《初めての出會いと戸い13

「どうやら、我がクラスのマドンナ二人は俺達の想像を超えた絆で結ばれてるのかもな〜。こりゃ、手強いな友よ」「何が手強いんだよ?」「あれだよあれ、お互いがいれば他には何もいらないってやつ。要は同あ――」「バカ、奈緒は普通のの子だ!」――、決してそっちの道の子ではない。「でもな、俺の集めた報によると二人ともこれまで數えきれないほど告白されてその都度全部斷ってるらしいぜ? 彼氏いないのもこれで納得出來る。もしかしなくても、同あ――」

まさか拓哉の妄想が當たっているとは思えないが、確かに奈緒も春香さんにも彼氏の一人や二人いてもおかしくはない実際問題。奈緒に関しては腐れ縁の馴染の僕から見ても、モてない理由、彼氏がいない理由が検討も付かない。きっとそれは春香さんにも當てはまることは間違いない。そうなると二人が頑なに彼氏を持つ事を拒む要因が他にあると考えた方が賢明である。 あれ? もしかしてこれは――。くそ、戦わずして負けるのか? このの痛みは何なんだ? もしかしたら、春香さんに好きな人がいるんじゃないのか? でも、それがなんだと言うんだ。拓哉とさっき約束したんだ、僕も青春を謳歌するって。そうだろ! そう決めたんだろ!

「拓哉、そんな憶測でお前は諦められるのか? ウジウジシしてると先に青春をエンジョイしちゃうぜ? もしも二人がただならぬ関係であっても、好きな気持ちは変わらないだろ! それがなんじゃないのか?」

よもや自分のも上手く出來ない人間が、他人の観に口を挾む事態になるとは思わなかった。どうしても、どうしてもね。拓哉の諦めに近いただの偏見に負けたくなかったのだ男として。もしかしたら、これがをするってことなのかもしれない。まだ実が持ていないが無に負けたくないと思った。

「雅、俺にも勝機はあるのか? あの難攻不落な小田原城にも匹敵すると男達から恐れられる奈緒ちゃんを陥落させられるのか?」「奈緒はただのお節介焼きのお転婆娘、素直に想いをぶつければしっかり答えてくれるよ」「そっか、よっしゃ! 奈緒ちゃんと唯一肩を並べて歩ける雅が言うんだから自信湧いてきた」

これはいよいよ僕も本腰をれてする年にならねければイケなくなってきた。

「雅、お互い協力し合って初彼ゲットだぜ!」「ば、バカ! 聲が大きい!」

誇張でない分、周囲の同を含んだ笑いが恥ずかしい一限目、それぞれの想いが時を同じくしてき出す。奈緒、春香、拓哉、そして僕の四人はこれからどんな日々を過ごすのか。しの不安はあれど、初日から素敵な出會いをし、掛け替えのない友を級友に迎えられただけも良しとすべきだろうね。窓から吹き込む春風に乗り桜の花びらが舞い込む二年F組、バカ騒ぎが大好きなクラスメイトに各々のやり方で上手く溶け込む事が出來そうであった。

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