《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私の―(出番なし)俺のへの葛藤

二十話

「幸福部かぁ………」

俺はベッドへ寢転がり、手を握ったり開いたりを繰り返す。

べ、別にあの時の覚を思い出してる訳じゃない!

そ、それに今でも疑問なんだ。

完全にホモ疑が持ち上がっていたはずなのに、放課後ではそんなこと気にしてない素振りをしていたのだ。

効いたとすれば、俺の公開告白だろう。

だが俺は思うのだ―新天さんはそこまでちょろいなのか……と。

いくら新天さんでもホモ疑が浮き出たすぐあとに告白されて疑を払拭する訳ないもんなぁ。

俺が々悩んでいると、コンコンとドアが鳴った。

「あ、兄貴…」

ちょこんと小さく顔を出した結花が、潤んだ瞳で見つめてくる。

「どうした?」

「寢れない……」

そう言って結花は俺の部屋へとってきた。どうやら枕を持って來ていたようで俺の部屋で寢る気満々だった。

「あの〜結花さん……?」

枕の裏に顔を隠し、そこからチラチラと目線を向けてくる。

「あー、もう分かったよ……」

仕方ないよね。

別に俺は本意でベッドにったわけじゃないしね。

「に、にぃは絶対こっち向かないでね!変なことされたら困っちゃうから…………♡」

おーい“兄貴”が“にぃ”になってるぞー、バレバレだぞー。

もぞもぞとベッドへってきた結花。

「ぐふふ」と含んだ笑いが聞こえたが多分気のせいだろう、気のせいだと思いたい。

なんかあの日から生活がガラッと変わったなぁ。

前より確実にゲームする時間もアニメ見る時間も減ってるし、この妹はツンデレが丸見えになってるし。

非リアだったはずの俺の生活が段々と充実したものに染まりつつある。

俺は慨深い気持ちに浸りつつ、眠りについた。

「今日の放課後楽しみだなあ」

授業中ですが、私は勇人くんのことを考えます。

どうにも昨日の手のが忘れられないのです。

「勇人君は昨日の事どう思っているんでしょう」

もし私と同じだったら…嬉しいんですけどね。

「ここわかる奴いるかー」

おっといけない、ノートを取るのを忘れていました、早く続きを取らなければ!

運のよかったことに私が指されることはありませんでした。

ほっと息をつく暇もなく、授業は再び進んでいきました。

「そういえば勇人くん」

「はい?」

俺たちは今いつも通り屋上でご飯を食べている。

ただ、いつもとは違うところが一つある。

それは―

「あ!先輩、その卵焼きいいですね!私のベーコン、アスパラと換しませんか?」

「あたしその唐揚げがい〜」

「仕方ありませんね〜はい!立です!」

「やった〜さんきゅ」

俺たち二人きりではなく、部活のメンバーとも一緒に食べている。

「勇人くん?何見て……」

「あ、新天さん。みんなでご飯って―」

ですか……やはりなんですか……」

あれれ?

もしかして怒ってる?怒ってらっしゃる?

ま、まぁ見てないと言ったら噓になるけど、そんな凝視は……

「巨が好きなんですか!?私がいるじゃないですか!」

そういった彼を張って、をアピールしてくる。

新天さん気づいて!!

それだと癡アピールしてるだけだから!

男にを見せつけるようにするなんて癡の愚行だから!!

「新天?それ癡っぽくて勇人引いてるぞ」

先輩ストレート過ぎません!?

そんなこと言ったら新天さんが―

「先輩のに惹かれるような人には引くくらいまな板だってことをアピールしてやるのです!」

わぁ。新天さん吹っ切れてるぜぇ〜。

これはどうすればいいんだ?

ってやればいいのか?

「貧でもいいじゃないですか。個ですよ!新天さん」モミモミ

よし、これは捕まるな。気持ち悪すぎる。

じゃあ逆に―

「新天さんやめて下さい!はしたないですよ!」

「なっ―私のより先輩のの方がいいって言うんですか!!?あーそうですか!彼のことを無下にしてまで先輩のが気になってるんですね!!」

これも詰みだな。

あれ、下手したら八方塞がりじゃない?

きついきつい。

どっちに転んでもアウトだよ!

「あのぉ……新天さん…?」

「は、はひっ!」

あら?もしかして新天さんも張してらっしゃる?

なんか普段振り回されてる気がするし、しいじめてみようかしら。

「そんなにを突き出して、もしかしてってしいんですか?」

「えっ!ちがっ……ぐぬぬ……」

ギガントカワユス……。

「じゃありませんので、早くご飯食べちゃいましょ」

「えっ……あぁ…はぃぃ…」

さーてどう出る?

(もしゃもしゃ)チラッ

(もしゃもしゃ)チラッ

か、かわいいッ!

―でもね新天さん。

さすがにはいけないよ?

勇人くんそれはいただけないなぁ。

「新天さん!まだダメです」

「へっ?…あぅ〜……」

相変わらず、俺の彼(仮)はおしい。

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