《初めての》出會いと戸い05
やっぱり気心知れた人間が一人でもクラスにいればその年は安寧と言えるから。
近年、中高合わせて生徒數が一萬五千人を超える勢いを見せる我が學園の狀況を考慮すれば、クラスが一緒になるだけで奇跡だ! 奇跡が起きた! と大騒ぎ出來る。そのくらいこの學園は生徒が多く、奈緒が奇妙な方法でお互いのクラスを探すのも無理もない。
どうせ奈緒の事だ。クラス替えで臆する事は絶対にないから、小心者な僕を気遣い先にクラスを見つけてくれているのだろう。ホント、お節介焼きの馴染だ。
「あ、あった。あったぞ僕と奈緒の名前! 春香さんって子の隣と前!」「え! どれどれ! ぁ……噓、ハルカ……? え、同じクラスなの? 噓でしょ?」「やった、全然知らない連中ばかりだけど、奈緒がいるだけで天國だ! やった!」
席順をそのまま紙に書き出した形式のクラス替え表――二年F組に僕と奈緒の名前が斜向かいで記載されていた。隣のクラス表を見ていた奈緒は、僕の指先を追って數秒後、一點を見つめ口を押さえて黙り込んでしまった。
Advertisement
奈緒以外知らないと言っても過言ではないクラス。もしかしたら奈緒も僕以外は知らない人ばかりでそれを悲観にじて涙目になっているのかも。友だち思いだからこその悲しい運命ってやつか。春休み前に誓った友が多い分、こみ上げるものもまた多いのかもしれない。しは僕も慨深そうな表した方がいいのか考えてしまう。
でも、僕は全く落ち込んでなどいない。去年のクラス替え――中高一貫校だと言うのに顔見知りすらいなかった悲劇を思い返せば、奈緒には悪いが今回のクラスは楽園とまで過言出來る。全員知らない名前でも、奈緒がいればそれだけで今年は良い一年になると斷言できる。奈緒もそう思ってくれると嬉しいのがどうだろうか。
「奈緒、僕がいるんだからそんなに落ち込むなよ! 僕だって奈緒以外は知らない人しかいないんだから」「……私以外知らないの? そっか、そうだよね、なら“もう”大丈夫だよね」「落ち込むなんて奈緒らしくもないぞ! ほら笑顔笑顔!」「むぎゅううう、ふぉぺちゃひっぴゃらないで」
男関係なしに不規則な並びになる自のクラス表を、柄にもなく呆然と眺めている奈緒を元気づける為に、その綺麗でらかい頬を左右に引っ張る、押し込むを繰り返す。時たま、こうやって落ち込む奈緒を同じ方法で笑顔にさせる場面が小學生の頃から多々ある。それは自分が奈緒にできる數ない事の一つであり、逆に僕が出來ない人付き合いを奈緒が代わりに行ってくれたおで小學校は楽しく乗り切れた。
ホント、奈緒とは長い付き合いだ。と、公衆の面前での子の大切な顔を変顔にさせながら思う僕。こう言うところが年齢=彼いない歴となってしまった原因だろか。でも、奈緒の、このされるがままな表が本當に可くて、この機會にこれでもかとほっぺたを引っ張ってしまう。
「バカ! バカバカ! あんなに沢山人がいる前でなんてことしてくれるのよ!」「ゴメン! ホントゴメン! でも、元気出たみたいでよかったよ」「なっ……別に私は元気だよ」
ポカリポカリ。漫畫では良くそうやっての子が男の子を叩いてるが、僕の場合はグーで顔をマジで毆られる。もちろん、それは相手が僕だからであり、普段の奈緒が人に手を上げる事は天変地異が起きてもあり得ない。あり得ないが、たまにくる大地震がたまたま僕を直撃することは割とある。
言わばこの痛みは、奈緒が僕の事をまだ馴染だと思っていてくれている証拠である。それなら、僕もこれまで通り奈緒を馴染だと思い優しくその涙をポケットのハンカチで拭いてやるべきだ。
「ほら、涙拭けってこれで、せっかく化粧したのにそれじゃ臺無しだぞ」「あ、ありがとう。ってこれじゃない! またあんたは寢ぼけて――」「ああ、違うこれはアレだ! そう、お空から天使が舞い降りて僕に授けた聖骸布だ」
だが、そのハンカチとやらは僕のモノでなければ、男のダサくてりが悪い布きれじゃない。これは、天が使っていても疑わない程に良い香りがする聖なる布であり、ズボラな僕が所持出來る代ではない。と僕自よりも先にそれに気が付いた奈緒が訝しげな視線を投げてくる。一瞬にしてハンカチの正を見破るとはさすが僕の馴染だ。
珍しくアイライン? やファンデ? で化粧する目元が涙で濡れ黒ずんで大慘事手前だってのに、何かを勘ぐりメイク直しなんてどうでも良いらしい。理由は検討つかないが怒っているらしい奈緒は。
「でもまって、これって今子高生の間で流行ってる駅前の」「いや、え、……。別にそんなの関係ないだろ、返せって」
何かピンと來たのか? あの子のハンカチを僕から強奪よろしく奪った奈緒が探偵チックな仕草を始めた。これはまずい。嫌なモノをじた僕は、念に表裏をチェックされるハンカチを奈緒の手から奪え返す為にそのらしい香りを漂わせる元――偶然の前に掲げられているハンカチに手をばす。
はたから見たら、僕らは抱き合うような姿勢になった。
ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ
ヤンキーが語ってます。
8 111婚約者が浮気したので、私も浮気しますね♪
皆様ご機嫌よう、私はマグリット王國侯爵家序列第3位ドラクル家が長女、ミスト=レイン=ドラクルと申します。 ようこそお越しくださいました。早速ですが聞いてくださいますか? 私には婚約者がいるのですが、その方はマグリット王國侯爵家序列7位のコンロイ家の長男のダニエル=コンロイ様とおっしゃいます。 その方が何と、學園に入學していらっしゃった下級生と浮気をしているという話しを聞きましたの。 ええ、本當に大変な事でございますわ。 ですから私、報復を兼ねて好きなように生きることに決めましたのよ。 手始めに、私も浮気をしてみようと思います。と言ってもプラトニックですし、私の片思いなのですけれどもね。 ああ、あとこれは面白い話しなんですけれども。 私ってばどうやらダニエル様の浮気相手をいじめているらしいんです。そんな暇なんてありませんのに面白い話しですよね。 所詮は 悪w役w令w嬢w というものでございますわ。 これも報復として実際にいじめてみたらさぞかしおもしろいことになりそうですわ。 ああ本當に、ただ家の義務で婚約していた時期から比べましたら、これからの人生面白おかしくなりそうで結構なことですわ。
8 170女であり男でもある私は復讐をしていきます
容姿端麗、文武両道な伯爵令嬢シトラル・サランバールは國の次期権力者達の嫉妬を買い、15歳の時無実の罪で殺されてしまう。 その後、神と名乗る少年に出會い神に選ばれ、加護を貰っている同い年の子に転生(?)する。 転生した子は男の姿にも女の姿にもなれる體質に強力な魅了魔法と光魔法を持って生まれていた。 その力を使い、無実の罪でシトラルを殺した人たちに復讐をしていくことを決意する 今度こそ最愛の人と幸せな人生を!! 初めて書いた作品なのでまだまだ下手なところは沢山あると思いますが、アドバイスやフォローをしていただけるとありがたいです!
8 134人間嫌いな俺とビッチな少女
「好きです!付き合ってください」 罰ゲームに負け、話したことすらない冴えない鍋島睦月に告白をすることになった胡桃萌、 告白のOKを貰ってみんなでネタバラシするつもりが答えはNO? 「なんで噓の告白で振られなきゃいけないのよ!いいわ、絶対に惚れさせて振ってやるわ!」 意気込む萌、しかし告白を受けなかった睦月にも何か理由があり……? 萌は果たして睦月を惚れさせることはできるのか、そして睦月は惚れてしまうのか? そんな2人の青春ラブコメディー。 *人間嫌いな俺とビッチな君→人間嫌いな俺と ビッチな少女 にタイトル変更しました。 *11/15付ジャンル別日間ランキングで2位ランクインできました。ありがとうございます。今後も頑張りますのでよろしくお願いします!
8 190男がほとんどいない世界に転生したんですけど
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。 主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。 ここでの男女比は狂っている。 そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に戀を楽しんだり、學校生活を楽しんでいく。 この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この作品はなろうやカクヨムなどでも連載しています。 こちらに掲載しているものは編集版です。 投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。 必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。 1話約3000文字以上くらいで書いています。 誤字脫字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。 第一章が終わったので、ノベルバでこの作品を更新するのはストップさせていただきます。 作者の勝手で大変申し訳ないです。 続きを読みたいと言う人は……是非カクヨムなどで見て欲しいです。
8 197出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないを望む
この世界には魔法が存在する。 そして生まれ持つ適性がある屬性しか使えない。 その屬性は主に6つ。 火・水・風・土・雷・そして……無。 クーリアは伯爵令嬢として生まれた。 貴族は生まれながらに魔力、そして屬性の適性が多いとされている。 そんな中で、クーリアは無屬性の適性しかなかった。 無屬性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。 その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。 だからクーリアは出來損ないと呼ばれた。 そして彼女はその通りの出來損ない……ではなかった。 これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。 そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。 ※←このマークがある話は大體一人稱。 1話辺り800〜2000弱ほど。
8 130