《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私のの痛み(長ではありません)と俺のアウトな勘
十七話
「やっべぇ……」
朝、ふとMMOにログインしてみると、一件のメッセージが屆いていた。
【なにかあったの?】
と。
銀杏さんからだった。
「かんっぜんに忘れてた…」
俺はそのメッセへ謝罪の言葉を綴り返信する。
「兄貴ー!新天さん來たよー」
「おっけー」
俺はMMOを落とし、ブレザーを羽織って新天さんの待つ玄関へと向かった。
今までは基本的に“獨り”だったからいつでもどこでも暇さえあればゲーム!ってじだったが、今は新天さんがいる。下手したら俺はもっと多くの人と関わるかもしれない。
つまり、一言で言うなら「多忙」。
そして、それのせいでソシャゲやMMOには前より時間を裂けていないのが事実だった。
正直ゲームできないのは苦痛ではある。
だけど―
「おはようございます、では行きましょうか♪」
朝からこんな笑顔向けられたらそんなことミジンコ程度の苦痛であると思ってしまうのが男の子だよね。
晝休み、新天さんから「用があるので屋上で待っててください♡」と言われ、屋上の柵へを預けスマホを見ている時だった。
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「やばい…このキャラ新天さんに似すぎている…」
俺はとあるインターネットサイトを観覧していた。
【黒髪とあんなことやこんなこと!あなたはこの魅力に耐えられるか!】
という見出しの元、【黒髪にまみれるラブゲーム】というちょっと良くわからない作名のゲームの公式サイトだ。
実はこのゲームは半年以上前からストーリーなどの事前報があり、発売日が迫った今!ヒロインのビジュアルが初公開されたのだ!
メインヒロインは黒く艶やかな黒髪で、束ねることもできればそのまま垂らして流しておくことも出來る、そんな長さで、ボディの方は出てほしいところが出てなく、出なくていいところも出てない。ま、まぁ生活に不自由のないつきだった。
まぁ俺はたゆんたゆんにだらしなく揺れてるものより、あんまり自己主張しない「あ…はぃ……私です……うぅ…」みたいな大きさが好きだからこのキャラには惹かれる部分はある。
だがッ!
顔のパーツ、髪、髪型があまりにも新天さんに似ているためこのゲームをプレイした場合攻略していいものか。と考えてしまう。
だからといって他のヒロインを攻略するのは何だか新天さんに似たキャラに申し訳ないというか……。
そんな曖昧な気持ちのままそのキャラの説明を見ていると一番下にサンプルボイスを見つけた。
俺は最後のみを指に乗せ、そのアイコンをタッチした。
『あなたを好きになってしまいました。…私じゃだめ…ですかね…?』
おっふ……。
こりゃダメだ……。
俺はそのヒロインのページを抜け、他のヒロインのページへ飛んだ。
【いツンデレ妹!】
「はいはい詰み詰み」
【服をだらしなく著ている巨先輩!】
「はいはい知ってる知ってる」
【まさかの友達以上の関係に!?イケイケ系親友(男)からの告白!!】
「はいはい知って―はいぃぃぃっ!??」
なにそれ!作者頭おかしいんじゃないの!?事前報に一切そんなこと書いてなかったじゃん!なにそれの子の電話番號押してえくれたりする好〇の反逆ってか!?いや怖いわ!
普通この流れできたら左道さんに似たヒロインが出て「まじかよ…全員知り合いに似てるって…」ってなるはずだよね!?
いや確かに知り合いに似てるけど同ね!?男×男だよ!?ホモ臭い展開になるよ!?
でもなんだろう。この好奇心。
サンプルボイスを押さざるを得ない…。
『俺もう、お前と晝飯を一緒に食ったりするだけの中じゃ嫌なんだ……なぁ相棒…いいだろ?俺の棒を……』
「なんだこれぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!」
人間のもつ未知への探究心というものは怖い。時には人の心にトラウマを植え付けてしまうことすらあるのだから。
俺の頭ではまんま淺見くんで再生され、軽いトラウマになりかけた。
そんな頭を抱えるようにしてブンブンと頭を振っている時、ある一點に視線が集まった。
「いやぁ……ち、違いますよ……?」
階段へと繋がるドアの前に、彼は立っていた。
頬を引きつらせ、乾いた笑いをらしていた。
目の焦點は合ってなく、虛空を眺め瞬きはなかった。
そしてそんな新天さんは、一言―
「だから私は“ごっこ”止まりなんですねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ」
とび、屋上を去っていった。
あー。これ絶対良くない方向に行くよな。俺は知ってるぞ。
こんなことが起きたら――。
案の定、晝休みが終わりを告げそうな辺りから『あの新天さんが屋上から泣きながら降りてきた』という噂が立っていた。
はい!アウトー!
「円香さん?何かあったんですか?」
「ひぐっ…真結さぁん…」
私は左道へ抱きつきます。
「いやっ…あのこの制服昨日クリーニングして……」
左道が何か言ってる気がしますが、気にせず顔を彼の制服に押し付けます。
「……はぁ…何があったんですか?」
「そ、それは―」
私は彼から離れ、先ほど目撃、もとい聞いてしまったことを話します。
「―だから彼は子である私とは“ごっこ”だったんですよ…」
「ま、まぁ彼がそんな…げ、ゲイ的な何かな方かどうかは、今日の放課後聞いてみましょうよ。部活の件もあるんだし」
「で、でもさっきあんな畫を…」
『俺のあいぼうを…』とか言ってましたし、“俺の”ってことは多分そういうことだし……。
「円香さんの悪いところは勝手にわかったふりして自己完結するところです。何もそうと決まった訳ではありません」
「そ、そうでしょうか…」
「はい」
そういった彼が、なぜだか頼もしい方に見えました。
「あ、あと」と、言った彼は、私がさっきまで一番に悩んでいたことを提案してきました。
「二人の関係を公にするべきです」
と。
どうするどうする!!
絶対誤解されたよな!?
このレールの先は底の見えない闇に繋がってるよね!?
俺はこの授業をまともに聞かず、さっきあった『新天さん誤解事件』の解決法を模索していた。
絶対に俺が男を好きだって勘違いされたよな。
このままだと、『男と付き合う練習をとしてる』っていうよく分からないカオスな関係だと思われるよね!?
そ  れ  は  マ  ズ  イ
正直な話、既に策と言える解決法は出ているのだ。しかもこれ以上にないほど誤解を溶ける方法。
しかしこれにはとんでもないほどのリスクが付きまとっている。
そのリスクが怖いため、他の解決法を探しているのだ。
例えば今までで浮かんだ作戦だと―
名付けて【が好きなんですよ!?本當ですよ!!?作戦】。
新天さんの目の前で々なに話しかけ、「あ、勇人くんは男の子じゃなくてが好きなのね」と思ってもらう作戦だ。
これにはとんでもないほどのリスクが伴う。それは、新天さんが「が好きなのね」と思わなかった場合、俺の人生が即詰むことだ。
よって卻下になった。
ちなみにこれと策の二つしか浮かんでいない。
やっぱり策を使うしかないのか………。
その時、授業の終わりを告げるベルが鳴った。
―仕方ないか。
あんな大衆の面前で告白してきたんだし大丈夫だよな。
俺は新天さんのクラスへと向かった。
教室の前についた俺は大きく深呼吸をする。
よし!
俺は覚悟を決め、人生最大になるであろう―告白をした。
あれ?なんで勇人くんがこの教室のドアを?
さてはこの教室に好きな男が………いや、真結さんが言ってたとおり、まだその可能があると決まった訳ではありません!
あ、勇人くんと目が合いました―
「好きです!!」
え?
「(男が)好きです」ってことですか……?
「勇人く―」
のチクリする痛みを我慢し、彼に聲をかけようとしましたが、もうそこに彼はいませんでした。
―いや…でも彼が「好き」って言ったのは「(新天さんが)好きです」ってことかもしれませんよね?…………でもこんな短期間でそんなにが変わったりしますかね……。
てことはやっぱり「(男が)好きです!!」ってことなんでしょうか。
あーーー!!!もう分かりません!!
何なんですか彼は!主語を抜かないで下さい主語を!!
その真相は放課後にはわかるのですが、がチクチクと痛むのは止みませんでした。
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