《99回告白したけどダメでした》59話
*
忠志と勤が街中で遊び回っている丁度そのころ、誠実と蓬清家の人達は蓬清家の主を探し回っていた。
誠実と栞、そして由良の3人は車で街の方まで來ていた。
「さて、どこにいるのか……」
「あの人は、あまりこの辺の地理には詳しくありません……心配だわ……」
「奧様、お気を確かに、ご主人様は必ず、見つけ出します」
車を運転しながら、義雄は真剣な表で由良にそういう。
栞も心配そうな表を浮かべながら、窓の外を見ている。
誠実は、そんな親子2人を見ていて、不謹慎かもしれないと思いつつも、本當に人な親子だと思っていた。
街にったのは良いが、人を探すのに車で探すのは々と不都合なので、車から降りて徒歩で探すことになった。
「伊敷さん、申し訳ありませんが、娘と一緒にあっちの方を見て來ていただけますか? 私は義雄と一緒にあっちの方を探します」
「お、奧様! 私は反対です! この前だって、お嬢様は危険な目にあっております。ここは四人一緒に!」
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「ですが、その時はこの伊敷さんが助けて下さったんでしょ? 十分ボディーガードを務めて下さると思いますわ。それに、二手に分かれた方が効率的です」
「し、しかし……」
(え、俺と先輩二人なの? しかも街中で? 昨日みたいなことになったら……)
誠実は由良の発言に、そんな不安を募らせる。
昨日は、奈穂との買い中に沙と遭遇し、めんどくさい事態になりかけた。
栞と街で2人のところを知り合いにでも見つかったら、説明が面倒になる。
本音を言えば、ここは4人で行していた方が、まだ説明のしようがある為、義雄の意見に賛の誠実。
「あ、あの先輩のお母さん、ここは義雄さんの言う通り、4人で探した方が良いのでは? 自分なんて、所詮はただの學生ですし、義雄さんのようなプロの方と一緒の方が、先輩も安心のような……」
(こやつ……以外じゃの、てっきりお嬢様と2人きりになって、何かよからぬことをするかと思っていたのじゃが……まさか同じ意見とは……こやつはお嬢様をどう思っておるのじゃ?)
義雄は義雄で、主人の事も心配だったが、栞のことも心配だった。
誠実が本當に、栞の言う通り、優しい男であるのならば、なんの心配はいらないのだが、出會って一時間ちょっとでは、なんとも言えない。
「私はお母様の意見に賛です。何かあっても、伊敷君なら守っていただけそうですから」
栞は誠実の方を見て、笑みを浮かべる。
その笑顔に、誠実はドキリとしつつ、し困ったようなじに、4人で探すことを推すが、結局効率を考えて、二手に分かれることになってしまった。
「誠実君といったね? これは私の仕事用の電話番號だ、何かあればこれに電話をかけてくれ」
「あ、はいわかりました」
「くれぐれも! お嬢様をよろしく頼むよ……まさと思うが、君がお嬢様を悲しませるよな何かをした場合は………」
「ば、場合は?」
「………沈んでもらうよ」
「一どこに!?」
別れる間際、誠実は義雄の恐ろしさと、栞には絶対に相のないように気を付けようという事を心に刻んだ。
二手に分かれての捜索が始まり、誠実と栞の2人は待ちなかを歩いていた。
「そう言えば、先輩のお父さんの寫真ってありますか? 顔がわからないと、探しようが……」
「あ、そうですね、えっと……確か手帳に……あ、ありました」
「この人ですか……流石先輩のお父さん、ダンディなじの男前ですね」
誠実が栞から見せてもらった寫真は、家族寫真だった。
栞が中央におり、その両サイドに由良と栞のお父さんが並んでいた。
背が高く、ガタイが良いその姿からは、決して40代とは思えなかった。
寫真の表は無表で、なんだか固そうなイメージだった。
「あまり父とは話をしないんです……」
「そうなんですか?」
「はい、仕事が忙しいみたいで、最近は會ってすらいませんでした……話をしたのも、この前、伊敷君に助けていただいたときに數分だけ……」
「そ、そうなんですか……」
寂し気な表で話をする栞に、誠実は変なことを聞いてしまったかと、後悔する。
「私がピアノのコンサートで金賞を賞しても、學年一位になっても、お父様は何も言ってくれませんでした。昔からそうでした、何を考えているのかよくわからない人なんです」
話を続ける栞に、誠実はなんと言って良いかわからず、ただ歩きながら話を聞いていた。
「でも、お父様は優しい人なんです。私が昔あげたハンカチを今も大切に使っていたり、中學生の時にあげた時計をいつも腕にはめて仕事に行くんです。だから、私はもっとお父様と話をしたくて、伊敷君には申し訳ないのですが、口実を作って話すチャンスを作ったんです。しかし……」
そのお父さんが直前で居なくなってしまった。
そんな狀況になってしまい、栞は自分を責めていた。
もしかしたら、父にわがままを言ってしまったのではないか、もしかしたら仕事で疲れている父を追い込んでしまったのではないか、そんな不安が栞の中にはあった。
「先輩、俺の家の親父って、どこにでもいる普通の親父なんですよ」
「え……」
誠実は自分を責める栞をよそに自分の父親の話を始めた。
「家ではゴロゴロしてばっかだし、母さんに叱られてばっかりなんですよ」
「は、はぁ……」
誠実が一何を言いたいのか、栞は分からなかった。
しかし、誠実は笑いながら言葉を続ける。
「でも、ちゃんと俺ら家族を食わせてくれてる、すごい親父だと思うんですよ」
「どうしてですか?」
「毎日働いて、俺らを養って、しかもうちの親父ってあんまり俺たち兄妹を叱らないんです。家では笑ってることが多くて、俺が小さいときは、休日はいつも遊んでくれてたんです。今になって考えると、平日は仕事で疲れて、休日は俺と遊んで疲れて、大変だったろうなって……」
栞は誠実の話を黙って聞いていた。
次第に人通りのない道にり、誠実は足を止めて栞の方を向く。
「でも、反抗期って言うか、俺たち兄妹が親父に冷たく接するようになったときに、親父が置手紙をして家出したんです」
「え……」
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