「委員會で拓哉のこと良く知るの子に會ったことがあるんだよ、確か馴染とかなんとか言ってたような気がする。あと、サッカー部のマネージャだって話だ。もしかしたら、そっちの問題も解決できるかもな」

明である。塞がれた未來に、希のが差し込んだ。

普段からそのカリスマ的存在でクラスをまとめる上げる會長が、僕にも絶対的な神に見える。一カ月でクラスメイトの名前はおろか出中學、趣味、誕生日までただの日常生活の中で聞き出してきただけのことはある。

「俺が個人報えいさせたところで、誰が怒るっていうんだ。困っている友達を助けず、何が會長か。あとで福ちゃんにもかま掛けとくから、あとは雅、お前のやる気次第だぜ？」

友達が助けてくれると言っているのだ、誰が拒むと言うか。なにより、拓哉に助けられてばかりいた僕が、ここでかずしていつくと言うのだ。誰よりも、拓哉に助けられてきたのは僕じゃないか。春香とあんな楽しいデート出來たのは誰のおた。

真田拓哉。バカでチャラくてどうしようもないアホがいたからだ。

「やるに決まってる。何が出來るか分からないけど、今度は僕が拓哉に恩返しする番だ」「あたしも手伝うわ！」

當然奈緒が挙手をする。

「いや、ここは僕だけでやらせてほしい」「なんでよ！　あたしだって――」「男と男の友だ。ここは黙って見ててくれないか？」

想い人に迷かけた上に、出向かれては拓哉も出るに出られなくなってしまう。言いたいこともやりたいことも、好きな子がいては何もできなくなるのが男って生きだ。きっと、奈緒がいてはできないことがあるはずだ。

しかも、いつかは奴らと対峙することにある。向こうは複數の男だ。何をしでかすかわかったもんではない。

だから、予想通りに手伝うことを志願してきた奈緒を、僕は拳で制して久しく見せていなかった本気の眼ってのを奈緒と春香の前でした。

「……、なによ。こんな時だけカッコつけちゃって、昔からちっとも変ってないんだから」「うん、友達思いの雅君ってやっぱり素敵だね」

ボソッと獨白を吐いた奈緒に春香がすかさず肯定の言葉を返す。たまにはいいところを見せたって罰は當たらないだろう。

二人を他所に一人で覚悟決める。

僕に何が出來るか分からない。でも、會長が記した「二年Ａ組、小畑おばた優ゆう香か」の名に今は希を託すのみだ。拓哉がを張り春香の想いを守ってくれたんだ。今度は僕が拓哉にあんな表をさせた原因を突き止めてぶっ壊してやるんだ。できれば修復したあいつらの関係を。きっと拓哉の仲間ならいい奴らに違いないのだから。

心にこみ上げる熱い想い。これは、心のとは違う。ダチのためだからこそ発することが出來る無條件に沸き上がる友の炎だ。普段晝行燈よろしく生きてきたが、ここぞと言うときは重い腰を上げる人間なのだ僕って男は。

善は急げ、僕はその日の晝休みに一人で件のクラスへと足を運び、初対面のの子の名前を呼んだ。