《99回告白したけどダメでした》72話

「んでよ、そいつらどこに居るんだ?」

「あぁ、住宅地から、し離れた廃工場だ」

「おぉ、まさにヤンキーのたまり場だな」

誠実達3人は、學校を出て噂を流した駿の居る、場所に向かっていた。

廃工場までは、バスで10分ほどの場所にあり、人通りもない上に、車もあまり通らない。

「しかしだ、俺ら3人で実際どうにかなるのか?」

「何言ってんだ通信空手、自信を持て!」

「誠実、お前數分前まで通信空手馬鹿にしてたよな……」

誠実達は、工場に向かう道すがら、駿をどうやって懲らしめたら良いものかと話あっていた。

「武司、考えてもみろ、あっちにだって仲間が居るはずだ、油斷はできない」

「油斷とかの前に、こっちのパーティーをよく考えてみろ、ストーカー・通信空手・神だぞ? 俺以外はゴミみたいなものじゃないか」

「健、し黙れ」

「正しくは、ストーカー・通信空手・ドルオタだな……なんだこのパーティー」

「武司、お前も黙れ、現実を突きつけるな」

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話しているだけで、何もいい考えなど浮かぶはずもなく時間だけが過ぎていく。

そして、ついに目的の場所に誠実達はたどり著く。

「なんだろう、この絶対に勝てないラスボスに挑む気分……」

「バグでレベル1のまま、魔王城に來てしまった勇者の気分とも言う」

廃工場を草葉のから見つめる誠実たち。

工場の扉の前には、柄の悪い連中が4人おり、誠実たちはその時點で數で負けていることを実する。

「何言ってんだ! あのクソ野郎絶対に許さねぇ~!!」

「誠実、落ち著け! 気持ちは分かるがし堪えろ! 無策で行ってもやられるだけだ!」

「じゃあどうすんだよ! このままここで見てるわけにも行かないだろ!」

「よし、ここは俺に任せろ」

「「健?」」

健はそういうと、持っていた鞄の中から何かを取り出す。

健が取り出したのは、竹とロケット花火だった。

「これで、外のあいつらの注意を別なところに逸らす、その間に工場に侵する」

「ほぉほぉ、なるほどな」

「これなら、口で捕まることはないな! で、った後はどうする?」

「全員でこれを著て、これを持って戦闘開始だ」

「なるほどな、完璧な作戦だぜ! これでぜってぇ負けねぇ……わけあるかボケェェェェ!!」

武司は健からけ取った、はっぴとペンライトを地面に叩きつける。

「なんでこれを著て戦闘開始なんだよ! これを著て戦闘を開始するのは、アイドルライブの親衛隊だろうが!!」

「ペンライトは打撃武に、ピンクのはっぴは敵の攻撃をけ流せる」

「無理に決まってんだろ! これ著て喧嘩に行くやつは、ただの馬鹿か何も考えてない奴だよ!!」

「よっしゃぁぁ!! 行くぞ! 2人とも!!」

誠実ははっぴに袖を通し、両手にペンライトを持って、健と武司に言う。

武司は誠実を見ながら、肩を落とす。

(あぁ、山瀬の事以外何も考えてない奴が、ここに居た)

武司はそう思いながら、呆れた様子で誠実を見る。

健も誠実がはっぴを著ているのを見て、自分もはっぴを著て、武司に言う。

「武司、いくぞ戦場へ」

「……なんでこいつらがモテて、俺がモテないの…」

本気でそんな事を考えながら、武司は半分自棄(やけ)になり、はっぴに袖を通して達上がる。

「あぁぁぁ! やってやるよ! どうせ嫌いな連中だ! 何を言われても気にならねーし、こっちだってムカついてんだ! 暴れるだけ暴れてやる!」

「よく行ったぞ、武司。ちなみに、背中には今売り出し中のアイドルグループ、エメラルドスターズのメンバーの名前が書いてある」

「うわ! マジだ、みきにゃん命って書いてある、恥ずかし!」

「俺のはなんて書いてある?」

誠実は背中をに何が書いてあるのかを健に尋ねる。

健は口元をにやりと歪ませ、どや顔で応える。

「誠実には俺の推しメン、ゆきほちゃんの名前が書いてる、それをつけていれば大丈夫だ!」

「なんの意味があんだよ……」

「よし! じゃあ、行くぞ!」

武司はどや顔の健に、そんなツッコミをれつつ、誠実と健の後ろについて、工場に向かっていった。

誠実はこの時、駿をボコボコにしたいという気持ちでいっぱいだった。

自分の噂を流されたからではなく、ただ単純に自分の好きな人が傷つけられるのが、誠実は嫌だった。

誠実たちは、り口のヤンキーに気が付かれないようにし離れた場所に、竹とロケット花火を投げ込んだ。

バーン バーン

「ん? なんだあの音」

「誰か居るのか?」

健の推測通り、口のヤンキーたちは音がした方に歩いて行った。

誠実たちはこの好きに、工場の中に潛する。

ってすぐのところは、エントランスのようになっていた。

誠実たちは姿勢を低くしながら、奧に進んでいく。

すると、奧の大きく開けた空間に、6人のヤンキーが居た。

その中にはもちろん駿もおり、何かを話していた。

「駿さん、それでその綺凜ちゃんって子はどんな反応だったんっすか?」

「あぁ、ずっと謝ってたよ。私のせいで迷かけてごめんなさいって。ま、ボコボコにしたの俺たちなんだけどな~」

「うわぁ~、駿さんひっで~」

げらげら馬鹿笑いする、不良たちを見て、誠実のいら立ちはピークに達していた。

今にも飛び出していきそうな誠実を武司が止めていると、駿が大きな聲で話出した。

「お~い、來たんだろ? 伊敷君~」

駿に言われて、誠実たちは自分たちが工場に潛してきたことがバレた事に気が付く。

誠実たちは、隠れるのを止め、表に出ていく。

「來る頃だと思ったぜ~、なんたってその為に噂を流したんだからよ~」

駿は不敵な笑みを浮かべながら、誠実達に向かって話す。

他のヤンキーたちも駿と同様にニヤニヤとしながら、誠実たちを見る。

「口止めの為に、あんな噂を流したのか!」

「はぁ? 口止め? そんなのしなくても、綺凜はお前の言葉なんて信じねーよ、バ~カ」

「じゃあ、何のために!」

「おっと、それよりも、今度はこっちの質問だ、なんでお前ら……そんな恰好なの?」

駿は誠実たちの格好を指さしながら、不思議そうに尋ねる。

武司は、気まずい表のまま、「やっぱり聞くよなぁ~」と思いながら、なんと答えたものかと考える。

しかし、武司が答えるより先に健がどや顔で答える。

「戦闘服だ」

一瞬の沈黙のあと、その場がヤンキーたちの馬鹿笑いでいっぱいになったのは言うまでもない。

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