《99回告白したけどダメでした》14話

*

見知らぬを助けるという、漫畫のような、おいしい展開を終えた後、誠実は真っすぐ帰宅をしていた。

「はぁ……マジで疲れた……頼むからもう何も起きないでくれ……」

背中を丸めて貓背になりながら、誠実は自宅までの道を再び歩いていた。

とは言ったものの、自宅まではあと數百メートル。

道中で何か起こるわけなんてない、そう思いながら誠実は疲れ切ったかして、自宅に向かう。

「あぁ……やっと著いた、なんか一日が長かったな……」

家の前につき、誠実はポケットから鍵を取り出し、家のドアを開けようとしたのだが……。

「お願いします!!」

ドアの向こう側から、知らない聲が聞こえてきた。

お客さんでも來ているのだろうか? などと思いつつ、誠実はドアを開けてみる。

すると、玄関にはスーツ姿の中年男が誠実の妹の奈穂に頭を下げていた。

「お、お客さんか?」

「あ、お帰り……」

「お、おう……」

誠実はスーツ姿の男の脇を抜けて、家の中にっていく。

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何をしているのだろうか? 疑問に思う誠実に説明するかの如く、スーツの男が話始めた。

「お願いします! 是非、我が事務所に!! 伊敷さんなら、売れっ子のモデルにもアイドルにもなれます!! お願いします」

「何度も言ってますよね? 私はそういうの興味ないんです。モデルの仕事は、小遣い稼ぎでやってるだけです。もう帰ってもらえませんか?」

「何とかご検討いただけませんか? お兄様も妹様なら日本一……いや、世界一のモデルになれると思いませんか?!」

(俺に振るなよ、疲れてんのに……)

誠実は正直どうでもよかった。

この話は奈穂自が決める事であり、誠実が口を出すべきではない事がわかっていたからだ。

しかし、話を振られ、二人から回答を求められる誠実。

早くゆっくりしたい一心で、正直に気持ちを打ち明け、部屋に行こうと試みる。

「正直、俺には奈穂がそんな凄いモデルになれるかなんて知りません。まぁ、でも可い妹だとは思ってますよ。だから、本人がやらないって言ってるんだったら、それで良いじゃないですか」

「し、しかし……これだけ恵まれた容姿であるにも関わらず、それはもったいないのでは……」

意外としつこいスーツの男に、ただでさえ々あって疲れている誠実は段々イライラしてきてしまった。

いつもなら、こんな事で怒ったりしないのだが、今日の誠実は機嫌が悪かった。

「いい加減にしろ! 妹が嫌がってんだろ! それに、こいつだって好きでこんな容姿で生まれてきた訳じゃねーんだよ!! 何が恵まれた容姿だ! 本人がやらないって言ってんだから、さっさと帰れ! こっちは々あって疲れてんだよ!!」

誠実はそう言いながら、スーツの男を家から追い出した。

奈穂様! 我が事務所はいつでも……」

「さっさと帰れ! しつこいって言ってんだよ!!」

誠実から追い出されながらもスーツの男は、抵抗し奈穂を説得してきた。

誠実はそんなスーツの男を力ずくで外に追い出し、ドアにカギを掛けた。

「まったく、何時だと思ってんだ……」

誠実はそう言いながら、自分の部屋に行こうとする。

しかし、そんな誠実の袖を奈穂がつかんだ。

「ん? あ…わ、わるい…勝手に怒って追い出したけど……良かったか?」

「………うん………あの……」

奈穂は俯きながら小聲で誠実の言葉に答える。

誠実は、相変わらず素っ気ない奴だと思いながら、話を聞いていた。

「……ありがと……」

「お、おう……」

久しぶりに奈穂からお禮を言われた誠実。

最近では會話らしい會話も一切なくなり、お禮を言われるなんてことは皆無だった。

よほど迷だったのだろうと、誠実は考え、怒鳴って正解だったと思いながら、奈穂に言う。

「まぁ、お前も々大変だろうけど、そうい時は頼れよ。最近はあんまり話さねーけど、一応俺はお前の兄貴なんだからよ」

久しぶりに奈穂に笑顔を向け、ちょっと兄らしく優しく聲をかける。

キモイとか言われるのかな? なんて事を考えていた誠実だったが、奈穂の態度は意外なものだった。

「うん……そうする………ありがとう、おにぃ……」

「お、おう……」

「おにぃ」と呼ばれるのは何年ぶりだろうと、誠実は考えていた。

小學校の時はそう呼ばれていたが、ここ數年は全くそんな呼ばれ方をしたことがなかった。

それどころか、名前ですら呼ばれず、いつも「あんた」とか「ねぇ、ちょっと」なんて呼ばれていた。

久しぶりにそんな呼び方をしたからか、奈穂の顔は真っ赤だった。

「じゃあ、俺は疲れてるから、もう部屋もどるわ……そういえば、父さんと母さんは?」

「いないわ……これ」

「ん?」

誠実は奈穂からメモを渡され、それを見る。

そこには誠実達の母の字でこう書かれていた。

しい我が子たちへ、お母さんとお父さんは急な用事で今夜は居ません。ご飯は冷蔵庫にあるものを適當に食べて下さい。PS:多分酔っぱらって帰ってきます』

「ただの飲み會だろうが……何が急な用事だよ……」

メモを読みながら誠実は肩を落としてため息をつく。

要するに飯は無いから、自分で何とかしろ、そんな容だ。

「はぁ~、さっさと休みたいのに……奈穂はなんか食ったのか?」

「食べてないわよ……あの人しつこくて」

徐々にいつもの調子に戻りつつある奈穂。

いつもはあまり會話をしない二人だが、今日は先ほどの出來事があり、會話がしやすかった。

「あぁ……なるほど、時間は……20時か……飯食いに行くか?」

「あ、あんたと?」

「あぁ、正直今から何か作るのも面倒だし、食いに行った方が早いだろ? ちょうど小遣いもらったば……あ、カラオケ行ったんだっけ……」

誠実はそこで、今日のカラオケで金を使ってしまい、財布の中がスッカラカンなのを思い出す。

そんな誠実の様子を見た奈穂はため息を吐き、自分の財布を確認して、誠実に言う。

「しょうがないわね……今日は私が奢るわよ」

「ま、マジか!」

「ちょうどモデルの仕事のギャラ、貰ったばっかりだから、別にいいわよ。それに……助けてくれたし……」

「おぉ! じゃあ行こうぜ! 今日は々あっておにぃは疲れてな~」

誠実はし気分が良くなり、奈穂をからかってみる。

「やめるわよ? 奢るの……」

「すいません……」

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