《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》バッタリ出會った金髪

十月三十一日。

『トリック・オア・トリート』と言うとお菓子がもらえるこの日、俺ん家雨宮家はバカみたいに騒々しかった。

「ハロウィンパーティーだよ!」

ケイトが満面の笑みを浮かべ、そう言った。

「ハロウィンパーティーねえ……。私も參加しようかしら?」

頬に手を添えながら言う母さん。

「良いんじゃないかな。俺もお菓子しいし」

おっと本音が出ちゃった。……ま、事実だからね。

「暁……もしかしてお菓子がしいだけなんだね?」

……和水さん。その通りでございます。

「じゃあ、々買ってこなきゃね。暁、パンプキンパイって買ってこれる?」

「多分売ってるよ。いくつしいの?」

「……あら、パーティーって何人來るのかしら。それによって変わるけど……」

そうだな……。とりあえず井藤と近藤、エマ、先輩の四人で、それに俺達五人で締めて九人か。こりゃ賑やかになるなあ。

「とりあえず九人分買ってくる。呼びたい人がいるんだ。ちょっと財布取ってくる」

俺は一旦部屋に戻った。そういえば久しぶりに戻った気がする。

數分後。

「じゃ、行ってくるよ」

「気をつけてね?」

「分かってるよ」

靴を履き、外へ出る。十一月に差し掛かり始めたこの時期の風は恐ろしく冷たい。

思わず震いをすると、俺はポケットに手を突っ込んだ。

「(カイロでもってくるんだったな……)」

完全に後の祭りなので、悔やんでもしかたない。

某スーパー。

このスーパーってケーキ屋と隣接してるから、買いするとしては凄く便利なんだよな。

「(ケーキ屋……あれか)」

地味に毎年の誕生日のケーキをここで買ってたので、場所はすぐに分かった。

「パンプキンパイ……これか。……っていうか、何気に高くない?」

一個三百五十円は辛いなあ。

「……あれ?雨宮君?」

振り返ると、金髪が目にった。エマ、ちょうど良いところに!

「ああ。エマ。偶然だね。ケーキ買いに來たの?」

「ケーキ屋にいるんだから、そりゃそうだよ」

グフッ。毒吐かれた。ちょっと心にきますね……。

「まあ、ちょっとしたパーティーかな」

「パーティー?」

「うん。ハロウィンパーティーみたいなやつ」

お、ちょうどウチでやるのと同じだ。……ってみるか?

「なあ、エマ。ウチでもハロウィンパーティーやるんだけど、來てみない?もちろん、予定がつかないなら強制はしないよ」

「待って。お母さんに聞いてみる」

スマホをポケットから取り出し作し始めるエマ。……あ、俺のにも通知來た。母さんからか。

【ケイトがチーズフォンデュ食べたいって言って聞かないのよ~。悪いけど材料買ってきて?お願い!】

チーズフォンデュ……。何か俺まで食べたくなってきた。ちょっと買ってきますかね。

「あ、迷じゃなければ行っても……良いかな?」

これはオーケーサインですな。

「うん。良いよ。……その前に、ちょっと買い付き合ってくれる?」

……苦笑いされた。ほんとごめん。

「ブロッコリーと……ウインナー?」

「うん。チーズは家にあるから」

カゴの中にはレタスやブロッコリーその他野菜達がっている。ウインナーはチーズフォンデュには欠かせないよ。ウインナーの無いチーズフォンデュなんてチーズフォンデュじゃない!

「……何のガッツポーズ?」

「いえ。何でもございません」

「何か悪いでも食べたの?」

「そんな事は」

「……ほんとに大丈夫かなあ」

あの、エマさん。そろそろ私のライフがゼロになりそうなんですが……。

「買うものはこれで全部?」

「うん。悪いね。付き合わせちゃって」

「……ケーキ屋にいたのは何で?」

あ、パンプキンパイ忘れてたわ。

俺はカゴをエマに渡すと、自分でもビビるくらいの速さでケーキ屋へ戻っていった。

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