《初めての告白の先に見えたあの日の約束65

片頬を膨らませわざとらしく「嫉妬してますプンプン」って怒っている優香さん。それを見て拓哉が慌てて「一番はユーに決まってる!」って絶し最の彼を抱きしめ出して甘い言葉をわめき出したので、それらを半ば無視して玄関を開けて中にった。

「おかえり」

「おお、なに? 今日もお出迎え? 僕も出世したものだ」

「減らず口は本當に立派になったら言うんだね」

門前で拓哉がまだ何かを喚いているのをじつつ玄関ドアを開けると、いつもよりも更に険が篭もる出迎えの聲が、それに不意を突かれた僕を驚かせた。

お玉片手に仁王立ちする母さんと対立。僕に一歩遅れて奈緒がってきてこちらは何時もと変わらない聲で挨拶をする。

「ん〜今日もいい匂い! やっぱり弟子にしてもらおうかな!」

「良いわよ? 奈緒ちゃんの料理の腕前は致命的だもんね〜、雅にしかれて貰えない自は今後のためにも避けた方がいいわ。時間あるときに遊びにおいで」

「ひど〜い! これからメキメキ上達して追い抜くもん! おじさんみたいに素敵な旦那さんの胃袋摑んでみせるんだから」

「ふふ、追い抜けるものなら追い抜いて見なさい、弟子よ。でも、なかなかいないわよああも素敵な男はね」

どこから突っ込めば良いのかわからないが、相変わらず仲が良い二人だ。昔からこの二人の関係は獨特なモノをじる。どことなく実の親子の様な、そんな特別な絆で結ばれている気がしてならない。

「ほんと、ベタ惚れなんだね〜。みやびもなれるのかな?」

「本人には絶対言えないけどね。ん〜、どうだろ? 今のところ無理じゃない?」

「贔屓目で見てもまだまだってじ?」

二人して僕を品定めするように見下すんじゃない。何様なんだ。大、僕と親父を比べるな。あのうだつの上がらない親父より、僕の方が劣っているなんて信じられない。母さんのに敷かれヘコヘコしている様な男になってしいなんてどうかしている。

心でそう思ったがこの二人に口で敵う訳がないので言葉を飲み込んだ。

そんな僕の心境を察したのか、それともただ単に僕を弄るのが飽きたのか、いや、玄関先での言葉を囁く男の聲が徐々に近づいて來たことに気がついたからなのか定かではないが、母さんが場を仕切り直した。

「さて、そんなことよりいつまでも軒先で青臭いことを喚かれちゃ近所迷。もう二人いるんでしょ、さっさと呼びなさい」

何時にも増して毒舌なのは、まだ見ぬ來訪者が原因だった様だ。

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