《99回告白したけどダメでした》22話
「おっし、ホームルーム始めんぞ~」
誠実達のクラスの擔任で、數學擔當の小川は教卓の前でそう言うと、出席を取り始める。
小川は、生徒にフランクに接するタイプの先生であり、生徒からの人気もあった。
熱とまでも行かないが、それなりに教育に熱心であり、一方で生徒たちと漫畫の話で盛り上がったりするという一面も持っている。
年齢も三十代初めで、生徒たちにとってはお兄さんのようなポジションの先生だ。
「連絡事項は、テストが近くなって來たからちゃんと勉強するように、気を抜くなよ」
「おがちゃん、じゃあヤマ教えてよ! ヤマ!」
「山? あぁ、山って言うのは周囲より高く盛り上がった地形や場所を指す……」
「いや、そっちじゃなくて……」
小川のボケに、クラスには笑い聲が響く。
聞いた武司も、そんな小川の予想外の回答に笑っていた。
「テストはな、ちゃんと授業を聞いて、勉強をしていればいい點數が取れるものだ、山なんて張らずに、自分でしっかり勉強しろ~、分かったな三馬鹿」
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「「「だから一括りにするのはやめろ!!」」」
何かと、誠実たちをからかって來る小川。
そんな小川に誠実たちは聲を揃えてツッコミ、文句を言う。
こんなじで、ホームルームは終わる。
ホームルームが終わった後、誠実の機の周りには人だかりができていた。
「で、昨日はなにがあった?」
「その前に、なんでクラスの男子のほとんどが、俺の席の周りに……」
誠実の前方には武司と健が陣取り、それを大きく囲むようにして、クラスの男子達が誠実の方に視線を向ける。
なぜこんな事になっているのか、誠実は不思議でならなかった。
そんな中、クラスの男子たちは口々に、誠実に尋ね始める。
「お前! 今朝も可い子と一緒に登校してきただろ! そのほかにあの蓬清先輩とも仲良くしやがって……羨ましぃんじゃ! この馬鹿野郎ぉ!!!」
「しかも、蓬清先輩とは親公認………振られ続ける可哀想なやつだと思っていたのに……呪ってやる……」
「誠実、地獄送りになるのと、死ぬのと、全で死ぬのどれが良い?」
「待て待て! 落ち付けって!」
誠実に嫉妬の視線を向けながら、クラスの男子は誠実を罵倒する。
しかし、誠実も言われてばかりもいられず、昨日の事や奈穂の事を話し始める。
「……まぁ、昨日そんなことがあってな、それで蓬清先輩? と知り合ってな」
「一緒に登校してきた、あのは?」
「だから、何度も言ってるだろ? 妹だっての」
誠実の話を皆大人しく聞いていた。
そして、誠実が話を終えると、數秒の沈黙が訪れる。
そして次の瞬間……。
「「「テメェはラブコメ漫畫の主人公か!!!」」」
クラスの男子生徒全員が、聲をそろえてぶ。
「はぁ?! どこがだよ! 俺は好きな相手に振られてんだぞ?!」
「それは、山瀬さんがお前のラブコメ語のヒロインではなかったのだろう……そこは、なんというか……気の毒に……」
「うっせぇ! なんでそこだけちょっと優しんだよ!!」
綺凜の話になると、なぜか若干申し訳なさそうになるクラスの男子一同。
健はそんな誠実と皆の會話を聞きながら、スマホを作し、武司はその狀況を笑いながら傍観していた。
「お前は俺たちモテない男子たちにとっては勇者だったのに……」
「今では大魔王にジョブチェンジだよ! この裏切り者!!」
「何が勇者だ! お前ら影で俺の事、そんな風に呼んでたのかよ!!」
「當たり前だ! 99回同じに相手に告って振られた無謀な勇者……『無謀告白の勇者、伊敷誠実』とは、お前の事だ!」
「うれしくねーんだよ! 無謀で悪かったな!!」
段々と、會話に熱が出てくる誠実。
そんな中、何やら誠実の味方を始めるクラスの男子が現れた。
「まぁまぁ、熱くなりすぎだろ?」
「そうだぜ、誠実だって、妹と知り合ったばっかりの先輩だって言ってたじゃねーか」
「お、お前ら……」
敵ばかりだと思って居たクラスの中に、まさか自分に味方してくれる者がいるとは思わず、誠実はを覚える。
「それはそうと、誠実」
「ん? どうした??」
味方をしてくれているクラスメイトの男子が、突然誠実の方を向き真剣な顔で話し始めた。
「妹を俺たちに紹介してはくれないか?」
「結局そういうことか! なんだ、お前らも奈穂目當てか!」
「良いから紹介しろ! いえ、してください! お兄さん!」
「やめろ! 今日の朝、どんだけそう呼ばれたことか……」
結局庇ってくれた連中も奈穂目當てだったことに気が付き、誠実は「あぁ、やっぱりこの學校は馬鹿ばっかだ…」なんて事を考えながら、聲を上げる。
誠実はこれ以上、こんな場所に居たくなくなり、椅子から立ちあがってダッシュでその場から逃げだした。
「もう、こんな學校嫌いだぁぁぁ!!」
「逃げたぞ! みんな追え!!」
「待ってくれ! 兄さん!」
誠実を追いかけて、健と武司以外のクラスの男子生徒は居なくなってしまった。
クラスに殘った健と武司は、一連の流れを見て笑みを浮かべながら、聲をそろえて言う。
「「面白いことになってきたな!」」
こういう時にするこの二人の笑顔には、どこか黒いものがある。
そして、もう一人、一連の流れを見ていた生徒がクラスに居た。
「……誠実君………」
言わずもがな、沙耶華だった。
誠実が奈穂と登校してきた時も、誠実が栞と話をしていた時も沙耶香は誠実の近くにいて、現場を見ていた。
まさか誠実に綺凜と、自分以外の子の知り合いが居るなんて思わ無かった沙耶香は若干焦っていた。
「二人とも……可かったなぁ~」
奈穂も栞も沙耶香から見ても納得のであり、もしライバルになったりしたらと考える沙耶香。
「……私、大丈夫かな……」
昨日のやる気はどこへやら、沙耶香は誠実の周りに居る、可い妹と可憐な先輩に一切勝てる気がしなかった。
「でも……私だって!」
沙耶香は応援してくれている料理部の皆の事を思い出し、再び気合をれなおす。
何とか自分に振り向いてもらえるように頑張ろう、沙耶香はそう思いながら、放課後までの時間を待とうと思ったのだが……。
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