《ヘタレ魔法學生の俺に、四人もが寄ってくるなんてあり得ない!》苦手科目は基礎も理解出來てない事があるんだが
十一月十二日。
ハロウィンから二週間くらい経ったこの日、俺達は憂鬱な気持ちで先輩の家に向かっていた。(徒歩でも行けるには行ける)
事の始まりは一週間前に遡る。
_______特にする事も無くベッドでごろごろしていると、そばに置いてあるスマホが鳴った。
「……著信か?誰からだろ……」
気になって開いてみると、先輩からだった。
【キャサリンさんや華さんもってもらえると嬉しいのですが、一週間後に私の家で勉強會を開きたいのです。皆さん、資格の試験が近いでしょう?】
……いや、完全に忘れてました。すいません。
っていうか進級がかかってる試験の存在忘れるか普通!?まあとりあえず返信しないとな。
【すいません。すっかり忘れてました。確かに試験近いんで、やった方が良いですね。皆には俺から言っときます】
俺はそう返信すると、一階に降りていった。
「_______勉強會?」
そう呟いたのは和水だった。
「うん。そろそろ資格試験の時季だし、一緒にどうですかって。先輩が」
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「……試験……心配かも……」
「ぐあっ!試験あるのすっかり忘れてた……」
ケイト。お前も俺と同じか。……多分お前は強制參加だな。良い機會だし、魔法認識學とか見てもらえば?
「……とりあえず皆で參加しようか。俺も見てもらいたいとこあるし」
_______そして、今に至る。
「……何か直前になって張してきたなあ……」
「張してても仕方無いよ。こういう事こそ楽しむべきじゃない?」
ナイスフォローです和水さん。……確かに楽しまないと、すぐに飽きちゃったりするもんな。
「……ん、開いた……」
すげえ。電だ。……前にも來たことあったろ俺……。
で、そこに立っていたのは、ワイシャツにカーディガンを羽織った先輩。
「お待ちしていました。さあ、中へどうぞ」
俺達が通されたのは和室だった。
將棋の対局とかで使われてそうな部屋だ。しかも鹿威しとか枯山水もあるし。
「ここなら落ち著いて勉強出來るでしょう?」 
確かにそうだ。鹿威しの音って聞いてると心が安らいだりするんだよな。
「……さて、皆さん。今日は資格の勉強ですね」
ああ……來ちゃったよ。やっぱりやだなあ……。
「実用魔法検定の三級ですから、容はそう難しくは無いはずです。応用問題も教科書の問題よりし難しい程度ですから、基礎さえ出來ていれば難なく解けると思いますよ」
魔法認識學の基礎すら分からないんですが。
誰か、誰か教えてくれ……。
俺が泣く泣く魔法認識學の教科書を取り出すと、
「あら?雨宮さんは魔法認識學が苦手なのですね?」
「……はい。ちょっと基礎すらヤバいんで……」
「魔法認識學は私もかなり苦労しましたよ。まあでも、基礎さえ分かればたいていの問題は解けますから、一緒に勉強していきましょう?」
この人天使だ……。あれだな。俺も頑張らないとな。
「そういえば皆さん。検定の模擬問題集とかは配られたんですの?」
「配られましたけど、あんまりやってないですね」
「私は単純にめんどくさかったんでやってないです!」
「半分くらい終わってたかも……」
ケイト。めんどくさかったのかいお前は……。
「じゃあ、良い機會ですし、やってしまいましょうか」
そう言うや否や、三人とも問題集を取り出した。
俺も問題集を取り出し、とりあえず基本の『魔法と魔力の定義』のページを開く。
「この辺はさすがに分かると思いますが、確認も兼ねて復習してみましょうか」
まず魔法というのは、簡単に言うと、『願を実現する力』だ。國連魔法研究機関U.N.M.R.O.によると、魔法の正式な定義は、『魔力を対価とし、世界の諸法則に介・改変し、自己のんだ事象を引き起こす能力』とのこと。
ポケット叩いたらビスケットが出てくるのが良い例かな。
「そして『魔力』がどのようなものかと言うと、國連魔法研究機関U.N.M.R.O.によれば、『魔法の発に必要不可欠なものであり、魔力の容量は個人により異なる』だそうです」
確かにな。俺が『海皇の斷罪』ネプトゥヌス・ジャッジを使うとぶっ倒れても、練の魔導衛師が『海皇の斷罪』ネプトゥヌス・ジャッジを使っても平気なのは、魔力の容量が違うからだよな。
「(ここまではだいたい分かる。問題は魔法認識學なんだよな……)」
その後も順調に勉強會は続き、ついに魔法認識學のページに……。ヤバい。これ真面目にヤバい。
「じゃあ雨宮さん。ここからはマンツーマンでいきましょうか」
「ほんとに基礎からお願いします。はい」
「あはは。何も私は最初から応用をやらせるほど悪なでは無くてよ?」
ニヤリと笑う先輩。すごい!優さんみたいだ!
……そんな風に現実逃避してる俺を怪訝な目で見る先輩。真面目に勉強しよう。
「じゃあ、この『魔法と心理』についてやりましょうか」
『魔法と心理』は何となく分かる。
「魔法は、ある程度リラックスしていないと最大効率で使用出來ないのは知ってますよね?」
リラックスし過ぎてもダメだし、張し過ぎてもダメなんだよな。
「……ここは分かっているようですわね。ああ、詳しい事は巻末に付屬している『學生向け魔法心理學門』に書いてあるようですので、時間のある時にでも読んでみてくださいな」
じゃあ、次いきますわね。と問題集のページをめくる先輩。
『魔法が世界に及ぼす影響』。……魔法認識學第一法則とか、よく分からない用語ばっかり出てくるんだよな。
「雨宮さん。唐突ですが、あなたは今何を考えていますか?」
「え?あー……とにかく家帰って寢たいですね」
「雨宮さん。その願を、世界中の人々が同時に実行したら、どうなりますか?」
「えーと、経済とか政治とか、々めちゃくちゃになるとか?」
働く人がいなくなるもんな。しかし俺の願と魔法認識學に何の関係が……?
「魔法認識學では、個人の願を『ミクロ願』個人的願。大多數の持つ願を『マクロ願』集団的願と呼んでいます。雨宮さんのように、『帰って寢たい』というような願は、『マクロ願』となると、世界になからず悪影響を及ぼします」
おお。何か分かるぞ……。
「逆に、『土地がしい』『もっと食料がしい』などのマクロ願を個人が持つようになると、戦爭や略奪といった行為が起き、これも世界に悪影響を及ぼします」
『戦爭』っていうマクロ願集団が達すべき理想をミクロ願マイナスの願として持っちゃう訳か。
「魔法はそのようなミクロ・マクロの認識の上にり立っています。その気になれば、魔法を使ってミクロ願プラスの願をマクロ願マイナスの願に強制的に洗脳する事も可能なんです」
要は魔法を使って世界に引き起こした事象は、良くも悪くも認識出來るって事か?
「そしてこのミクロ願とマクロ願の関係を『魔法認識學第一法則』というんです。それでは、『魔法認識學第二法則』も説明しますわね」
まだやるのかい!こっちは『魔法認識學第一法則』だけでお腹いっぱいだっての!
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