《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私のぐぬぬな渉と俺の最高の相棒

五話

「いや本當に付き合ってないんです!」

「いやぁ……ねぇ?あんな熱烈なキスしといてそれは無いんじゃないかい?」

俺は、疑う左道さんに乞うように弁解する。

だが、「君たちは付き合っている」の一點張りで全然話にならない。

「左道さん。私たち本當に付き合ってないんです。」

どこか悲しそうな顔で新天さんも弁解する。

さすがにこの狀況で「ゲームやりたい」とか呟けるほど肝が據わっている訳ではない。

いや確かにやりたいけど、流石にあの新天さんに迷を掛けておいてそんなことは言えないし今は新天さんの方が大事だ。

「何度も言いましたが私は…ふられたんです。」

そう言って新天さんは俯き暗いオーラを浮かべてしまう。

ふられた……か…。

俺の選択は間違ってなかったよな……。

そもそもオタクでゲームが好きな俺になんて出來ないんだよ…。

それに……。

「勇人くん…?」

「ぁ…うん。付き合ってません」

つい思い出してしまうところだった。

中學の頃のアレを。

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結局付き合っていないと理解してもらうことは出來ずに、俺は一人教室へと返された。

どうやら新天さんと左道さんは同じクラスで、何やら話があるということであとから二人で戻るとのこと。

まぁその分俺はゲームする時間を得れるからそこはありがたい所なんだがな。

「あの記事を撤回してください」

二人殘った部室で私は左道さんにもう一度お願いします。

ですが、

「んー、良いけど…それには條件があります」

何やら條件を提示されました。

これはかなり嫌な予がします。なんせ新聞部部長の左道さんの言う條件なんてろくなものじゃない。

「私が付き合ってないと認めるまであなたたち二人の調査をしていいですか?獨占調査です」

「私は構いませんが彼は―」

「よーっし!じゃあ決まりです!今すぐスクープは噓、コラ畫像だという記事を作って號外として掲示しますね!」

あれ、なんだかいい方向に向かっていっている気がします。

でもまだ安心しちゃだめよ新天円香!完全にみんなの記憶から消えるわけじゃない。それ寫真を撮られている可能すらある!危ない、危うく騙されるところでした。

これは罠です!

みんなの記憶から消えるわけじゃないことを知ってた上で、私たちの辺調査を行えるという、左道さんにしかメリットがない罠です!

“私たちの辺調査”って響きいいですね。なんかカップルみたいで。

あ、あぁ。そうじゃなかった。うん。

「左道さん!寫真を撮られている可能だってありますしそれじゃあ事が収まらない可能があります!それにこの條件だと左道さんにしかメリットがないです!」

私は左道さんへ訴えかけ、必死に罠を避ける道を探します。

ですが、左道はケロッとした顔で言ったのです。

「當たり前ですよ?じゃあ聞きますけど、あの寫真を殘しておいていいんですか?」

「いや…それはその…」

「それに新天さん。あなた忘れてるかも知れませんがこっちには聲を録音したものがあるんですよ?」

はっ!忘れていました。

確かに左道さんはその切り札とも言える録音データを持っているんだった!

私が呆気に取られた表を浮かべていると、そこに左道さんはチャンスだと言わんばかりに畳み掛けてきます。

「もし私の手がったりなんかしたらそのデータがダウンロードできるURLをばらまいちゃうかも知れませんねぇ。」

ぐぬぬぬ……。

左道さんは酷いです!そこまでして私なんかのスクープがしいんですか!

もういいです!

さすがに聲データをばらまかれるくらいだったらその罠にはまってあげます!

「分かりました。條件に乗るので手をらすのだけはやめてください」

「いい判斷ですね。分かりました。今日のお晝には、噓だったと述べた記事を校に掲示するのでお楽しみに。そして今日から私はあなた方と共に學園生活を送りたいと思います。よろしくお願いしますね、円香さん」

普段クラスメイトからは“新天さん”としか呼ばれなかったため“円香さん”と呼ばれた瞬間ビクリとが震えてしまいます。なんだか下の名前で呼ばれるのが癖になってしまいそうです。

だから私もこうやって返します。

「こちらこそよろしくお願いします。真結さん」

と。

晝になると何故か校の至る所に【新聞部部長の悪戯!校ドッキリ大功!!】と綴られた記事が掲示されており、皆はため息を吐いたり、「噓だ」と記事を批判したりしていた。

俺がゲームしてる間に二人に何があったんだよ…。

俺はそんな疑問を浮かべながら、いつも通り食堂にてぼっち飯を喰らう。

だがその時だった―

「おぉう勇人!今日は飯一緒に食べようぜ!」

俺の唯一の友達である淺見冬彌あさみとうやくん、通稱淺見くんが味噌ラーメンを持って僕の隣へやってきた。

「いいよ淺見くん」

淺見くんは唯一俺の気が許せる友達で、しかもクラスではリア充グループに屬しているという何とも俺と友達なのが解せないやつだ。

そんな彼は話にとにかく目がなく、今回の俺と新天さんのスクープの話をしに來たのだろう。

「おいおいやるな相棒!まさかお前みたいなオタクで非リアなやつがあの新天と付き合ってるなんてなぁ!羨ましいぞこのやろう!」

そう言ってご飯を貪る俺の頭をわしゃわしゃとで回してくる。

「俺もあんなカワイイ彼しいぜぇ…なぁ。どうやったらあんな可い彼出來るんだ?教えてくれよ相棒。」

「いや、彼じゃないよ。あの記事見たでしょ?新聞部部長が畫像を編集してドッキリしただけだって!ほら、漢字は違えど平仮名で書くと苗字が一緒だから―的なノリで俺だったんだよ」

「おぉいそれほんとかぁ?本當は俺に隠れてこそこそ付き合ってたりするんじゃねぇのか!?」

淺見くんはラーメンを食べる気配なく、俺の方に手を回して話を進める。

「いいって…誰にも言わねぇからよ。ほら、何があった?」

小聲で問いかけられたそれは、何やら友達同士でやるこそこそ話とやらになっていた。

僕はそんな“信頼できる友達”である彼にだけ、屋上出會ったことを語る。

だがさすがにキスされたとは言えず、告白された、とだけ告げた。

すると冬彌くんは―

「はぁ!?マジかよ勇人!こく―」

大聲でそんなことを言ったため、俺は全力を盡くして彼の口を塞ぐ。

「悪い悪い」と手でジェスチャーしたため、口から手を離す。

「それ本當か?」

「うん。誰にも言っちゃダメだからね?」

「あぁ分かってるよ…俺ら友達だろ!」

小聲での會話は続く。

「ありがとう」

「そ、それで?それでどう返事したんだ?」

そんな中目をキラキラさせて俺に問いかけてきたことは、俺が一番言いにくく、他言したくないことだった。

“ふった”

學園のアイドルをふったとなると、さすがの淺見くんでも興して他言してしまうだろう。

だから俺はこう言った。

「まだ返事してない」

すると淺見くんは呆れた顔を浮かべ、

「なんでー!二度とこんなチャンス訪れないかもしれないぞ?」

「いやでも新天さんだよ?俺なんかが付き合ったりしたら絶対闇討ちされるよ!」

「まぁ分からなくもない」

淺見くんは頭を抱える。

頭を抱えたいのは俺の方だよ!本當にどうすればいいんだよ!

「あ、ヤベェ麺のびちまう!」

頭を抱えていた淺見くんだったが、ラーメンの存在を思い出したようでズルズルと勢いよくラーメンをすすり始めた。

僕は既に食べ終えていたため、夢中でラーメンをすする彼の姿を眺めていた。

放課後、俺は返すに返せなくなったハンカチを片手に屋上へと向かっていた。

そう。俺は新聞部恐怖癥にでもなってしまったのだろう。新聞部に向かおうとしても足がかず、仕方なくハンカチが落とされていた屋上のドア前へと向かっているのである。

不意に昨日のことがフラッシュバックする。

あの時はバケモンGOに夢中で周りをよく見れてなかったからなぁ。こんなになってたんだ。

所々シミが付いていて古き良き學園が醸し出されていた。

そしてそんな階段を上り、屋上のドア前についた時、衝撃の人がそのドアの前で屈んで何かを探していた。

「あれ?勇人くん…?」

その姿はとてもしく、おしいものに見えた。

まるで俺のやっているMMORPGのフレンドさんのように。

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