《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》星天の海辺・夜ノ刻
夕食を終え、風呂を済ませた俺達は、天條家別荘の大広間にいた。
「全治三週間だそうです」
「……そうですか。まあ、養生なさってくださいな」
「困ったらお姉ちゃんに言うんだよ?」
「痛そう……」
うん。わりとマジで痛いよ。
「あ、ねえねえ!そんなことより部屋割り決めよ!」
場を和ませる空気読まない発言をしたのはケイト。
「そういえば決めてなかったね」
「そうだよ!だからこれ!」
(どこからか)空気砲……違う。のあいた箱を取り出したケイトは、ゴソゴソと中をかき混ぜて、
「暁から引いてって!」
俺に箱を突き出した。なるほど。引けと。クジ運ナッシングな俺に引けと。
「……これで良いや」
「はいじゃあ次は華!」
數分後。
「こうなったけど……何か意見ある?」
暁・桜良
和水・華・キャサリン
仕込まれたかのような組み合わせ。……偶然だよな?
「特に無いよ。一応聞くけど仕込んだりしてないよな?」
「ん?クジに何を仕込むの?」
あ、良かった。この反応なら仕込まれてないな。
「私はまあ良いよ。……一緒に寢たかったな……」
「私も……」
満場一致っぽいな。姉さん最後の方に何か言ってなかった?
所変わって寢室。
「……眠れない」
まさかこれほど張するとは。
別に枕が変わると寢れないとか、そういう理由じゃないぞ?
俺が寢つけずに部屋をうろついていると、
「あら……?」
天條先輩が起きてしまった。
「あ、すいません。起こしちゃって」
「いえ。お気になさらず。それで、どうしましたの?」
「いやあ、ちょっと眠れなくて」
「そうですか」
先輩は椅子に腰掛けると、
「眠れないのでしたら、しお茶でもいかがですか?」
先輩は備え付けの冷蔵庫を開き、お茶のったポットを取り出した。
「……そうですね。も渇きましたし、いただきますね」
先輩はテーブルの上に並んだグラスから二つだけ取り、お茶を注いでいく。
「どうも」
俺はそれをちびちびと飲む。
「グビッといきませんの?」
「胃を気遣ってるんですねと言ってくださいよ」
「あら、ごめんなさい」
先輩はくすりと笑い、持っていたグラスを置いた。
「……中々綺麗な星空ですね」
「そうでしょう?星空と海のコントラストがまた良くて……」
確かにこれは良い。の風景畫とかにありそうだ。
「……雨宮さん。し私の昔話を聞いてくださいますか?」
「昔話?……まあ、良いですよ」
ちょっと興味あるし。……いや、案外俺庶民の想像以上の金持ち話を聞かされるかもしれない。
「……私、今でこそこのような振る舞いをしていますが、昔はわりと庶民のような振る舞いでした」
マジか。ザ・お嬢様な先輩が庶民だと……?
「はあ。的にはどんな?」
「どんな……と言われましても、和琴の稽古が嫌で家を走したり、庭の松の木によじ登ったり……」
中々アクティブおてんばなようで!
「へ、へえー……。ちょっと想像出來ませんね。今と昔の差がありすぎて……」
「まともに稽古をけたり作法を學んだりしたのは……夏祭り以降でしたか」
夏祭りっていうと……十一年前のあの日か。
「へえ。どうしてです?」
「ええと、その……あなたに振り向いてほしかったから……ですかね?」
うわお。ド直球ストレート発言きましたよ。
「そ、そうですか。ははは……」
思わず乾いた笑いがこぼれる。
「こっ、今度はあなたのお話が聞きたいですわ!」
そうきたか。今は……。げ、もう午前一時回ってやがる。さっさと寢ないと明日辛いだろうな……。
「せ、先輩。もう良い時間ですし、そろそろ寢ましょう?明日寢不足になったりしたら辛いだろうし。ね?」
「あら、もうそんな時間ですか?……仕方ありませんね。またいつかお話してくださいな」
「そうしますよ。そんじゃ、おやすみなさい」
俺が布団にって數分後。
「雨宮さん。しくっついても良いでしょうか?」
「え?ああ、はい。どうぞ」
「ありがとうございます……」
何でくっつきたくなったのかはあえて聞かないでおく。
そのまま、夜が更けていった。 
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