《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私の出會いと俺の怒り
二話
それはある晴れた日のこと、お母さんに頼まれていたおつかいをした帰りのことでした。
「おいそこのねえちゃん。俺らと遊ぼうぜぇ」
3人のトサカの生えたような不良に絡まれてしまったのです。
私は無視を決め込んですました顔で、まるで聲が聞こえてないかのようにふるまいました。
ですが、
「おぉい無視は良くないぜぇ?」
そう言って3人で私を囲むようにして來ました。
當然そんなことされたらくにけません。
「なぁ俺らと楽しいことしようぜぇ?」
それを良いことに彼らはジリジリと私によってきます。
「もしホテルが恥ずかしいならカラオケでもいいんだぜ?」
恥ずかしくなんか…ッ!
―あ、そうじゃなかった。私としたことがつい熱くなってしまいました。
「さぁいこうぜ?金は俺らが出してやるからよ」
そして私の肩にがっちり腕を回し、強引に私を歩かせてきます。
はぁ。
私貧なんだけどな。こんな役回りは無駄にでかいだけのがやるはずなんだけどなぁ。
―そんなことを考え、ホテル街へ続く路地へを曲がった時です。
「イテッ―」
「ぁ―」
不良に俯いてスマホをいじる年がぶつかったのです。
その年は私と同じ學校制服を著てました。
「てめぇどこに目ェ―」
「ぁ?」
明らかに年が悪い場面だったのですが、何かが気に障ったのか不良を殺すような視線を向けます。
それは冷たく凍てつくような視線でした。
「な、なんだこいつ…」
「こ…」
その年はゆっくりと口を開きます。
「(こ?こ、こ……!?殺す…!?)」
不良の顔がだんだんと青ざめていきます。
ガタガタと震えだし、そして遂には―
「す、すみませんでしたァッ!!」
そう言って走り去って行ったのです。
私は偶然にもその年のおかげで助かりました。
そのお禮をしなくちゃいけないと思い、不良のいた場所に向けていた視線を助けてくれた年の方へ向けます。
―ですがそこに年の姿はありませんでした。
そう。これが私と勇人君の出會いです。
そこから私は授業間の休み時間、晝休み、放課後、全てを使って彼を探しました。
そして分かったのは、彼は新転勇人という
名前で、アニメや漫畫が好きで、休み時間などの空いた時間にはスマホゲームをプレイしているいわゆるオタクだった。
そのせいもあってか、私が見た時は教室でもトイレに行く時でもいつも一人だった。
一人はかわいそうだ。
そして私は思ったのです。
彼のそばにいたい。
あの時助けてくれた彼に、しでも恩返しをしたい。
そう思ったのです。
「はぁ。なんでホテル街なんかにレアバケモン出るんだよ…」
俺は今地元で有名なホテル街に來ている。
俺に友達は一人しかいないし、そいつも男なため別にやましい意味でホテル街に來ているわけじゃない。
「この辺かなぁ」
バケモンGOという今流行りのゲームをプレイしている最中に、激レアと言われているバケモンが現れたのだ。
ホテル街に。
「なんで移してんのよ、しかも俺から逃げるようにー!」
俺は周りの目も気にせず大きな聲を出してしまった。
制限時間は100秒しかないのだ。
大聲出したため、ホテルから出てくる男にしばしば異質な目を向けられる。まぁそんな目には慣れているが。
「おにぃさぁん、私と遊んでかなぁい?」
そんな中ホテルからおじさんと出てきた二十歳前後だと思われるから話しかけられた。
おじさんとともに出てきたのにそのおじさんを帰らせ俺に話しかけてきたのだ。
「どぉ?今なら安くしとくよぉ」
貓で聲で甘えるようにして俺にり寄ってくるアバズレ。
くそ…レアバケモンが逃げちゃうだろ……。
「ごめんなさい。急いでるので」
イライラを抑えて足早に去ろうとした。
だが―
「じゃあこのくらいでどぉ?ほらぁあたしを好きにできるんよぉ?」
道を塞ぐようにして再びってくるアバズレ。
そろそろ我慢ならん。
レアバケモンが逃げてしまう。
もう相當に距離を離されている。
あーもう!!
「言わないとわからないですか?病気がうつるって言ってるんです。」
それだけ告げ、今度こそその場を去る。
「では。」
今度は捕まえられないように小走りでホテル街を抜ける。
やばい。逃げられる……ッ!
早くしないと……!!
小走りの勢いそのままにホテル街を抜ける角を曲がる。
が―。
やばい、ひと…ッ!
「ぁ―」
なんでこんな時に…!
あ…あと15秒……。
くそ…間に合わない…。
「こ…」
ヤベェ噛んじゃった…早く謝って―
「す、すみませんでしたァッ!!」
え?
に、逃げた?しかも謝りながら…?
俺何もしてないのに…。
ま、まぁいいか。
あ―あと8秒!?
やばいッ!俺も急がないと!
俺はその場を後にした。
だが、レアバケモンは捕まえることは出來なかった。あのことが無ければ…。
俺は自分でもびっくりするくらいイライラしていた。
そういえば男三人でホテルで何するつもりだったんだろ……なんかれちゃいけない世界だな、うん。
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