《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》院生活って暇だよな
「……頭痛い……」
ここは……病院か?妙にデカい機械あるし、何か俺點滴打たれてるし。
「あ、暁。起きた?」
俺の隣に座っていたのは和水。……目にクマが出來てる。
「頭痛いしダルいけど、他はなんともないよ」
「そっか。なら良かった。……今度はちゃんと男の子だね」
多分いつかの俺が子になったときの話だろう。あれは黒歴史だってば。風呂るの(神的に)辛かったし。
「重度の急魔力欠乏癥だって。三日は安靜にしてろって魔法醫の先生が言ってた」
『魔法醫の先生』?……何だろう。凄く嫌な予がするんだけど……。
「え、一応聞くけど、その先生の名前は?」
「えーと、桜川千香って言ったかな」
うわあ。あの先生かよ。あの先生凄くノリ良くて話しやすいんだけど、ジョークの度が過ぎるからなあ……。
俺が予想外の人の名を聞いてゲンナリしていると、
「やあやあ雨宮君!調子はどうだい?」
噂をすれば影ってこういう事か。本人登場。
「ああ、はい。ちょっとダルいですけど、特になんとも」
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「おお。やっぱり點滴効いてんだね。わりと強めの魔力剤流し込んでるからかね」
そうかこの點滴魔力剤か。何かうぞうぞする覚がするって思ってたけど、そういう事か。
……うぞうぞって何だよ。
「ま、元気そうで何より。三日も病室にぶちこんどく必要は無いかな」
多分無さそう。俺すげえピンピンしてるし。あと病院食が結構マズいし。あんな薄味の飯なんか食えるか!
「おー。『飯がマズいから早くここから出せ』って顔だね。って言うか、手がわなわなしてるんだけど……」
「いえ。もうし味しい病院食を出してくれないかと抗議しようとしてるだけです」
患者の事考えて作ってるんだろうけど、もうし味しくても良いと思うんだ。
「くっくっ。元気だねえ。いや、安心安心。雨宮君。勢い余ってそこのの子を押し倒しちゃダメだよ?」
「いやいやしませんよそんな事」
冗談だよー。と笑いながら病室を出ていった桜川先生。やっぱりあの人のジョークは度が過ぎてる。
「……俺ってあの勝負に勝ったの?」
「相討ちだったんだけど、神崎川君の方から負けを認めたよ。プライド高そうなのに、意外だったなあ」
あ、勝ったのね。……神崎川が負け認めたの!?プライドの塊みたいなアイツが?
「天條先輩がね、『雨宮さん雨宮さん』って呪いみたいに呟いてた。……すっごく心配してたよ。後で顔出しに行きなよ?」
何か凄い心配かけたな。謝りに行かなきゃな。
「……私は先輩程じゃ無かったけど、ちょっと心配した。だって、死んだみたいに気絶してるんだもん。三日も気絶してたんだよ?」
三日も気絶ってヤバいな。生死の境をさまよったとか?
「やっぱり『海皇の斷罪』ネプトゥヌス・ジャッジは切り札的なじで扱わないとだな」
「使おうにも魔力がまだ追いついてないっぽいし、何より反が怖いもんね」
子になるとかね。あれ羨ましいとか思われるかもしれないけど、雨宮さんも思春期男子高校生な訳で。子ので風呂るのは苦行でしか無いのですよ。
「今何時?」
「七時五分……あ、そろそろ面會時間終わりだ。じゃ、また來るから」
「うん。じゃあね」
別れの挨拶をわし、病室を出ていった和水。
……一気に暇になった。何しようかな……。
話し相手和水がいなくなっちゃったもんなあ……。ニュースでも見るか。
俺がリモコンを作し、ニュース番組に切り替えると、
『ロシア中央魔法省は、來年末まで『國際魔法流フォーラム』の參加者を募ると発表しました。このフォーラムは世界各國の魔法學生、魔法學者、魔導師等に參加資格が與えられ______』
「(フォーラムか。何か難しそうな事話しそうだな。ま、俺には関係無いか)」
後に、これに參加する事になるとは思いもしなかった。
『フォーラムの參加國には、開催國のロシアの他、日本、アメリカ、イギリス、中國等が參加意思を表明しており_______』
「へえ。中國も來るのか」
意外な參加國に驚きを隠せない。
中國は人口十三億超えの大國だけど、魔法分野では世界に遅れをとってる。関東校にも中國人の生徒はいるけど、だいたいは先進國の魔法技を覚えて帰るっていう目標があるんだろうな。
魔法技先進國は順に日本、イギリス、アメリカ。……あれ?魔法の発祥地ってイギリスじゃなかったっけ?
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