《99回告白したけどダメでした》36話

「そういえば、あの日誠実と合流した時、あいつ変な事言ってたな……癡漢にあったと何とか」

「そうだっけか? 俺は良く覚えてねぇな」

「誠実と武司は、験が終わって、テンションおかしかったからな…」

験が終わったあの日の事を徐々に思い出す、健と武司。

そんな2人に、今度は沙が話出す。

「私は電車で験に來てたから、帰りも電車だったんだけど、その時癡漢されちゃってさぁ~」

験が終わった沙は、友人と別れ、電車で真っすぐ家に帰る途中だったらしい、その途中の電車で、癡漢に會ったとの事だった。

「俺たちは、早々に學校を出て、笹原が乗る一本前の電車に乗ったんだったな」

「あぁ、確かあの時は、さっさと遊びに行きたくて、駅までダッシュで行ったよな? そこは俺も覚えてるぜ」

「駅について、誠実がマフラー忘れたのに気が付いて、あいつだけまた走って學校に戻ったんだよ。俺と武司は、先に電車に乗って」

験の日の狀況が段々わかり始め、沙はその時に誠実と何があったかを説明し始める。

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健と武司は、その話に興味深々だった。

「電車に乗ったらさ~、いきなりおられてねぇ……怖いしきもち悪いしで、聲なんて出せなかったのよ。でもそうしたら、隣にいた伊敷君がね~」

『もしかして……癡漢? それともそういうプレイ?』

「……って言ってきたのよ」

どこか殘念そうな表沙がそういう。

健と武司は、友人がそんな馬鹿な事を子に電車で尋ねていたとは知らず、顔を手で押さえて呆れていた。

「あいつ、何を聞いてんだよ、しかも子に……」

「そういえば……誠実って中學時代、癡漢のそういう畫見るのにハマってなかったか?」

「そう言えばそうだな……俺も貸したわ」

「武司、お前もか……」

なんだかこの先は容易に想像できてしまいそうな展開で、聞こうか聞くまいか、悩む健と武司だったが、もしかしてという可能に期待をして、再度尋ねる。

「それで私は伊敷君の足を思いっきり踏んで、そんなわけないでしょっ!! って言ったのよ」

「そりゃそうだ」

「つーかよ、それを聞いた誠実もすげーよな」

その時の狀況が目に浮かぶようで、健と武司は更に先を聞く。

「まぁ、そのあとはおっさしの通り、彼が私を助けてくれたんだけど、その助け方がね……」

目を伏せて、どこか殘念そうな表沙。

誠実はどんな助け方をしたのだろうと、逆に気になり、健と武司は沙の言葉を待つ。

「いきなり、私のおってた男の手をつかんで顔を赤らめながら、こう言ったのよ」

『お……おっさん……俺にその趣味は無いぜ…』

普通に助けろよ!

そう武司と健は、誠実がこの場に居たら、んでいたであろう。

しかし、この場に誠実は居ないため、この気持ちをどこにぶつけたものかと悩む。

「まぁ、そしたら、癡漢の男も誠実君を気持ち悪がって、直ぐに逃げてったんだけどね……あの時の周りの視線ったらなかったわ……」

「だろうな、あのバカ」

「てかよ、今の話のどこに惚れる要素があるんだ?」

「この後が重要なのよ。結局、私は伊敷君と同じ駅で降りたんだけど、一応助けてもらったから、お禮の一つも言わなきゃと思って、し伊敷君と話たのよ」

もう惚れる要素が見當たらない中で、友人がどんな奇跡を起こしたのか、2人は沙の話に注目する。

普通に癡漢から助けたのだったら、惚れるのもわかるのだが、助け方がちょっとあれだってので、絶対にそんな要素は無いと、健と武司は確信していた。

「ありがとうございました。って言っただけだったんだけど、伊敷君最後にこう言ったの」

『君可いんだから、気をつけなきゃダメだよ? それにあんまり注目されたくないでしょ?』

誠実はその時、笑顔でそういったらしい。

その時、沙は誠実がなんであんな助け方をしたのか、分かった。

癡漢だと大聲を上げるのは簡単だった、しかしパニックになった沙が注目されないように、アホな事を言って気持ちを落ち著かせてやり、そのあと沙が注目されないように、癡漢に辱めをけさせる。

知らない他人を助けるのに、誠実は助けるときにも気を使っていたのだ。

「その時、この人はただ助けてくれただけじゃない、ちゃんとその後の事も考えて助けてくれたんだなって……そう思ったらなんか……カッコいいなって……」

頬を赤く染めながら話す沙。

そんな沙を見ながら、健と武司はその話の本當の結末を彼に話すまいか悩み、沙に聞こえないようにコソコソ話し出す。

「なぁ、確かあの時確か、癡漢に會ったけど、犯人捕まえると々面倒だから、そのまま逃がしてきたとか言ってなかったか?」

「あぁ、多分笹原に気を使った訳じゃなく、ただ単に誠実がそのあとの々を面倒臭がって、あんなアホな事をしたんだろうな……験が終わった解放で、あいつのテンション高かったし……」

里は違う、本當の真実に気が付き始める健と武司。

しかし、ここで彼のそんな甘い記憶に水を刺しても、健と武司には何の得も無いので、あえてこのことは言わない。

逆に、このままの方が、彼の夢を壊さずに済むのではないか?

2人はそう思って、口を閉じる。

「まぁ、そこでちょっと……気になって……學して同じ學校って知って、好きになっちゃったって訳! あ、本人には緒ね! これから私のアピールタイムなんだから!」

「誠実……本命の友達落としてどうすんだよ……」

「報われないな、あいつ」

武司と健が互に肩を落として言う。

そこで2人は改めて、誠実を取り囲むをまとめてみることにした。

「えっと……じゃあ、本來笹原はファミレスの中のあの3人の中に居るべきで」

「そうだね、あの人たちライバルだし」

笑顔でそういう沙に、武司はなんでそんなにも余裕なのか不思議に思う。

次に健が今まで閉まっていたスマホを取り出し、沙に言う。

「誠実は、完璧に本命の山瀬さんには相手にされて無くて、もう完全に終わりと」

「健、お前って結構キツイことを言うのな」

「でも、あながち間違いじゃないよ?」

本命からなんとも思われて居ないのに、他のからモテる誠実に、武司は嫉妬するべきなのか、それとも同してやるべきなのか悩む。

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