《初めての告白の先に見えたあの日の約束64

「ど、どうするよ! なんて挨拶したらいいんだ? お母さんってどんな人?」

「え、なにが? どうするって普通にご飯食べるだけだろ?」

和気あいあいと雑談しながら菅野家の門前まで到著すると、あからさまに緒不安定になる拓哉。その隣の優香さんもどことなく不安げな表をしている。

まるで結婚の挨拶に來たとでも言いたげな様子だ。僕からしてみれば親しい友人を食事にっただけなので小首を傾いでしまう。ったのは奈緒だがね。その奈緒も拓哉と優香さんの大げさな言に苦笑いを浮かべている。

「だってお前の両親に會うんだぞ? 悪い印象與えてしまったら一大事だ! 俺、こんな見た目だから大人たちからはいいイメージ持たれないんだよ」

そんなことで気に病んでいるのか。稽だ。馬鹿馬鹿しいにも程がある。拓哉の第一印象なんて簡単だ――「バカっぽい」に限る。

「ひでーなそれ!」

「バカ、の裏返しだ。言わせん!」

「そ、そうなのか! 良かった。もし雅に嫌われたら俺生きていけないぞ……」

いちいち大げさなヤツである。僕ごときなんの取り柄もない凡人に嫌われたところで、才能に溢れる前途有な若者には屁でもないだろうに。

そんな僕自の自己評価とは裏腹に、拓哉は聲もご自慢の整った眉目を下げ見るからに元気をなくす。

拓哉のこう言う素直なところが大好きだ。だから、僕も素直に拓哉へ本心を曬す。

「僕だって、拓哉がどんなに大スターになっても親友辭めるつもりないから。いや、たとえどんなことがあっても僕はいつまでも拓哉の親友でいるつもりだ。あ、そこ、ニヤニヤしない!」

若気の至り。僕と拓哉の青春トークを下品な笑みを浮かべ見守るのは奈緒だ。聲に出さないで手で口元をおさえ、今にも笑いだしそうなのを堪えている。

「だって、二人とも、恥ずかしいこと言ってるんだもん。そんなのいちいち言わなくても二人を見てれば分かるのに、どうして男ってこうも友に熱いんだろうね?」

「そうなんですよね〜私と二人っきりの時も「雅が、雅が」って言うんですよ。嫉妬しちゃいますよまったく。彼を差し置いて雅君ばかり褒めるんです」

そうなのか? 一どれほど、拓哉は僕のことを自慢げに語ったんだ?

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