《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私の手作り弁當と俺の浮かべる彼への心配
十二話
帰り道。
ほんの數日間だけ新天さんの帰ってた道がやけに寂しくじる。
一度人といる楽しみ、人と下校する楽しみを覚えてしまった俺に、現狀は辛くてむずい事実を容赦なく突きつけてくる。
子供のはしゃぐ聲。
その聲が耳にり、半ば集中出來ていなかったスマホの畫面から目線を上げる。
俺の瞳に映ったのは、昨日までの俺たちのように喋りながら帰っている男、決死の形相で自転車を漕ぐ年、その荷臺には妹であろう小さな。電話をしている男。
俺以外誰ひとりとして“獨り”である人はいなかった。みんな一様にして誰かと過ごし、誰かと繋がっていた。
“獨り”なのは俺だけだった。
新天さんに告白されるまでは當たり前のように見ていた景。歩いてきた道。
それら全てが別に見えている。
これだから今更淺見くん以外の友達なんて要らなかったのに…ッ!
もう二度と友達やで辛い思いはしたくない。傷つきたくない。
そうじたはずなのに……ッ!
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あの日から新天さんと関わりを持ってしまった。
全てがそこから変わっていった…。
いや…違うか。
新天さんは悪くない。
悪いのは俺だ。
自分に好意を持ってくれているを信じられない俺が悪いんだ。
俺は周りの報を出來るだけシャットダウンしスマホに目線を戻して家路を急いだ。
「ちょ―にぃ!?どうしたの!?」
俺が帰宅してそのままリビングへ向かうと、結花が驚きと不安のり混じったような表を浮かべ俺の瞳を覗き込んでくる。
「―ぇ?」
俺の口からは聲にならない聲がれた。
「ほんとにどうしたの…?」
今の俺の表、姿がまるで別人かというような表を浮かべる。
「―はい!これ見て!!」
俺に向かってばされた手の先にはスマートフォンが握られていた。
畫面は俺の方へ向き、どうやらインカメになっているようだった。
―そして、そこは“ナニカ”が映っていた。
を失った瞳。
重くたれたまぶた。
口角の下がった口元。
俺はこんな男知らなかった。
「これが今のにぃだよ!」
これが?
いや…そんなわけないだろ。
ここまでひどい顔してないぞ。
そう伝えたかったが、うまく聲を発せない。
のあいた風船のように、空気がれていくだけだった。
俺は唾を無理やり飲み込み、結花へ悟られぬよう笑顔で告げる。
「いや…孤獨を痛しでただけだよ…」
だから心配するな。
俺はいつも通りだ。
俺は言葉の裏にそんな気持ちを隠しリビングを後にしようと振り返る。
その時だった―
「シャキッとしろっ!!」
「―ぃでっ」
俺の太もも目掛け結花の足が飛んできた。
見事に一番効く部分を捉え、痺れが効いてくる。
「全部説明して!」
振り返ると、先程とうって変わって腰に手を當て、怒った様子の結花がいた。
「でも…」
俺はすぐ乾くへ唾を流し込み、結花へ反論の言葉を投げかける。
「現実は何も変わらない」
それはあまりにも無慈悲で、結花に涙を浮かべさせるには十分だった。
「変わらないかも…変わらないかもだけど!」
結花は俺の肩を摑み、真っ直ぐに瞳を見つめて言葉を紡いだ。
「ゆいはにぃの妹なの!話を聞く権利はある!それに変わる変わらないじゃない!一人より二人の方が知恵は湧いてくる!そうすれば変えられる!!」
「だから―」と涙ぐんだ瞳で俺へと思いの丈をぶつけてくれた結花。
「話せよバカにぃ……ッ!!」
そんな結花の姿を見たことがなかった。
俺のために涙を流し、怒りを浮かべる結花を。
「嫌だ」
そう言えるほど俺はひねくれてはいなかった。
妹である結花がここまでありったけをぶつけてくれるなら、協力してくれるというなら俺はその優しさに甘えよう。
俺は一度水を飲み、かわいたを潤し俺がじた全てを話す。
―新天さんから連絡が無いこと。帰り道、やけに“獨り”ということを自覚されたこと。
そんな事でここまでひどい有様になってしまう俺に「うん。うん。」と優しい相槌を打ってくれる結花。
そして伝えた。
新天さんの事が心配だ―と。
今朝のこともあり、言うべきではなかったかも知れないがそれを聞いた結花は、やや震える聲で優しい相槌を打ってくれた。
そして、新天さんのことは今日一日待ってみて明日の朝、今日のように迎えにこなかったら探す。
そういうことに決まった。
とりあえず俺は、疲れたを休めることにした。
「おはようございます」
「お、おはようございます…」
來ないと思っていた俺の予想に反し、昨日のように迎えに來てくれた新天さん。
特に気になる部分などなく、いつも通り可憐な新天さん。
俺はそんな姿の彼を見れて安心した。
彼を玄関にれ、支度をするためにとりあえず部屋へと戻る。
階段で結花とすれ違ったがあいつ何企んでるんだ?
俺はそんな結花の企みに期待をしつつ、支度を済ませた。
「じゃあ行きましょうか」
「はい」
「じゃ、いってきます」
「いってきます」
結花に挨拶を済ませ俺たちふたりは學校へと向かった。
道中、昨日の晝の話を振ったところ「ごめんなさい、用事ができてしまって」と返答が來たので、とりあえずは安心だ。
迎えに來てくれたということは嫌われたということは無さそうだし。
あ、「今日からお晝はご一緒出來ません…ごめんなさい」とも言ってたな。
新天さんの事だから何らかの委員會に駆り出されているのだろう。
下校の話はしなかったが、昨日一人で帰ってきた道を新天さんとふたりで歩くことが何だか嬉しかったため、気にしないことにしよう。むしろ忘れてたし。
「おぉー昨日に続いて今日も新天の手作り弁當を食えるなんてなァ」
私が作ったお弁當を眺めて彼は言います。
「俺は幸せもんだなぁ!」
そんなことを言いながらご飯をかき込む彼を私は眺めます。
「あ、もう食っていいよ。」
「ありがとう…ございます……」
私は彼の食べている弁當と同時に作っていた私のお弁當に手をつけます。
その瞬間―私の攜帯が軽やかな音を鳴らして著信を知らせました。
「おい。誰からだ」
その音に反応し、私を睨みつけてくる彼。
「お、お母さんからです…」
「あ?見せてみろよ。著信畫面」
私は震える手で著信畫面を彼に見せます。
もちろんそこには、お母さん。と文字が浮かんでおり、その下に電話番號。それはお母さん以外の何でもないということで、火を見るより明らかです。
「ん〜まぁいいか。あいつじゃないし」
あいつ。
それは勇人くんの事でしょうか。
それとも別の誰かのことでしょうか。
私はそんな疑問を浮かべながら、お母さんからの電話に応答しました。
「結局あれから勇人くんとおしゃべり出來ませんでした…」
私はベッドでゴロゴロしながら勇人くんを思い浮かべます。彼なら今の私を助けてくれるでしょうか。
でもあの寫真が出回った場合迷を被るのは勇人くんですし、“助けて”なんて簡単には言えません。
「私はどうしたら……」
そう思ってスマホを開いた時でした。
軽快な音とともに、limeの通知が來ました。
結花さんからでした。
『何かあったら言ってください。悔しいですが兄貴の彼なんで話くらいは聞きます。』
との事だった。
私はそんな優しい彼へ、
『ありがとうございます。事があって、今度からお話は電話でしましょう』
と返信しました。
しばらくして彼が攜帯番號を教えてくれたため、私も自分の番號を送り、このトーク履歴を削除しました。
そして私は結花さんの電話番號を電話帳へ登録しました。
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