《99回告白したけどダメでした》18話
*
翌朝、誠実は昨日とは違った意味で、學校に行きたくなかった。
昨日の沙耶香との事があり、正直どんな顔で朝話しかければ良いか、分からないからだ。
洗面所で顔を洗い、どうしたものかと悩む誠実。
「まいったなぁ……」
「何がよ?」
顔をタオルで拭いていると、奈穂が制服姿で誠実に尋ねてくる。
昨日、二人で食事に行った帰り辺りから、會話が増えたこの兄妹。
しかし、誠実の方はまだ、そんないつもとは違う日常に、慣れることが出來ないでいた。
「み、奈穂か……お、おはよ……」
「何よ、ハトが豆鉄砲食らったみたいな顔をして……終わったんなら洗面所貸してくれる?」
「お、おぉ……悪い」
誠実はそう言って、奈穂に洗面所を開け渡す。
嫌われているものだと思っていた誠実だったが、昨日の食事で、それが勘違いだと言うことに気が付き、安心したものの、なんだか普通に會話しているのが不思議に思えてしまう。
「まぁ、仲が悪いよりましか……」
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誠実はそのまま食事をしようとリビングに向かう。
「おはよ」
「あぁ、誠実おはよう、昨日はすまなかったな、おかげで父さんは……二日酔いだよ……」
「飲みすぎだっての、今日も仕事なんだろ?」
リビングに行くと、誠実の父親が顔を真っ青にしながら新聞を読んでいた。
誠実は椅子に座り、準備してある朝ごはんを食べ始める。
「母さんは大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、全く、お父さんは、だらしないんだから」
誠実の母はいたっていつも通りで、家事をこなしている。
「母さん、父さんの二倍近く飲んでたはずなんだが……」
「マジかよ……」
父の言葉に、誠実は驚きながら答える。
半分の量を飲んだ父が二日酔いなのにも関わらず、その倍を飲んだ母がここまでピンピンしている姿に、誠実は驚きを隠せなかった。
「母さんって、前世は蟒蛇(うわばみ)なんじゃ……」
「何か言った?」
「「言ってません!!」」
母に聞こえていたらしく、怒りの視線を向けて言って來る母に、誠実と父は聲をそろえて言う。
「まったく……早く食べないと、二人とも遅刻するわよ」
フンっと鼻を鳴らしながら、母も食卓に著き、朝ごはんを食べ始める。
ちょうどその時、支度を済ませた奈穂もリビングにやって來た。
「おはよう」
「あら、奈穂おはよう。どうしたの? 今日はいつもより支度に気合れて…」
「そ、そうでもないよ……お母さん気のせいだよ」
不思議そうに奈穂に尋ねる母。
誠実も気になり、橫の奈穂を見るが、いつもと変わりないような気がしていた。
「なるほどぉ~、さては彼氏でもできたなぁ~、父さんも母さんと知り合ったのは、中學生の時だった……なぁ、母さん!」
「そうでしたっけ? あ、誠実、お醤油取って」
「ん、はいよ」
「……母さん、最近冷たすぎやしないかい……」
なんてことを言いながら、さらに顔を青くする背実の父親。
うちの家計は代々が強いのかな? なんてことを考えながら、誠実は食事を進める。
「別に彼氏なんて居ないよ……ただ……ちょっと……」
(なんか橫からチラッと視線をじたような……)
 そんな事を思いながらも、誠実は勘違いであろうと思い、あまり気にしてはいなかった。
「じゃあ、好きな人でもできたのね……まぁ、奈穂ももう15歳だし、當然ね」
「ち、違うわよ! 好きとか……そういうのじゃ……」
顔を赤く染めながら、母の言葉を否定する奈穂。
そんな奈穂から、今度は誠実の方に話の矛先が向けられる。
「誠実の方はどうなの? まぁ、まだ學して三カ月だし、お父さんの子だから、期待してないけど」
「実の息子に対して失禮だろ! 半分は母さんのも流れてんだよ!!」
「父さんのがすべてを臺無しにするのよ」
「やめて! 父さんを害蟲みたいに言わないで!!」
涙目で訴えかける誠実の父。
実の子供と旦那になんて言い草なんだと、誠実は思いながら話をスルーする。
しかし、そこで奈穂が口を開き……。
「あぁ、おにぃなら昨日振られたらしいよ」
「み、奈穂! なんでこのタイミング言うんだよ! しかも親に!」
「別に言うなって言われてないし……」
(こいつ~、本當に俺の事嫌いじゃないんだよな? こんなのただの嫌がらせだぞ!!)
奈穂の言葉に、誠実の母は頭を片手で押さえながら、誠実に言葉をかける。
「はぁ~、やっぱり父さんの子ね……」
「なんだよそれ! どういう意味だ!」
「そうだ! 父さん何も悪くないもん!」
「お父さん、もんとか言わないで……マジで気持ち悪い……」
「奈穂までそんな冷たい視線を!!」
この朝食で誠実は、我が家の男陣は、陣に勝てないんだと知った。
々あったが、朝食も済み、誠実はそろそろ學校に行こうと、鞄を持って玄関に向かった。
「遅いわよ」
「え、なんでお前居るの?」
玄関にはすでに、支度を終えた奈穂が鞄を持って待っていた。
今までこんなことは一度もなく、誠実は不思議で仕方なかった。
「早くしてよ、遅れるでしょ」
「え、一緒に行くの? なんで?」
「たまに良いでしょ、それにお願いがあんの」
「お願い?」
「行きながら話すから、早く來てよ」
「お、おう」
誠実は言われて、急いで靴を履き、學校に向かう準備をする。
「「行ってきまーす」」
二人でこうやって登校するのは、小學生以來だろうか、などと考えながら、誠実は奈穂の橫を歩く。
奈穂と誠実の學校は同じ地域にあり、場所もそこまで離れていない、しかも途中までは同じ道のため、一緒に登校しようとすれば出來なくもない。
「んで、話ってなんだよ? 俺の方が學校近いんだから、短めで頼む」
「別にそこまで込みったことじゃないわよ、ただ今週の土曜に一緒に買いに行ってほしいの」
「そんなん友達と行けばいいだろ? 俺だって々忙しいんだよ」
朝の事をまだに持っている誠実は、奈穂の頼みを斷った。
正直、誠実の土曜の予定は真っ白だ、ゲームでもして一日家に居るつもりでいた。
「どうせ一日家でゲームしてるつもりでしょ? なら付き合ってよ」
「なんでわかるし!」
いつもなら、買いなんてものに、誠実を奈穂がう事なんてなかった。
いくら昨日の件でし距離がまったとは言え、なぜこのタイミングで買いにったのか、誠実は不思議だった。
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