《99回告白したけどダメでした》78話
*
誠実と駿の戦いに決著がついた頃。
健と武司の戦いもクライマックスを迎えていた。
「はぁ……はぁ……やばいな、ちょいしんどい」
「それはあっちも同じようだ…」
健と武司は一人で二人を相手にしている為、疲労が激しかった。
しかし、健と武司を相手にしているヤンキー4人も徐々に疲労が溜まってきたらしく、きが鈍くなり始めてた。
「クソ! なんだこいつら、はっぴの癖に!」
「ふざけた格好してる癖に、なんて機敏なきだ……」
ヤンキーたちが口を揃えて、健と武司が著ているはっぴの事を話していると、武司が複雑そうな顔で健に言う。
「健……俺もうこれいで良い?」
「バカかお前は、戦闘中に戦闘服をぐ奴がどこの世界に居る!」
「このはっぴを戦闘服って呼ぶバカはここに居るけどな! 折角のカッコいい場面が、このはっぴ一つで臺無しだよ!!」
「バカ者! これは戦闘服だ! これを著て全力でをかし、一丸となって事に當たる……まさしく戦闘服だろ!」
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「お前が良く行く戦場はアイドルのライブ會場だろうが! ここは違うんだよ!!」
「お前、そんな気持ちで背中のみきにゃんに申し訳ないと思わないのか!」
「誰だよ!!」
喧嘩そっちのけで、仲間割れをし始める健と武司。
そんな二人を見ていたヤンキー四人は、呆れた表で健と武司に靜かに近づき、不意打ちを掛けようと目論む。
しかし、その気配に気が付かない健と武司では無かった。
「でりゃあぁぁ!」
「おっと! あぶね~」
後ろからの攻撃を避け、武司は距離を取る。
対して健は、不意打ちをしてきた相手に得意のペンライトの打撃攻撃を食らわす。
「ぐはっ! こ…こいつぅ~」
「分からんな、あの駿とかいう男に、なぜこれだけの人があるのか……」
健は攻撃した後、床に倒れるヤンキーに問いかけるようにそう言う。
すると、不意打ちをしてこなかった、殘りのヤンキーが健に言う。
「お前らの言う通り、傍から見ればあの人はただの最低人間かもしれない」
「わりぃけど、俺らが知る限りじゃ、あの駿って男は最低のクズ人間って言う認識なんだけど?」
「違う! あの人は俺達を助けてくれた!」
不意打ちに失敗し、健の足元でうつぶせに倒れていたヤンキーが大聲でぶ。
その言葉に、健と武司はどういう意味か分からず首を傾げて問う。
「どういう意味だ?」
「あの男は、山瀬を落としいれようと、金で拐まがいの事をしようともしたらしいじゃないか? それに、隨分を泣かせてきたという話も聞く」
「あぁ……話自は事実だよ。でも詳細は違う! 泣かせたは、男を騙していた金を貢がせたり、男を財布としか思っていない最低な奴らだけだ。俺達みたいな奴らから……」
「ほう……つまり、お前らはに騙された被害者ってとこか?」
「全員じゃない……俺達は全員、元はこんなじじゃなかった……真面目な優等生や、部活を頑張ってたやつもいた。でも、全員絡みで々あって、駿さんに助けてもらったんだ……」
「助けてもらったね~、あのルックスで対象のを口説いて、その後全員で回したとかか? それなら、俺は同なんてしないぜ、叩き潰すだけだ」
「そんな事はしない! やったのは、の悪事をさらしてやったくらいだ!」
ヤンキーたちの話を聞き、健と武司は疑問に思う。
「じゃあ、なんで拐まがいの事をした?」
健の問いに、ヤンキーたちは目を伏せ、靜かに話始める。
「今回の事は、特別だったんだよ……」
「特別?」
「あぁ、駿さんはあの……山瀬綺凜の事は特に気に食わなかったらしくて……徹底的にやろうって言ってたんだ」
「徹底的ねぇ~」
武司は腕を頭の後ろで組みながら、ヤンキーたちの話に耳を貸す。
健は表を変えることなく、靜かに話を聞いていた。
「今回はなんでもありだって……あの人はいつもと違ってた……今回はあのを徹底的に絶させるって……」
「拐まがいの事をしようとしたのは、山瀬を怖がらせるためか?」
「それもあった、だけど駿さんは言う割にはどこか複雑そう……っていうか、悩んでいる見たいだった」
なんだか聞いていた話と大きく食い違っており、健と武司は訳が分からなくなる。
しかし、健と武司にとってそんな事は二の次だった。
ただ友人の悪評を流した奴らがここに居る。
それだけで、健と武司が戦う理由は十分だった。
「まぁ、俺らは何でもいいさ、俺達もあの馬鹿に返しても返しきれねーモノをたくさん貰っちまったからな……」
「あぁ……だから俺達は、お前たちにどんな理由があろうと、誠実の敵ならば俺たちの敵だ……」
改めて構える健と武司。
その様子にヤンキー達も構える。
「似てるな……俺達は」
「だろうな、だが手は抜かん」
「お互いにダチの為に喧嘩してんだ、気持ちはわかるだろ?」
「あぁ、そんなふざけた格好で來るだけはある」
「頼むから、もうこのはっぴに関しては何も言わんでくれ……」
お互いが似た同士だという事に気がつく雙方だが、目的は変わらない。
話を終わりにし、決著をつけようと目つきを変えてにらみ合う。
健が駆け出したのを合図に、両者が一斉にき出す。
毆っては毆り返し、蹴られては蹴り返しの戦いが続く。
健と武司は人數の差を気力でカバーし、ヤンキーたちは數で二人を抑え込もうとするが上手くいかない。
そうこうしている間に、ヤンキー側の二人が倒れ、數だけは互角になる。
しかし、気迫で四人を相手にしていた健と武司と、數でも二人に勝てなかったヤンキー達では、力の差は歴然だった。
「武司……」
「んだよ……俺は疲れた……もうはっぴ…いで良いだろ?」
「あぁ……そうだな………あっちも終わったようだ」
「そうみたいだな……」
誠実と駿の方を見ながら、健と武司は互いの背にもたれ掛かり、力を抜いて座り込む。
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