《初めての》告白の先に見えたあの日の約束74
「親友になれば、お互いがお互いセーブするようになるんじゃないか春香ちゃんへの気持ち。お前ら焦りすぎなんだよ。春香ちゃんはそんな簡単に誰かのモノになるような軽い子じゃない」
簡単に言うと、春香が今特定の男を選ぶ可能は極めて低い。ってことだ。
「ユーだって言ってたぜ。春香ちゃんが雅とそいつを見る目は同じモノをじる視線だって。どっちが上、下、好き、嫌い。なんじゃなくてどっちも同じくらい大好きでおしそうに見てるんだってさ」
「……」
當事者には分からない違いである。きっと寺嶋朋希も理解できないと反発するはずだ。お互いが「あいつよりは俺の方が春香に好かれている」って思っているんだから。なくとも僕は思っているし、寺嶋朋希だって態度を見れば明らかだ。
「明日さ、試しに二人を飯にってみろよ。どっちにしろさ、このままじゃらちあかねーよ。それに――」
拓哉が一階の聲に耳を傾ける様な仕草をしてから一呼吸置き続けた。
「おばさんの言が気になる。春香ちゃんのこと知ってるのかおばさん?」
「いや、名前は知ってるけど會ったことはない――」
ぐっ。春香と母さんの関係を過去の記憶を元に照らし合わせようとしたら頭痛に襲われた。側から脳を圧迫して頭蓋骨をかち割ろうとしてるんじゃないかと疑いたくなる痛みに頭を抱えてしまう。
「大丈夫か? どうしたんだよ?」
「い、いや、なんでもない。急に頭が痛くなっただけだ。とりあえず、二人は初対面のはずだけど……いや、待てよ、春香も會ったことあるんじゃないか?」
よくよく考えれば気がつくことだ。僕ら三人は馴染なんだぞ。春香だって引っ越す前はすぐそこの公園の近くに住んでいたんだ。家族ぐるみで付き合いがあっても不思議ではない。ましてや、春香のママは僕らの擔任だ。母さんが會っていないわけがない。
「じゃあ、あの約束がどうとかってのは?」
「心當たりないけど、普段ボケることがない母さんのことだ。マジで言ってたんだと思う」
「人違いじゃないのか? 春香ちゃんが恨み買うような子とは思えん」
「確かに。春香を疑うなら、母さんの勘違いを疑った方が可能高い。そもそも意味がわからないしな」
まるで過去に何か問題でもあったかのような言い方だった。過去に何も問題なく平々凡々と生きてきたのが僕だ。そんな息子の友達と母さんが何かあったなんて考える方が異常だろう。
「でもさ、確かめる価値はありそうじゃね? そこからまさかまさかの思いもよらない好転があるかも知れないし」
「まあ、何もなくても下で騒ぐ二人の様に、春香と母さんも仲良くなってはほしいな。よし、じゃあ、明日は二人をってみるよ」
いつかは會わせたい。それが彼としてなのか友達としてなのかは別に、僕の大切な人を両親に紹介することは決して悪いことではない。寧ろ、積極的にするべき行為だ。親父なんかは大喜びして積極的に親睦を深めるに違いない。
じゃあ、そういう事だ。頑張れよって拓哉がガッツポーズをしたのが二十一時をし過ぎたころ。今日はどうやらお泊まり會になる可能が濃厚になったのを、拓哉がトイレに行く為に開けたドアから食をそそる匂いが漂って來たことで確信へと変わったのであった。
 
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