《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》夏夜邂逅
雨宮さんには言いそびれてしまいましたが、
私は十一年前のことをはっきり、それも昨日のことの様に覚えていますわ。
……まあ、あまり思い出したい記憶ではありませんが。
__取れませんわ!
あれは確か…風船だったかしら。それが取れなくて泣いていて。
『どうしましょう……早く帰らないとお母様に叱られてしまいますわ……』
夏祭りの後、木の下ではしゃいでいた私は、ほんの不注意から風船を手放してしまいました。
その頃の私はまだ禮儀作法に無頓著で、いつもなら木によじ登ってでも取ったのですが……。
『浴……汚す訳にもいきませんし……』
そこへ現れたのが、
『風船取れないの?』
マジックハンドを持った男の子。背丈は私と同じか、し小さいくらいでしょうか。
『ええ。……あの木の枝のところに挾まってしまって』
『じゃあ、ぼくが取ってあげるよ!』
そう言って彼はマジックハンドをがちがち言わせながら背びをするのですが……、
『んーっ!んんーっ!』
長が足りなくて屆いていませんでしたっけ。
『どうしよう。屆かないや……』
二人して困っていたとき、
『そうですわ!うちのSPに頼めばいいのです!』
『えすぴー?』
『どうぞ。お嬢様』
『最初からこうすれば良かったんですわ』
SPに風船を取ってもらった私は、若干の恥心に襲われていました。
『えへへ。そうだね。ぼくのマジックハンドはいらなかったかな?』
『いえ!私の為に取ってくれようとする気持ちが伝わって來ましたわ。その……ありがとうございました』
『いいんだよ。あ、きみの名前教えてよ。ぼくは雨宮暁っていうんだけど』
『雨宮さん……ですか。私は__』
タイミング悪くそこへSPが駆け寄り、
『お嬢様、移のお時間です』
無慈悲にも、彼との別れを告げていく。
その時だけは、SPのことを恨みました。
『分かりましたわ。……では、雨宮さん。ごきげんよう』
『うん。ばいばーい』
私の挨拶に、マジックハンドを使って答えてくれる彼。
あのがちがちという音は、耳障りな音でしたが、不思議と悪い気はしませんでした。
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