《初めての》錯する心13
「であるからして、問一のMnO4-→Mn2+の半反応式を完させてみてほしい――」
結局、サッカーボールの使用者は現れず拓哉と共にそれを所定の場所に戻した僕達は、午後の授業を特別教室でけていた。
六人一組で座るテーブルは、誰がどこに座るなどの指定がなく、好きな場所に座って良いことになっていた。だから、僕ら四人は最近一緒に座っていて空いた二つの席に今日は千春さんと大河が座っていた。
「大河、お前ってギター何歳のころから始めたん?」「始めたのは五歳のころからだな」
ただでさえ睡魔に襲われる午後である。化學のよくわからない式をはなっから解く気がない拓哉が左隣に座る大河とそんな話を始めた。その拓哉の右側に座る僕は絶賛苦戦中であり、対面に座る右から奈緒、春香、千春さんも黙々と問題を解いている。
「へ~、部活の中で誰が一番上手いんだ? やっぱり大河か?」
授業中、しかも問題を解く時間――あの獨特の雰囲気を気にすることなく會話し続ける拓哉と大河。その會話に耳を傾けているのは僕くらいのモノである。
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「いや、トモキだな一番上手いのは」
ガシャン。ペンケースが落ちる音がして顔を上げると春香の姿が見えなくなっていた。「大河よりも上手いやつがいるのか」
「アイツはギターの神様にされた男だからな。それに、生粋のギター小僧だ」
會話をひとまず止めた二人であったが春香が顔を出したのを確認するとそのまま大河が所屬する軽音部の話しをつづけた。そので僕が春香に聲を掛ける。
「春香、どうしたの? 大丈夫?」「ううん、大丈夫ボーっとしてただけ」「春香も眠ることあるんだ? 変な夢でも見たの? ビックってなってたよ?」
僕の問いに遅れて反応した春香。
「やっぱりお晝寢したいねこんな時は」「運して眠気を吹っ飛ばすのも一つの手だよ」
そう言いつつも雙眸はしっかりと見開かれており、あくびをしているのは両サイドの子である。春香は眠そうというよりは、何か考え事をしているように見える。と言っても、今は教科書の問題を解いてる時間であるから、別段おかしくないのだが。
「そうだね、今度からは私もってねバスケット」「バスケ得意だったりする?」「ううん、私は奈緒みたいにはできないかな。どっちかって言うとダンスの方が得意かも」「奈緒とは真逆だね」
今年度から必修科目になった創作ダンスで、可憐にステップを踏む春香の姿に男子が見とれていたのは記憶に新しい。そして、その隣で僕に消しカスを投げ付けている奈緒は、そのステップを千鳥足と僕に評価され激怒していた。可いやつである。
「確か、春香は料理も得意なんだよね」
そう質問しつつ拳大の痣がようやく完治した右わき腹をる。まだ、奈緒は僕に消しカスを投げている。どうせ、次の返しも僕は決めているし、奈緒もそれを分かっていて消しカスの投石を辭めないのだ。
「得意ってほどではないけど、お父さんの分も作るからね。食べられる範囲の料理は出來るよ」「奈緒とは大違いんだ。自分の分もろくに作れない不用な子だから。僕も春香の手料理食べてみたいな~」「そんなこと言ったらだめだよ雅君。奈緒もそれは投げたらダメだよ? 今度は痣だけじゃすまないわ」「すまん、言い過ぎたからそのハサミはしまってくれ」「どうせあたしは春香と違って子力低いですよ~だ。もしかしたら、このハサミもしまうの失敗してみやびの方に飛んでいくかもしれない!」
絶対にあり得ない失敗だ。ハサミをタダ置くだけの作に何を失敗するって言うのだ。さすがにそこまで奈緒は不用じゃなければ、裁セットで制服のボタンをモノの數秒で直すことができる子力を持っていることを知っている。先ほどだって僕の取れそうなボタンをそのハサミと針と糸で直したばかりじゃないか。
「相変わらずだね、二人は。ホント付き合えばいいのに」
突然の弾発言に場が凍り付く。発信源は頬杖する千春さんである。
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著愛〜
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