《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》水著選び(拷問)

「海?」

『そうです!雨宮さん!海に行きましょう!』

晩飯後の俺にかかってきた電話は天條先輩からだった。

「海ですか。まあ、暑いのもウンザリしてましたし、涼むのに良いんじゃないんですか?」

『決まりですわね。では、明後日午前九時にお迎えにあがりますわ。それでは失禮』

……迎えに來るのか……。何か派手に無禮を働いた気がする。

「海?天條先輩が?」

「うん。明後日だって」

いの一番に姉さんに告げた。

「……皆予定ってる?」

「私は特にってないよ」

「……私も……」

皆暇人なんだな。俺が言えた事じゃ無いけど。

「……あ、みんな水著持ってる?」

「去年のあるけど、多分もうらないかもねー」

「スクール水著じゃダメ?」

「こういうのはダメなやつだよ。もっと可いのを著てかないと」

姉さん何気に乗り気なんだな。海行けるって聞いてテンションアガってんのかね?

「俺は貰いの海パンがあるから、大丈夫っぽい」

「じゃあ、明日水著買いに行こうか!暁も來るんだよ?」

「何で!?」

「何でって……ほら、男の子の意見も聞きたいし……暁に見てもらいたいし……」

「え?俺が何だって?」

良く聞こえなかった。耳掃除しないと……。

「ううん。何でもない!とにかく明日は皆で行くから!」

拒否権無いっぽいな。……水著のコーナーに行くとか新手の拷問ですかね?

翌日。某デパート。

「暁、これどう?」

「良いと思うよ」

「ねえ暁!これ可くない?」

「おー、それ著てみたらどうだ?」

シャッ!と試著室の仕切りが開く。

「おお……」

「どう……かな……?」

良い。良いですよ華さん……!

フリルのついた白の水著。その清純さを程よいスタイルが引き立てている……って、俺は誰に向かって実況してんだよ……。

「じゃあ次は私かな」

次にったのは姉さん。大変よろしくない妄想が捗る音がおさまると、中から水著の……もとい姉さんが出てきた。

……止めてくれ。ちょっと……あの、その……ッ!

「……?暁、顔赤いよ?」

「何でも無いです」

ちょっとこれは強烈だな。いや、冗談抜きに。

「惚れたの?」

「いやあ、それは無いな」

危なく惚れそうでした。理の勝ち。

「で、暁。これどう思う?」

「悩殺……。あ、うん。似合ってるよ」

「……それだけ?」

不満そうな顔をする姉さんだが、あいにく俺の語彙力ではこれが限界だ。

「じゃ、今度は私だね!」

數分後。

「じゃーん!どう?」

……金髪の。スレンダーながらその様相はまるで妖の様で____

……またやっちゃったよ。解説癖でもあるのか俺は。

心なしか周りが騒がしくなってきたな。

「皆その水著で良いか?」

「私は良いよ!可いから!」

「私もこれで良いかな」

「じゃあ、私も……」

満場一致の様だ。いやあ、明日が楽しみだ!

…天條先輩はどんな水著だろう……。

レストラン。

「腹減ったな。何か食べる?」

「あっ!じゃあ私ハンバーグにする!」

「私はパスタかな」

「これにする……。雨宮君は何にするの?」

華が指したのはざるそば。中々良いものを頼むな……。

「俺はカツカレーで良いや。……三千円あれば足りるよな?」

そして數分後。驚きの速さというか、作りおきしたんじゃないのと疑いたくなるような速さで料理が運ばれてきた。……この様子じゃシェフは泣きながら料理してるんだろうな……。

「ギリギリ三千円で事足りた……」

ハンバーグ、パスタ、ざるそば、カツカレー。それと追加注文のドリンク三つ。しめて二千二百二十円。百七十円のドリンク三つも頼みやがって……。

しかし、ケイト立案の『明日が待ちきれないからちょっと水浴びしよう計畫』なるものによって、俺の鬱な気分がこそぎ吹っ飛んでくれたのでプラマイゼロとする。

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