《初めての告白の先に見えたあの日の約束43

僕と彼が似ている。春香はそう言った。じゃあ、ここで僕が笑顔を忘れ怒りにを震わせ保育を放棄したらどうなるだろうか。きっと春香に軽蔑される。そこまでじゃなくても、寺嶋朋希に先を越されることは間違いない。

嫉妬。

言ってしまえば僕をかす原力はそれだった。だって春香のことをパッと出てきたような男に奪われたくない。二人がどんな関係だろうが僕の方が先に春香と出會っているのだ。僕の方が春香の事を好きだ。

だから、どんなことをされても笑顔だけは忘れず人間遊と化して園児たちと遊んだ。それが初日の僕らの役目だと心得たから。

「それじゃ~良い子の皆~手遊びで遊ぼうか~」「「は~い」」

梅先生との談を終えて遅れて合流した春香は最初から全力投球で園児達と向き合い、自分が持っている保育スキルをフル活用して、當然の様に大人気を博していた。

園児で出來た人のの中心で水を得てびと花弁を咲かす一の花の様に、春香は可憐に輝いている。僕自も特訓の果を発揮すべく意気込んでいるが、その姿に思わず手を止めて見惚れてしまう程だ。

本當に保育士になりたいんだ。春香の姿に同い年である僕まで銘をけてしまう。梅先生が一人でうんうんと頷いているのも、春香に一種の才能をじたからに違いない。

「やっぱり、すげ~な春香」「ん? なんか言った?」「あ、いや、なんでもない」

思わず口に出てしまったが満載な獨り言をらしたのは朋希であった。僕の問いかけに顔を真っ赤にしたのが良い証拠だ。

「一つ聞いていい? 春香とはどんな関係なんだ?」

春香の獨壇場と化した竹組の教室では、僕ら男組はやることもなく。僕は敵視察を兼ねて園児のし離れた場所から眺めていた朋希の隣に立った。

「……、お前に話す義理はないけど?」「本當に子供が好きで保育士目指してるってじはしないけど?」

出會ってまだ二時間も経っていないのだ。あからさまに自分の腹のを探りに來ている僕に対して朋希はあくまでも距離を置いた反応をする。それでも、僕は確かめなければならない二人の関係を。

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