《召喚された賢者は異世界を往く ~最強なのは不要在庫のアイテムでした〜》第24話 小さな天使たち
狀況が読めないは、笑顔で食事をしている子供達に驚きの表をする。
「お姉ちゃんが起きた!!」
食事をしていた子供達も、の周りを囲んでいく。
「一どうしたの……しかも食事まで……」
の疑問にレオルが説明を始める。
「俺が……冒険者ギルドに依頼しに行ったの。お姉ちゃんを治してって。そしたら……お兄ちゃんが來てくれたんだ」
「――そ、そんな……冒険者ギルドなんて……そんなうちに余裕は……」
「でも、すぐに良くなったよ! お兄ちゃんが『ハイヒール』と『キュア』かけてくれたし。ご飯もつくってくれた」
「は、ハイヒール……それこそうちには支払う余裕なんて……。しかもこの料理も……?」
驚くに俺は立ち上がり説明をする。
「レオルからは依頼料は貰ってますよ。食事は俺もお腹減ってたから一緒に食べようってことで。食材はたっぷりありましたからね」
「そうだよ! 依頼料で貯めておいた銅貨を三枚も払ったから!」
その金額には驚愕の表をする。普通に考えたら銅貨三枚でける冒険者なんていないだろう。
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は俺の前に來ると深々と頭を下げた。
「レオルの我儘に付き合ってくれてありがとうございます。そして回復魔法もすみません……。この狀況を見てもらえればわかる通り、うちには余裕は……」
涙目になりながら真意にお禮を言うに、笑みを浮かべ俺も立ち上がる。
「まずは自己紹介ですね。トウヤと言います。フェンデーの街の冒険者で、この街には護衛で來ている。ギルドに行った時にたまたまレオルに聲を掛けられてね。時間も空いてるし依頼をけた」
俺の自己紹介に、自分がまだしていないことに気づき、顔を紅く染めながらも自己紹介をしてくれた。
「すみません……私ったら。サヤって言います。ここの孤児院で子供達の面倒を見てます。本當にありがとうございました」
「とりあえず食事にしませんか? 鍋の中はまだあるし、パンもありますから」
匂いにつられてか、サヤのお腹からもグルルルと聞こえてくる。その音にサヤはさらに顔を紅くした。
「……それでは、私も……」
席に座ったサヤに、スープを掬い、パンと一緒に目の前に置いた。
沢山のスープにサヤも驚く。
「こんなにがいっぱい……」
スプーンで掬い口に含むと、途端に頬が緩んでいく。
「味しい……」
俺も笑みを浮かべて食事の続きをすると、子供達はあっという間に食べ終わりお代わりをよそっていく。
食べ終わって満足そうな顔をした時には、すでに鍋は空になっていた。
「「「「まんぞく〜〜!!」」」」
いっぱい食べて満足そうにする子供達に笑みを浮かべる。
サヤも満足した表をしていた。
食事を済ませた後は、子供達と洗いもする。水魔法を満たすと子供達も喜びながら洗っていく。
そして子供達は中庭で遊び始めた。
俺はその様子を座って見ていると、隣にサヤが座った。
「今日は本當にありがとうございます……。こんな味しい食事まで頂いて……何もお返しできないのが申し訳なくて……」
「いいんですよ。子供達も喜んでくれたし。子供の笑顔はいいもんですよね……」
「本當に……この子たちの笑顔が見れるから一人で頑張れているし……」
「そういえば一人でこの孤児院をやってるって……」
「えぇ……母と孤児院をしてたのですが、調を崩してそのまま……」
「そうですか……」
「あーー! お兄ちゃんとお姉ちゃんがラブラブしてる!!」
「「「「おぉ!!」」」」
子供達の聲に、俺は頭を掻きながら橫を見ると、サヤは顔を真っ赤にしていた。
「もうっ! そんな事言わないの!!」
サヤは立ち上がり子供達を追いかけ始める。
「お姉ちゃん顔が真っ赤だぁー! ラブラブ!!」
子供達を追いかけるサヤを眺めていると、日も傾いてきた。
疲れ果てた子供達は寢てしまったので、宿に帰る事を告げるとまだ起きていた年長のレオルとサヤはし寂しそうな表をする。
「兄ちゃんまた來てくれる?」
「うーん、護衛で今回は來たけど、明日にはフェンディーの街に戻るから、またこの街に來た時は遊びにくるよ」
「うん! 待ってるよ。姉ちゃんも來てしそうだし!」
「レオル!!!」
サヤが捕まえようとすると、レオルはをかわしまた逃げ始めた。
「じゃぁ、また來るよ。これは置いておくね。あとで子供達に食べさせてあげて」
次元収納ストレージからいきなり取り出した鍋に驚く。
中はフェンディーにいた時に作ったスープだった。
「――トーヤさん、本當にありがとうございます」
「まだあるから大丈夫。じゃあね」
孤児院を出ると見えなくなるまで二人は手を振ってくれてた。
スラムを宿に向け歩いていく。やはりあまりガラが良くなく視線が俺に集まって來る。
気にせず歩いていると、いきなり聲が掛かった。
「やっと見つけたぜ……」
振り返るとニヤニヤしながら冒険者ギルドで絡まれた冒険者たちが立っていた。その姿に俺は大きくため息をついた。
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