《99回告白したけどダメでした》11話

誠実君に告白をした後の放課後。

私は屋上で、料理部の部員たちに迫られていた。

「み、みんな……なんで……」

私は顔を赤くしながら、みんなの方を見る。

みんなは、ニヤニヤしながら私に視線を集めており、口々になにがあったのかを聞いてくる。

「で、なんであんな面白い……じゃなくて、あんな展開になってるのよ?」

「今面白いって言ったよね? 絶対言ったよね!!」

「いいから教えなさいよ~、なんであんな告白みたいな事を言ったのか」

「……じ、実は……」

私は先ほどの出來事をみんなに話した。

勢いあまってあんな事を言ってしまい、私はまだ後悔していた。

絶対に変な子だと思われてしまった。

「へ~、弱弱しい伊敷君を見てたらつい言っちゃったんだ~、へぇ~」

「楽しそうね……志保……」

他の皆も同じような反応だった。

ついに部長がき出した! やっと部長が行に!!

なんて言いながらみんなは騒いでいるが、私からしたらむしろすべてが終わってしまったと思っていた。

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「全く、いつまであんたはしょぼくれてるのよ。まだ告白の返事も聞いてないのに」

「だって……絶対変な子だと思われたよぉ~。急に怒ったと思ったら、あんな事言って……」

「でも、よかったんじゃない? どっちにしろ、言うつもりだったんでしょ?」

「そんなのもっと先だと思ってたよぉ~、今日は多分振られるから、その後でもっと伊敷君と仲良くなって、それからしづつ距離を詰めて、一気に行こうかと……」

「料理部だけに、おいしくいただこうとしたって事?」

「な、なに言ってるのよ! そんなのは更に先の話でしょ!?」

志保の々下品な発言に、私は聲を上げる。

他の部員はその様子を見て笑いながら「志保、オッサンっぽいよ~」とか言っている。

みんな私の気持ちも知らないで、楽しんでいるのだ。

「いいもん、どうせ私のもここで……」

「何言ってんのよ、ようやく始まるんでしょうが?」

「でも……明日どんな顔で伊敷君と會えば良いか……」

「その為に私たちが來たんでしょ?」

「え?」

みんなニヤニヤするのを止め、私に微笑みかける。

「同じ部の仲間じゃない、困ったときは頼ってよ」

「そうよ、まぁ、まだ創部して三カ月も経ってないけど……」

「部長! 頑張って伊敷君をにしよう!」

私はそこで気が付いた。

みんなは、もしかしたら、本當は私の事を心配してきてくれたのかもしれない。

どうしたら良いか分からなくて、困っていた私のために來てくれたのかもしれない。

そう思うと、やっぱり仲間って良いなぁ~と思う。

「ありがとう……みんな……」

「気にしないでよ、取り合えずは伊敷君にさっきの事をどう説明するかよね…」

「そのまま明日にでも呼び出して、再告白っていうのはどう?」

「う~ん、それだと多分まだ山瀬さんの事を引きづってるだろうから、ちょっと厳しいわね……」

「面倒だし、育館倉庫にでも呼び出して押し倒せばいいんじゃない? 部長は大きなミサイルを二つ持ってますし」

「「「「確かに」」」」

みんなの視線が私のに集まるのをじ、私はとっさにを隠した。

良く大きいといわれるが、正直大きくて良かった試しがない。

ブラのサイズは無いし、デザインもない。

肩も凝って大変だ。

「伊敷君はきっとそういうとこでの子を見てないわよ! 山瀬さん、小さいし……」

「そういえばそうだね、じゃあダメか~」

「「「う~ん」」」

再び考え始める料理部一同。

今日の出來事をどう説明するのが、今後の彼との付き合って行くうえで良いのか、私にもさっぱりわからない。

そんな中、一人の部員が何かを閃き、聲を上げる。

「じゃあ、こういうのどう? とりあえず告白して、返事を待ってもらうのよ!」

「え? 待ってもらうの? なんで?」

「そこで返事を貰ったら、ほとんどの確率で振られちゃうでしょ? なら、あっちにも考える時間を十分に與えるのよ!」

「わかったわ! 返事を待ってもらっている間に、部長は伊敷君にアピールしまくって、伊敷君を自分に振り向かせるって事ね!」

「そう! 流石に告白された子を気にしない男子は居ないわ! 嫌でも部長に目が行くだろうし、意識する。あとは部長が、積極的アピールすれば、彼はもうメロメロよ!」

「「「「おぉ!!」」」

確かに良い作戦だと思う。

しかし、そんなにうまく行くものだろうかとも思う。

でも今はその策が一番有効なのも確かなので、私はこの作戦に乗ってみることにした。

「志保、私……頑張ってみる!」

「お! 沙耶香がやる気だ!」

「みんなもありがとう。私、絶対……絶対……」

私は伊敷君とずっと一緒に居たい。

そのために何をするべきか、私は皆の意見を聞いて分かった。

部の皆も応援してくれている。

私は皆に宣言しなければいけない。

「伊敷君と既事実を作るから!!」

「「「そっちぃーー!?」」」

なぜか知らないが部のみんなは驚きそうんだ。

みんななぜか驚いたような視線を私に向けてくる。

彼とずっと一緒に居るためには、既事実を作るしかない。

そうすればずっと一緒にいられる。

その為なら、ずっとコンプレックスだったこのだって、活かして見せる。

「あ、あの……ぶ、部長……」

「どうかした?」

「ちなみに既事実っていうのは……?」

「そ、そんな事……恥ずかしくて言えないよ…」

「「「じゃあ、なんで宣言した!」」」

みんなはなぜか、疲れたような表でその場に崩れ、なぜか顔をひくひくさせている。

「ぶ、部長って……奧手なんだか…積極的なんだか……」

「なんか、心配しなくても伊敷君を落とせそうな勢いよね……」

「っていうか、私は部長の今後が心配になって來た……」

先ほどの協力的なじとは打って変わってやる気のないみんな。

「な、なんでみんなそんな呆れたような視線を私に向けるのよぉー!!」

この日、私は決意した。

彼を絶対にものにしてみせると。

ライバルは強敵だが、一人だけ、しかも誠実君は振られている。

頑張れば、私の事を見てくれるかもしれない。

そう思うと、私は自分でも興して居ることが分かった。

伊敷君との明るい將來を妄想すると、顔がニヤけてしまう。

「エヘ……エヘへへ……ウフフ」

「志保、なんか部長が怖い!」

「私ら、焚き付けすぎちゃったかも!!」

「ま、まずいわね……主に、伊敷君の貞が……」

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