《99回告白したけどダメでした》46話

「お! やっと來たか誠実。もうゲーム初めてたぜ?」

「あ、あぁ…そうか」

「どうした? なにかあったのか?」

誠実は沙と分かれ、ボーリング場に來ていた。

すぐさま健と武司を見つけ、2人の居るレーンに向かった誠実は、ボーリング用のシューズに履き替え始める。

誠実のどこかおかしな様子に気が付いた健と武司は、沙とやはり何かあったんだろうなと思い、気まずそうな表で誠実に尋ねる。

「いや……俺も何が何だか……」

「まぁ、昨日も々あったんだろうし、何かあったんなら言えよ、力になれるかもしれない」

「武司の言う通りだ、辛い時こそ俺たちを頼れ」

「お、お前ら……」

今日の健と武司は本當に優しい、そう誠実は思いながら涙を浮かべる。

って素晴らしいな、なんてことを思いながら、誠実は先ほど沙と何があったのかを2人に伝えた。

「ふむふむ……つまりだ」

「告白っぽい事をされた上に、映畫にわれたと……」

「そうなんだよ……絶対に何か裏があると思うんだけど……」

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健と武司は2人とも、昨日の事を思い出していた。

沙が綺凜に誠実の事が好きだと言い、2人はその場面に立ち會っていた。

誠実に話があると言って、沙が近づいてきた時、2人は大そんな話ではないのかと想像はしていた。

健と武司の2人は、誠実に聞こえないようにコソコソ話をする

「なぁ、笹原まで參戦してきたぞ! どうなってんだよ! なんで誠実がこんなにモテるんだよ!」

「モテ期かもな……」

「ま、まさか……あの伝説の!!」

「人生で3回は來るらしいからな」

コソコソ話す健と武司の様子が気になり、誠実は2人に近づく。

「なぁ、何を話してるんだよ?」

「おわ! びっくりするだろ!」

「あんまり俺を放置しないでくれよ、寂しい……」

神的ダメージが大きすぎて、素直になっているようだな」

不安そうな表の誠実に、健と武司は本當に誠実の事が心配になってきた。

新しいをすれば良い、確かにそう言ったのだが、新しいがやたらと多すぎる。

友人として、沙耶香辺りとくっついて、平和に3年間を終えてしいと願っていたのだが、誠実が々なところでフラグを立てていた事を健と武司は知らなかった。

「まぁ、そうだな、俺らも付き合ったことないから、あんまり上手いことは言えないけどよ、ちゃんと一人一人と向き合う事が大事だと思うぜ?」

「一人一人? あぁ、沙耶香と笹原の事か……まぁ、そうなんだけど……」

誠実はまだ、自分に好意を持っているのが沙耶香と沙の2人だけだと思っていた。

しかし、武司と健は知っている。

その2人に、誠実の妹の奈穂、二年生の先輩の栞が加わっている事を……。

「そんなの全員に良い友人でいようと、言って斷れば良い。誠実、お前はこれからアイドルに目覚めろ、アイドルは良いぞ~、ステージとテレビの中では、綺麗で可い天使だ。まぁリアルで見てしまったら、々と熱が冷めるが……」

「何お前はそっちの道に誠実を連れ込もうとしてるんだよ!! ていうか、おまえの過去に一何があったんだよ!!」

武司とは対照的に、すべて斷る道を進める健。

そんな健に武司は勢いよくツッコミをれる。

2人の対照的な意見を聞いた誠実は、なおさらどうしたものか、わからなくなってしまった。

「はぁ……告白されるって、案外つらいんだな」

「おい誠実、それはモテない俺に対する嫌味か?」

「武司落ち著け、確かにお前はモテないが……」

「良し健、歯を食いしばれ、ぶん毆ってやる」

拳を振り上げる武司に、健は「冗談だ」と短く言って、武司を押さえる。

そんな中、誠実は心の中でふと、綺凜の事を考える。

(山瀬さんも……こんな気持ちだったのかな?)

告白する立場から、される側の立場になって、誠実は考える。

相手から、こうやって好意を向けられる。

誠実の場合はまだ良い、斷る理由が無い。

しかし、山瀬さんにはあった、それを考えると、誠実は自分のやっていた事が、どれだけ綺凜に迷を掛けていたのかを知った。

たとえそれを綺凜が利用していたとしても、誠実はなんだかが痛くなった。

「あぁ! もう考えるのはやめた!! ボーリングしようぜ! 武司をボールにして!」

「どういう事だよ!! やっぱりお前、し頭おかしくなってんじゃねーのか!?」

「誠実、それは名案だ、待ってろりをよくするために、武司をボーズに……」

「おいこら健!! どっからバリカン出した! やめろ!」

今は楽しもう、誠実はそう思い、いつも通り3人でバカ騒ぎをする。

嫌な事や悩みがあっても、こうやって3人で騒いでいると忘れる事が出來た。

それから3人でボーリングを3ゲームほど楽しみ、誠実達は解散する事になった。

「ま、まさか健があんなにボーリングが上手いとは……」

「驚きいたよ、顔も良くて運も出來るって……」

「どやぁ」

「「口に出すな! 腹立つわ!!」」

ドヤ顔しながら、効果音を口に出す健。

そんな健に武司と誠実は文句を言い、ボーリング場の前で3人はがやがやと騒いでいた。

「お、もうこんな時間か、じゃあ俺はこっちだから」

「俺もそろそろ帰る、じゃあな」

「おう、2人ともじゃーなー」

誠実は健と武司を見送る。

ボーリングに夢中で、さっぱりスマホを見ていなかった誠実は、著信や通知が來ていないかを確認する。

スマホを見ると、通知がたくさんっていた。

沙耶香から一件のメッセージ。

奈穂から一件のメッセージと著信一件。

栞から一件のメッセージ。

そして……。

「ん? 笹原からは……23件のメッセージ??? なんだ、何かあったのか?」

なぜか沙からは多くのメッセージが來ており、誠実は何か大切な連絡かと思い、沙のメッセージから確認し始める。

しかし、沙のメッセージはそこまで重要なものでは無かった。

容も大した事は無く、好きな食べは何? とか、型は何型? とか、よくわからない質問ばかりだった。

「あいつ……なんのつもりだ……」

沙への返信はとりあえず後回しにしよう、そう考えていると、スマホの通知音が鳴った。

「ん? 武司から? なんだあいつ」

通知容は、武司からのメッセージだった。

先ほどまで一緒にいたというのに、一どうしたのだろう?

誠実は不思議に思いながら、容を確認する。

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