《99回告白したけどダメでした》81話
翌日、誠実はスッキリとした気分で目が覚めた。
今までのモヤモヤした気分がスッカリ晴れ、が軽かった。
「いや~、清々しい朝だなぁ!」
……と言うのは完全に誠実の思い込みであり、実際は學校に行くのなんて嫌だった。
かっこつけて駿と喧嘩し、倒したまでは良かったし、駿に言いたい事も言えてスッキリはしたが、噂が消える訳では無い。
「あぁ~俺何やってんだよぉ~」
結局白い目で見られることに変わりはなく、誠実はそっちの問題を気にしていた。
「はぁ~、結局噂が間違いだったって事が流れれば、そこから芋ずる式に々バレそうだそなぁ……完全に學校で孤立しちまうなぁ……」
そんな憂鬱な考えのまま、誠実は朝食を済ませ、學校に行く準備を済ませて玄関に向かう。
「ちょっと、何置いて行こうとしてんのよ」
「ん? お前…今日も一緒に行くのかよ…」
「當たり前でしょ、あんたが居ないと、朝は々面倒なのよ。朝っぱらからナンパとか……暑さでおかしくなったんじゃないかって、本気で思うわ」
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「お前も大変なのな…」
家を出ようとした瞬間、奈穂が誠実を追いかけて慌てて二階から降りて來た。
皆々とあるんだなと、誠実はそうじながら、奈穂と一緒に家を出た。
「おにぃ、なんか昨日遅かったけど、どうかしたの? それにその怪我、朝見てびっくりしたわよ」
「俺にも々あんの」
「フーン、まぁどうでも良いけど、それよりあの噂って本當?」
「お前も知ってるのかよ!!」
まさか郊外にも知られているとは思わず、誠実は驚き聲を上げる。
そんな誠実に、奈穂は落ち著いた様子で言う。
「ま、どうせデマでしょ?」
「し、信じてくれるのか!」
「あのねぇ……信じてなかったら、あんたの妹辭めてるわよ。全く、どこの誰が流したかは知らないけど、どうせその怪我も噂関係でしょ」
「良くわかってらっしゃる……」
妹の流石の察力に、誠実は肩を落とす。
しかし、噂を信じて居なくてよかったと思った本音が誠実にはあった。
まぁ、家族からまで見放される事態を避けられただけでも良しとしようと、誠実はプラス思考で學校に向かう。
「にしても、ちょっとイラっとするわね、その噂を流した奴……」
「おぉ、妹よおにぃの為に怒ってくれるのかい?」
「いや、ただ単にそう言うのが嫌いなだけよ、おにぃは放っておけば自分で解決するだろうしね」
「本當によくわかってらっしゃる」
「だって私、あんたの妹だもん」
そう言って笑って応える奈穂に、誠実はを覚える。
そんな優しい妹に、誠実は譽め言葉を贈る。
「お前は將來、良い嫁になるな!」
満面の笑みで親指を立て、拳を突き出す誠実。
その言葉を聞いた奈穂は、顔を真っ赤にし誠実が立てたその親指をへし折る。
「ぎゃぁぁ! お前! なんで俺の親指を攻撃するんだよ!」
「お、おにぃが変な事言うからでしょ! 嫁とか……ま、まだ私には早い……」
誠実は、おられた親指をさすりながら、やっぱりこいつは優しくなんてないと、奈穂への認識を改めていた。
そんな事をしているうちに、いつの間にか學校に到著した。
最近では、奈穂目當てに校門前で待機する奴が増えて困っている。
「お前、本當に今日はあっちから學校に行け、見ろあの人の數! まるでごみの様だ」
「そうね……すごい人ね……」
校門前を見ると、そこには奈穂目當ての男子生徒が集まっていた。
「俺を出しにして、お前とお近づきになろうって魂膽が見え見えなんだよ……おにぃちゃんは認めません! そんな卑怯な男は斷じて妹の彼氏だなんて、認めません!」
「何お父さん見たいな事言ってるのよ……良いわ、今日は作戦があるから、堂々と行けるわよ」
「は? 作戦?」
誠実は首を傾げながら、奈穂を追う。
そして、奈穂が校門の前を通った瞬間、校門に集まっていた男たちは、あっという間に奈穂を囲む。
「やぁ、誠実の妹ちゃん、君も大変だね、あんなストーカーのおにぃさんをもって……」
「あの野郎……」
後でぶん毆ってやろう、そう思いながら誠実は奈穂に聲を掛けた二年生を睨みつける。
他の男共も奈穂に同するような事を言って、親な関係になろうと皆口を揃えて、誠実を悪く言う。
そんな男共に、奈穂は笑顔で言う。
「本當に噂って怖いですよね~、一瞬で広まっちゃうんですもん」
今の奈穂は、家に居る時の奈穂ではない、モデルの仕事の時や、學校で見せている、外での奈穂だった。
「本當だよね~、何か困った事があったら、俺を頼ってよ!」
「何を言ってやがる! 俺は友人の相談をけよう選手権12位の男だぞ! 俺が適任だ!」
(なんだよその選手権……しかも順位も微妙!)
誠実は遠くから聞きながらそう思っていた。
そんな話を聞きながら、奈穂は相変わらずの外の顔で男共に言う。
「あはは、面白い人ですね~」
「ほ、ホント?」
「はい、すごく面白いですよ」
言われた男は、よっしゃ! 好度上がった! などとでも思ったのであろう、すっかり上機嫌である。
しかし、その數秒後、彼は地獄に落とされてしまう。
いや、彼だけではないその場の男全員が、奈穂のとある言葉に、氷著いた。
「そうやって、噂にわされて簡単に噓を信じるあなた方全員」
「「「え……」」」
奈穂の言葉に、思わずその場は凍り付いた。
そんな狀況でも、奈穂は笑顔のまま言葉を続ける。
「それに私、兄を馬鹿にする人って嫌いなんです、あれでも一応兄ですし、それに……」
奈穂は話をしながら、男共の群れから出て行く。
そして去り際に笑顔で言った。
「私の彼氏はおにぃが認めてくれないと、慣れないんですよ~」
奈穂そう言い殘し、小走りで自分の學校の方に向かった。
そして、そんな事を言われた男共が次に出る行は、たった一つだった。
「伊敷君、酷い事をする奴がいるものだね、僕は許せないよ!」
「伊敷君……嫌、お兄さん。僕がそのけしからん輩を懲らしめてやりますよ! なので妹さんを下さい」
皆手のひら返して、誠実にびを売り始める。
誠実はそんな奴らに対し、誠実は一言申す。
「お前ら見たいな奴らに、奈穂はやらん! 俺のだ馬鹿者!」
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