《初めての》錯する心12
「膝悪くしてさ、フルで走れなくなっちまったんだよ。だから、潔く辭めちまったのさ」「そうなのか。見て見たかったな拓哉がプレイしているところ。絶対かっこいいと思う」
音もなく落下し地面にボールが著地した瞬間、それにドンピシャで左足を合わせボールを踏みつけて、右ひざをさする拓哉の表は、どこか悲しげなものがにじみ出ている。當たり前と言えば當たり前か。きっと拓哉のことだ。プロを目指していたに違いない。
「國立競技場に行きたかったぜ……。はは、やめようぜこんな辛気臭い話」「ごめん」「なんで雅が謝るんだよ」「人に話すのって辛いと思って」「俺が勝手に話しただけさ。雅にも知ってほしいんだよオレのこともっと」
そういい拓哉はサッカーボールをもう一度だけつま先に戻すと、それを最後に僕の元へと優しく蹴り上げた。それを僕がしっかりキャッチするのを見てから、
「だから、雅ももっと自分のこと話してくれよな? 奈緒ちゃんのこともそうだけど、雅のことも知りたいぜ」「分かった。って言っても、年齢=彼いない歴って速攻で打ち明けたのは拓哉が初めてだけどな」「だはは、そっかそっか! それはそうだな、俺もそうだしなんだか雅とは上手くやっていけそうな気がしたんだわ」
と、っぽい話から結局はバカ笑いが弾ける青春トークに話は逸れて行き、サッカーボールのことなどどうでも良くなっていた。
「ああ、奈緒ちゃんともっと親になりたい。手なんて握れたらオレ、もう死んでもいいかも」「それは、あまりにもがないだろ? もっと、あるだろこうが熱くなること」「き、キスか?」「そうそう」
野郎二人して想い人とキスをする妄想をする。言うまでもなく僕は顔が熱くなっている。拓哉もまた、顔が赤い。
告白もまだで、手もつなげていないのに、とをくっつけある接吻などもってのほかだとは重々承知である。手軽に、それでいて確かな表現が出來る、人同士だから出來るキスを、まだ誰とも付き合ったことがない僕が、春香と出來るなんて滅相もございません。
「キスってどんな味するんだろ?」「そりゃ、レモンだろ。いや、春香ちゃんはココアか?」「それなら、奈緒はイチゴだな」
なるほど、なるほど。相手の好きな飲みの味がする可能が高い――、そんな妄想を二人ともしたようで、同時に中腰になり、
「「ごめん、タイム」」
と、下半に変な力がりよぼよぼとその場で力のない足踏みをする。に多なのだ男子高校生は。しだけ、ほんのしだけ待っていれば治まるので、しばしまたれよ。
お互い何も言わず、とりあえず中腰のまま深呼吸をする僕と拓哉。
「……」
僕もそうだが、拓哉も拓哉で正面にいる友に対して何も言わず神妙な表をして中腰になっている。きっと察しているのだろう拓哉もこの狀況を。
「ぷ、バカだな俺たち」「だな」「でも、こういうの大切にしような」「もちろん、今しか味わえないからね」
し余裕が出てきて、自然と目が合うとお互いの姿勢が急に間抜けに見えて噴出してしまった僕たち。まさか馴染と級友がこんなことになっているとは知らず、それぞれの想い人たちは今何をしているのだろうか。このバカでかい學園のどこかで、ガールズトークに花を咲かせているのだろか。願わくば、そこに僕らの名前が出てくるとこを願うばかりだ。
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