ここの店主が持ち主なんです」

俺は店の看板を見上げてため息をつく。それは先日來た魔法屋であった。

そんな俺の顔を気にすることもなくサミィは店へとっていく。

「ナタリーさんいますかー? あの屋敷を借りたいって人、連れてきました~」

サミィの聲に店の奧から先日と全く同じ賢者が出てきた。

「なんだい? サミィか。また連れてきたのかい……。懲りないねあんたも……ってお前かい?」

ナタリーは俺の顔を見るとにやりと笑う。

「そうかそうか……お前か……たしかトーヤだっけかの。……今から行ってみようか」

ナタリーはそう言うと店仕舞いを始めた。店を一緒に出て鍵を締めるとナタリーを先頭に街を歩き始める。

15分ほど歩くと、次第に高級な住宅街にっていく。一軒一軒が広大な敷地の中に屋敷が佇んでいる。

こんなとこに住めるのかよ……。俺はそう思いながらもナタリーについていった。

そして一軒の屋敷の門の前にナタリーが止まった。

「ここがその屋敷じゃ」

にやりと笑うナタリーの後ろには、広大な敷地の中に二階建ての立派な屋敷た立つ場所だった。

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