《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》夏に食べたい麺類と言えば?
東京都。江戸川區。
「ありがとうございました。楽しかったです」
「そうですか。まあ、すぐに夏祭りがありますけど」
夏祭りか。そういやそんなのもあったな。
「夏祭りか……。暁、行く?」
「暇なら行くよ」
「花火……見たい」
「わたあめと、チョコバナナと、あっ、それから金魚すくいもやりたいな!」
勧する人姉さんと、待ちきれない気が早い人が二人。
「あら、皆さんもう夏祭り気分ですか?」
「いやあ、気が早いだけですよ……」
まあ楽しみじゃないと言えば噓になるし、俺も花火は見たい。
……っつーか、夏祭りなんて何年振りだろうな。
「あー……先輩もどうです?夏祭り」
「……私も……ですか?」
言葉を詰まらせる先輩。何だ?心なしか顔が赤い気がするんだが……。
「はい。……あ、予定あるなら無理に合わせなくても良いですよ?」
「いえ。大事な友人からのおいを無下にする訳にもいきませんから」
「そりゃどうも。何ならエスコートして差し上げましょうか?お嬢様」
「か、からかわないでくださいな!」
予想通りの反応だった。しかし(口では言ったものの)の子をエスコートするなんて俺には出來たもんじゃないよ。
「あ、明日皆で浴見に行きません?明々後日が祭りですし、準備は早い方が良いでしょう?」
そう言ったのは姉さんだ。何だかテンション高くないすか?
「あっ、それ良いね!行こうよ!」
「……浴……見たいな」
「良いですわね。……もちろん、雨宮さんも來ますよね?」
賛同者三名。俺はどっちでも良いかな。
「……ええ。明日は予定も無いし。どうせ暇ですから」
どっちでも良いなんてあやふやな回答をしたら詰め寄られると考えたヘタレの回答。
「良し。決まりだね!じゃあ、そういう事で。また明日!」
「……江戸川區の祭りって言っても、々あるんだな」
PCのデスクトップに表示されているのは、江戸川區の公式ホームページ。俺が調べているのは區の祭りについてだ。
今日が八月一日。これから一番早い日にやるのは八月五日の江戸川區花火大會。
「出店って出んのかな?まあ行ってみないことには分からんよな」
がちゃっとドアが開き、
「暁、ご飯出來たよ。そうめん」
姉さんが顔を出した。何ともらしいウサギ柄エプロンを著用している。
「ああうん。分かった。今行くよ」
「おお。旨そうだね」
「でしょ?……これで千円以に収まるんだから敵わないね」
「スーパーで大量に売ってたの適當に買ってきたんだな。主婦神恐るべしだ」
これ主婦神のせいでタイムセールが戦爭みたいになるのか。
「はーやーくー!」
急かすのはケイト。お前いつ箸持ってきたんだ?
「……ん、味しい」
いやもう華に至っては食ってるし!いただきますしたのか?
「待ちきれないのかただ食いたいだけなのか……」
「あはは……。私達も食べちゃおっか」
「そうさせてもらうよ」
俺達は食事前の合掌をして、そうめんを啜った。
ほんじつのむだぶん
mixi・pixivで無駄文ライターを自稱している私が、 日頃mixiで公開している日記(無駄文と呼んでいます)を 小説家になろうでも掲載してみようと思い実行に移しました。 これは1日1本を目安に続けていこうと思います。 ご笑納くだされば幸いです。
8 178後は野となれご令嬢!〜悪役令嬢である妹が婚約破棄されたとばっちりを受けて我が家が沒落したので、わたしは森でサバイバルすることにしました。〜
「すまん、我が家は沒落することになった」 父の衝撃的ひと言から、突然始まるサバイバル。 伯爵家の長女ヴェロニカの人生は順風満帆そのもの。大好きな婚約者もいて將來の幸せも約束された完璧なご令嬢だ。ただ一つの欠點、おかしな妹がいることを除けば……。 妹は小さい頃から自分を前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢であるとの妄想に囚われていた。まるで本気にしていなかった家族であるが、ある日妹の婚約破棄をきっかけに沒落の道を進み始める。 そのとばっちりでヴェロニカも兵士たちに追われることになり、屋敷を出て安全な場所まで逃げようとしたところで、山中で追っ手の兵士に襲われてしまった。あわや慘殺、となるところを偶然通りかかった脫走兵を名乗る男、ロスに助けられる。 追っ手から逃げる中、互いに惹かれあっていく二人だが、ロスにはヴェロニカを愛してはいけない秘密があった。 道中は敵だらけ、生き延びる道はたった一つ。 森の中でサバイバル! 食料は現地調達……! 襲いくる大自然と敵の兵士たちから逃れながらも生き延び続ける! 信じられるのは、銃と己の強い心だけ! ロスから生き抜く術を全て學びとったヴェロニカは最強のサバイバル令嬢となっていく。やがて陰謀に気がついたヴェロニカは、ゲームのシナリオをぶっ壊し運命に逆らい、計略を暴き、失われたもの全てを取り戻すことを決意した。 片手には獲物を、片手には銃を持ち、撃って撃って擊ちまくる白煙漂う物語。 ※この物語を書く前に短編を書きました。相互に若干のネタバレを含みます。またいただいた感想にもネタバレがあるので読まれる際はご注意ください。 ※続編を別作品として投稿しておりましたが、本作品に合流させました。內容としては同じものになります。
8 54甘え上手な彼女
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