《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私の彼への甘えと俺の重役出勤

十四話

「結花…?」

そのlimeは新天さんからではなく、妹の結花からであった。

々気を落としつつ結花とのlimeを開く。

『今すぐ帰ってきて』

と一言だけのメッセージだった。

意味が分からない。今更帰るなんて………いや、帰るか。

うん。何か問題があったならごまかせるし大丈夫だよね。

よし!帰ろう!!

俺は振り返り、今來た道を戻っていった。

「あ、おかえり〜」

カラオケ室に戻ると、彼は不敵な笑みを浮かべて私へ視線を向けます。

私は帰室の聲を発さず、彼から最も離れた位置に座ります。

「なぁんでそんな遠いとこなの?もっとこっちきなよ」

「は、はい…」

私は座る位置をし彼寄りにして彼の顔を確かめます。

相変わらず舐め回すような視線を向けられて、えまーじぇんしーこーるが止まりませんが約一人分の間を開けれたことで今は満足します。

突然ですが私がずっと気になっていたことを尋ねます。

「あなたはなんでこんなことをするんですか?」

私のその問いに、さも當たり前かのように彼は言います。

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「お前を好きにしたいからだけど?」

そんなことは大察しは付いていました!そんな答えは聞いていません。

「ん?なんだ、不満げな顔じゃねぇか。」

「い、いやっ…」

私は彼の機嫌を損ねたとじたので構えます。

ですが彼は今まで一度も浮かべなかった凍てつくような表を浮かべ口を開きました。

「まぁ強いて言うならあいつがムカつくからかな。」

「ムカつく…?」

私は再び尋ねましたが、彼は席を立ち、バッグを持って言いました。

「もういいわ、冷めた。俺は學校行くけどお前はどうする」

「あ、私も―」

「じゃあバレないように登校時間ずらせよ」

彼はそれだけ言ってカラオケ室を出ていきました。

やっとえまーじぇんしーこーるが鳴り止んだ頭にすぐに浮かんだのは“呼んだ助けを斷る”ということ。

私は電話帳から、再び【お母さん】を選び、連絡をしました。

―連絡をし終えた私はポケットへ攜帯をしまい、學校へ向かうためカラオケルームを後にしました。

「ただいま」

俺は結花に言われたように、すぐ帰宅した。

「結花ぁ?」

だが連絡をよこした當の本人が居ない。

俺はしばらく結花を呼ぶ。

何度か呼んだ後、二階からドアの開く音がしてとたとたと軽い足音を立て首にヘッドホンをつけた結花が降りてきた。

「ごめん。音楽聴いてた」

「で、何かあったのか?」

「えっ…いや…あのぉ…」

何故か口ごもり、なかなか本題を言い出さない結花。

「何かあったのか?」

「いやぁ…何でもないというか…何にもないというか…」

………え?

この子特に用事もないのにあんなメッセージ寄越したの?

「はぁ……次からやめてくれよ、そういうの」

「うん……ごめん」

もう今の俺には怒ったり咎めたりするほどの気力は殘されていない。

俺に殘されているのは學校へ行く気力だけ。

俺は覚悟を決め、再び玄関のドアを開ける。

「―まって!」

「……なに…」

し苛立った聲が出てしまった。

特に苛立っている訳では無いため申し訳ない。

結花は結花で、言おうか言いまいか迷った様子でいた。

だが大きく深呼吸をし、覚悟を決めたようにして口を開いた。

「ひ、ひとりが寂しいなら一緒に行ってあげてもいいよ…」

もじもじとしてそういった結花が今の俺にはおしく思えた。

例え妹であれ、一人だった道にいるのといないとでは心の持ちようが違うのだ。

し照れくさいが俺は―

「じゃあ…頼む」

結花へし寄り添ってもらうことにした。

「兄貴さぁ…そろそろ友達作る気ないの?」

「喧嘩売ってんの?」

登校中、新天さんとは違うベクトルの會話を繰り広げていた。

「そもそも一人いるし!新天さんもいるし!」

「二人じゃん」

俺が多の反論をすると、このは鼻で笑って言いやがった。

ちくしょう……こうなったら俺にだって手があるんだからな!?

「結花は彼氏作らないの?」

俺はわざとらしく聞いてやった。

すると結花は顔を真っ赤にして、

「つ、作らないもん!ゆい好きな人いるし!」

と、まんまと俺の攻めに引っかかった。

「にぃの意地悪!!」

あぁーそっぽ向いちゃった。

かよコノヤロウ!可いじゃねーか!!

その後も互いにいじりあって罵りあっているうちに學校へ到著した。只今の時刻は12時30分だ。晝休みの時間のためなかなかの重役出勤ぶりだ。

「じゃあ行ってらっしゃい」

「あぁ。行ってきます」

結花と挨拶をわし、俺は校舎へとっていった。

「お!やっと來たか勇人〜!」

俺が教室へると待っていたと言わんばかりの速度で淺見くんが肩に手をかけてきた。

「うん。ちょっと々あってね」

「なるほどな。そうだ!腹減ってないか?俺ペコペコでよぉ〜」

どうやら食堂に行こう、との事らしい。

「ひとりで食べてれば良かったのに」

「バーカ何言ってんだよ!友達と食いてぇんだよ」

俺は心から思うことがある。

淺見くんと友達になって良かったと。

多分俺の高校生活最初で最後の友達だろう。

そんな友達が最高にイイヤツだと。

「じゃあ行こっか」

「おう!」

俺たちふたりは食堂へと向かった。

「やっぱラーメンうめぇなぁ!」

「淺見くんラーメン好きだよね」

「おぉ!男はラーメン啜ってなんぼってもんだろ!」

ちょっと何言ってるか分からない會話をしながら俺たちは晝食を貪る。

「それにしても勇人、いっつもねぎトロ丼だよなぁ」

淺見くんは俺の食べるねぎトロ丼を指さしていう。

「まぁ、スプーン一つで食べられるし何よりおわん一つだから楽だからね。海鮮好きだし」

「なるほどなぁー。俺も食ってみようかなぁ」

そんな他もない會話の中で、ふと窓の外に目線がいた。

そこにはゆっくりとした足取りで校舎へと向かってくる新天さんの姿があった。

それを見た途端、無意識のうちに席を立っていた。

「ど、どうした…?」

心配したような表をした淺見くんに、

「それ食べていいよ!ちょっと席外すね!」

とだけ告げ食堂をあとにしました。

やっと學校につきました。

今日は勇人くんに會えるでしょうか。

まぁあの人が居る限り會えない確率の方が高いでしょうが。

「はぁ…憂鬱です……」

私は外靴を下駄箱の中にしまい、上靴を履いて自分のクラスへ向かおうと足を踏み出しました。

その時でした―

「新天さん!!」

聞き覚えのあり、今一番聞きたい人の聲が私の耳に屆きました。

一瞬私の求が強すぎるが故の幻聴かと思いましたが、目の前に立つ彼の姿を見て安心しました。

勇人くんが目の前にいたのです。

私は気づいたら勇人くんへ抱きついていました。

そして、無意識のうちに口がきます。

「助けてください…名前は分かりませんが男子生徒が…」

こんなことを言うつもりはありませんでした。彼を心配させるだけだから。

それだけは申し訳なくて言いたくなかったから。

彼は最初のうちは私が泣きついていることに驚いているのか、目を丸くしていましたが、そのうち私の頭をで「大丈夫ですよ」と優しい聲をかけてくれました。

私はそんな彼に甘え、気づけば全てを吐き出していました。

落ち著いてきた私の頭は、彼へ助けを乞うしかない。と告げていました。

ですがこの狀況を彼に見られたら終わりです。

私は急いで勇人くんに要件を伝えます。

「明日!明日その生徒を捕まえるのに手を貸してください」

「…どのようにしてですか?」

當然はてなマークを浮かべてる勇人くんへ私は告げます。

「詳細は結花さんを通じて追って連絡します!」

「あ、明日ですか!?」

「はい。この狀況を見られたら何されるかわからないので私はこれにて教室へと向かいます。」

理解してくれたかわかりませんが、勇人くんを信じ、私は教室へと向かいます。

あ!

「好きですよ勇人くん」

こういうことは彼なので言っても構いませんよね。

私は彼の視線を背にけ、急いで教室へと向かっていきました。

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