《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》茶道はわりと難しいのかもしれない

午後一時。講堂。

「この劇何気に面白いな」

「だよね。やっぱり上級生は違うなあ……」

二年一組完度高過ぎだろ……。

「暁、これ終わったらどこ行く?」

「三年五組。先輩が茶道教室やるとかで賑わってるらしいよ」

めちゃくちゃ興味あるんだけど。何たってあの先輩が著著て、お茶たてるんだからな。

「(浴姿は見たけど、著は見てなかったな)」

ぼんやりそんな事を考えていると、

「……暁、寢そうになってない?」

「なってないよ。考え事してた」

姉さんが目の前で手を振った。

あ、ダメだ。真面目に眠くなってきた……。

「ふあ……」

「でっかいあくびして……」

あの後俺は寢落ちした。起きたのは最後らへんだけど、正直覚えてない。

「ここだよね?」

姉さんが指差したのは、『三年五組』の札。ちなみに扉には『ガチお嬢様の茶道験!』と書かれた紙がってあった。ガチお嬢様なのは間違ってない。

中にってみると、抹茶の匂いがした。……えっ、子しかいない……。

「あら、雨宮さんに九條さんではありませんか」

「ちょっと験してみたくて」

茶道はよく分かんないけど。

験希か!よっしゃ。茶菓子茶菓子~」

「海堂さん。はしたないですわよ。もうらしい振る舞いを______」

「んな堅いこと言わずにさ!ささ、一年生諸君も座って!」

「は、はあ」

妙にテンション高いな。何でだ?

「あたし、海堂理奈。生徒會の書記やってんの。そんでこっちが______」

「天月桜。よろしくね?生徒會では會計をやってるの」

海堂先輩に天月先輩か。すげえいい人そうだな。

「ねえねえ。そっちの君は何てーの?」

「んあ。私は雨宮和水です」

「雨宮暁です。和水さんは俺の義理の姉……ですかね?」

「ほお。和水ちゃんに暁君か。でもって姉弟と。良いなあ。あたし一人っ子だから」

海堂先輩一人っ子なのか……。っていうかさっきから天月先輩のお嬢様オーラが凄いんだけど。

……真面目にお嬢様だったりして。

「……あら?雨宮君、私の顔に何かついてる?」

「え、いや。天月先輩って凄く上品なんで、どっかのお嬢様なのかなーと……」

「うふふ。そう見える?これでも一般家庭の出よ?」

マジか。気品溢れすぎだろ……。

「……あの、雨宮さん達は茶道験に來たのではなくて?」

あ、そうだった。先輩二人のインパクトが強すぎてですね……。

「ああ、はい。えっと、何か、作法とか々あるんでしたっけ?」

「その點は気にしなくても良いですわ。これは験なのであって、本格的な茶道ではありませんから」

「あたしはどっちも良く分かんないな。お茶飲むだけでしょ?作法って、めんどくさそうだな」

「あら?理菜ちゃん、『こういうのやってみたかったんだ』って張り切ってなかったかしら?」

「うっ……痛いとこ突いてくるね桜ちゃん……」

海堂先輩って育會系のイメージあったから、こういうのやってみたいってのは意外だな。

こんなやり取りの間にも、先輩はシャカシャカと茶を點たてている。

「どうぞ」

「あ、失禮します」

茶碗をけ取り、ずずっと飲み干す。……あれ?音たてるのってオッケーなの?

「……味しかったです」

何だろう。凄く違和

「そうですか。こちらも點てがいがあるというものです」

「桜良ちゃんのお茶は味しいからね」

「天月さん……。褒めても何も出ませんわよ?」

あ、先輩の顔赤くなった。……照れてるんですね。

「暁、あんまりいるのも悪いから、そろそろ別のとこ行こっか」

「だね。じゃあ先輩。また後で」

「はい。それでは」

次はどこに行こうかと考えながら、俺達は教室を出た。

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