《初めての》告白の先に見えたあの日の約束73
事を説明する間、一階からは奈緒と優香さんの楽しいそうな聲が聞こえて來ていた。たまに母さんの聲がして、ただたんに突拍子もなく手を叩き出したのか、料理の味見をしてその旨さを音で表現しているのか定かではないが、騒然としている。その賑やかな聲が一際盛り上がりをみせた。どうも、親父が帰ってきた様だ。
「――で、お前は諦めようと思ったわけ?」
「ああ、だって勝ち目ないだろ。どっちも音楽が好きでその好みも合う」
即席ライブで小さな観客も大きな観客も大いに魅了した二人の姿が脳裏に蘇り、急いで雑念を払う為に頭を振る。が、ドンドンテンションが下がって來てしまう。
「そりゃ、これだけ大勢の人間が住んでる世界だ。趣味が合う人間同士なんて星の數ほどいるっしょ」
「でもな、春香の聲を知ってる拓哉なら理解してくれるはずだ。あの聲を生み出したのは紛れもなく寺嶋朋希その人だ。春香が意識していないなんてありえない」
理屈ではない。これは現実で起きている問題だ。僕の目の前で手をばせば屆く距離で二人は仲睦まじく往年のスターの様に、観客を魅了したのだ。
「屁理屈だな。逃げるための言い訳だそんなの。お前の気持ちはその程度のモノなのか? 「二人はお似合いだ、僕なんかでは太刀打ちできません。どうかお幸せになってください」って二人に言えるってことか? 諦めるってそういう事なんだぞ?」
言葉に熱が篭もるのは拓哉がそれだけ本気で自分の意見を述べているからに違いない。語尾に力がりしだけ喧嘩腰になってしまっているのは、僕が屁理屈ばっかり言い々しいからか。
「じゃあ、どうすれば良いんだよ。このままじゃ明日もあいつの獨壇場。春香との仲を進展させるなんて無理だろ」
「別に、良いだろ勝負しなくても」
「は?」
ここに來てこの発言だ。さっきまでの人を捲し立てる様な熱弁はどうした。素っ頓狂を通り越して高圧的な、今度は僕が短く疑問を唱える形となった。
「正直、俺はそいつを好きにはなれない。あからさまに雅を敵視する態度が気にいらん。でも、逆に寺嶋朋希と仲良くなるっていうのはどう? 敵として接するからお互いギクシャクして、殺伐とした空気になるんだろ? 敢えて、友達になってみたら新しい選択肢見つかるかもしれないぜ」
「新しい選択肢って?」
勝者と敗者。僕らが選ぶ選択肢は春香の彼氏になる以外ないと思うけど。
小説家の作詞
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