《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》汗と涙の育祭 二日目・第二種目

魔導大祭二日目の第二種目は模擬魔法戦だ。

學生同士が文字通り魔法を使って戦う。

「……東北校だから九州よりはマシか」

あんなのと何回もやらされたら気が滅るよ……。

「良し……いくか!)」

模擬魔法戦は、習得した魔法、打撃等の理攻撃が許可されている。実質魔法を使った一対一の喧嘩タイマンのようなものだ。

必然的に格の小さいやつは不利になり、格の大きなやつが有利になる。

「(それと、特異魔法パーソナルが怖いかな)」

特異魔法パーソナル___基礎魔導理論では、今日の世界において大多數の魔導師が使用している一般魔法スタンダードとは異なる詠唱文法、発手順を踏んで発する魔法の事だ。

當然、保有者以外に詠唱できる者はいないし、一般魔法スタンダードで再現する事もほぼ不可能だ。

ピストルの乾いた音が響き、模擬魔法戦が始まる。

「炎よ、我の手に集え!『ぜる獄炎』ブラスト・フレア!」

まず俺が撃つ。先手必勝。

しかし、相手も負けてはいない。

Advertisement

「我を守護せよ。『叡智の盾』シールドオブウィスダム」

白い魔法陣が現れ、放たれた炎を掻き消す。

「くっ……悪しき者に裁きの激流を!『裁きの聖水』ホーリー・アクア!」

「うお……っ!」

バランスを崩したところへ立て続けに破魔法を撃ち込む。

「我に裂の力を!『炸裂する紅蓮』クリムゾン・バーストッ!……第二撃ダブル!第三撃トリプルッ!」

「ぐっ……くう……ッ!」

耐えかねた相手が後ろへ飛び退いた。彼は何か獨特の構えをして、

「我の周りをたゆたいし守護霊よ。汝の主、危機にありて、そのを顕さんこと切に願う。その顕れし暁に、我に悠久の栄と名譽もたらさん___」

「いざ、一世一代の戦に臨まんとする我に堅牢なる護りのあれッ!_____」

「『天神の護羽』アーク・ディフェンス・エンチャント!!」

直後、彼の周りを眩いが包み込む。

「(特異魔法パーソナルか!)」

一般魔法スタンダードに比べ長い詠唱文、膨大な魔力波。特異魔法パーソナルは、ほとんどの一般魔法スタンダードを凌駕する。

ぶっちゃけ俺からしたら無理ゲー以外の何でも無いが、基礎魔導理論において、特異魔法パーソナルにも『弱點』があることが証明されている。

「…魔力消費量が一般魔法スタンダードに比べて圧倒的に多い事と、消費量対効果の比率で消費量の割に効果が薄いこと」

故に、特異魔法パーソナルは魔導師の間では使われなくなり、それと同時に特異魔法研究も廃れていった。

「……まあ、弱點の話は置いといて、あの羽をどうにかしねえと……」

見たじ派手だけどそんなに堅くは無さそうだ。

「……まあ、それがフラグになったりするんだけど……」

とりあえず俺の扱える限りでは最も高威力の魔法『炸裂する紅蓮』クリムゾン・バーストを使ってみるか。

「我に裂の力を。『炸裂する紅蓮』クリムゾン・バースト!…第二撃ダブルッ!第三撃トリプルッ!第四撃クアドラプルッ!」

ここまで撃つのも中々無いものだ。

「第五撃クインタプルッ!第六撃セクスタプルッ!」

六発撃ってみた。これが効くかどうか……。

「……原初の罪よ。穢れし焔にて、薙ぎ払え。『墮落の罪』ギルティ・フォール」 

手を振り上げると、真っ黒な『太』が現れた。

彼が手を振り下ろすと、『太』がこっちに近づいて______

最早『音』の領域を超えて『衝撃波』の域に達したそれは、グラウンド一を焼き盡くしたかに見えた。

「ごほっげほ……。酷いザマだ。あれ絶対特異魔法パーソナルでも高威力の部類にるぞ……」

辛うじて『太』を耐えた俺は、何とか立ち上がった。

「中々やるね。関東も」

「……お前、強すぎだぞ……」

大魔導師の生まれ変わりか何かじゃねえのか?

「さて、俺の『天神の護羽』アーク・ディフェンス・エンチャントとさっきの『墮落の罪』ギルティ・フォール。どう対抗するんだ?」

……一見無理ゲーにじるが、『対抗策』はある。出來るかどうかは魔力の容量と運が絡むが……。

「お前の『墮落の罪』ギルティ・フォールってのは、つまるところ火だな。じゃ、それが対応出來ない、かつ、『天神の護羽』アーク・ディフェンス・エンチャントを破るだけの魔法があれば撃破出來る」

「……まあな。俺から弱點を言うのもなんだ。素直に認めるよ。お前の言うとおりだ」

やっぱりな。水の魔法(『天神の護羽』アーク・ディフェンス・エンチャント破り)さえ使えればこっちのもんだ。

「一か八かだが、お前の切り札『天神の護羽』、破ってみせるよ」

「やってみろ!破れるもんならな!」

散々煽ってくれちゃってまあ……。

「……水の魔力、我の元へ回帰せよ。その元素、大いなる自由と、無限の可能めし。海原の叡知、博、無慈悲なる天誅を、彼の不埒者へ下さん____」

「暁の空、曙の地に映えるは広がり行く水平線。その深き碧湛えし水よ、我の矛となりて、立ち塞がる者、破滅の深淵へとえッ!______」

「『海皇の斷罪』ネプトゥヌス・ジャッジッ!!」

超高圧の水で出來た矛が、『天神の護羽』アーク・ディフェンス・エンチャントとぶつかる。

そして_________

「はあッ、はあッ……!」

どしゃっ!と崩れ落ちる俺。相手はとうに倒れていた。

「衛生委員!二人だ!一人は重度の急魔力過剰消費癥起こしてる!」

白いローブと赤十字の腕章が見えた気がしたが、そこから俺の記憶は途切れていた。

    人が読んでいる<ヘタレ魔法學生の俺に、四人も美少女が寄ってくるなんてあり得ない!>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください