《99回告白したけどダメでした》82話

誠実の言葉に、その場に居た男子生徒は皆フリーズする。

そして打ち合わせでもしたかのように、聲を揃えて言う。

「「「シスコン……」」」

「そう言う意味じゃねーよ!!」

とりあえず、何か大きな誤解をけているようなので、誠実全力で否定する。

このままここに居たら、また厄介な事になりかねないとじ、誠実は男子生徒の群れを掻き分け、逃げ出す。

「あ! 逃げたぞ!!」

「お兄様! お待ちください!!」

この追いかけっこもなんだか慣れてしまった誠実は、いつも通りのコースを逃げ回り、男子生徒を巻く。

慣れたじで、男子生徒を巻くと誠実は自分の教室に向かって行く。

「はぁ……なんか最近困難ばっかだな……」

「人気者は辛いな、誠実」

「武司、居たのかよ。それにしても酷い顔だな」

「お前に言われたくねーよ。それより、なんで前橋はこの世の終わり見たいな顔をしながらお前を見てるんだ?」

「え……な、なんか俺したかな?」

沙耶香の顔を表を見ると、なんだか疲れているような、泣きそうな様な、そんな表で誠実に視線を送っていた。

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誠実は、武司に耳打ちをすると武司は、大きくため息を吐いた後に「いいから行ってこい」とだけ言って、誠実に背中を押した。

誠実は武司に言われるままに、沙耶香の元に行き事を聴く。

「よ、よぉ…沙耶香、どうかしたのか?」

「あ……お、おはよう…誠実君… … 」

なんだか疲れたじで応える沙耶香。

もしかして何か悩みでもあるのであろうか、そんな事を考える誠実。

々迷を掛けているのだから、相談に乗ろうと訳を聞こうとした瞬間、先に沙耶香は話を切り出した。

「せ、誠実君って……シ、シスコンだったの?」

誠実は沙耶香の言葉を聞いた瞬間、頭を押さえて朝の自分の発言を後悔した。

おそらく沙耶香もあの場に居たのであろう、誠実はとにかく誤解を解くために、沙耶香に訳を話す。

「いや、あれはそう言う意味じゃなくてだな……」

「そう言えば、私以外のの子に告白されたって……」

「ぐっ……そ、それは……」

誤解を解く前に、もっと痛い質問をしてくる沙耶香。

昨日のごたごたですっかり忘れていたが、沙から告白された事を沙耶香にも知られていたのだった。

誠実は落ち著いて一つ一つ説明をしようと、咳ばらいをして沙耶香に説明を始める。

「えー、まずは朝の件だが、あれは奈穂に悪い蟲が付かないように言っただけで、深い意味はない。それと告白の件については……あとでちゃんと話す」

誠実は沙からの告白の件は、教室の真ん中で話すべきではないと思い、説明を保留する。

沙耶香はとりあえず納得したようで、表もいつもの沙耶香の表に戻っていた。

「う、うん……あと、その怪我はどうしたの?」

「えっと…まぁ、これはあれだ……うん、あれ!」

「あれって言われても……また何か無茶したの?」

誠実は昨日の事を沙耶香に言う気は無かった。

自分が好きだとわかってる相手に、他の好きな人の為に喧嘩してきたなど言えば、沙耶香は絶対に自分を心配し、傷ついてしまうと思ったからだ。

「まぁ、気にしない気にしない! それより、俺の噂ってまだ流れてるの? なんか昨日より視線をじないんだけど……」

學校に登校したときから、誠実は昨日と違って今日は視線をじたり、コソコソ何か言われている覚が無かったので、沙耶香に噂の事を尋ねてみた。

「あ、それなら大丈夫。なんか皆、他の噂してたから」

「他の噂? それはそれで気になるな…一どんな噂だ?」

「……わ、私の口からはなんとも……」

「? なんだよ、教えてくれたって良いじゃね~か」

「……お、教えても良いけど……わ、私はその噂信じてないからね!」

「お、おう……一どんな噂なんだ……」

一日で學校中の話題を塗り替えるなんて、一どんな噂なのだろうと、誠実は々気になった。

「え、えっと…詳しくはこれを見て……」

「なんだ? 校新聞? そう言えばあったなこんな……なんじゃこりゃぁぁ!!」

新聞にはこう書かれていた。

『仲の良すぎる三馬鹿の本當の関係……実は的な関係も!』

デカデカと一面をその文字が飾っており、その題字から大容を理解した誠実。

あまり読みたくは無かったが、確かめる必要があると思い、容を読む。

の名前は伏せてあったものの、それが自分たちの事であると、誠実は容易に理解できた。

「さ、沙耶香! この新聞一どこから手にれたんだ!」

「えっと、私は料理部の部員から貰って……昨日の放課後には出回ってたみたい」

「お、俺が知らない間に……クッソ! こんなデタラメ書きやがって! 新聞部に抗議に行ってくる!!」

誠実は新聞を握りしめ、教室を出て行こうとするが、ちょうど同じタイミングで擔任の小川が教室にってきた。

「おーい、どこ行くつもりだ? ホームルーム始めんぞ~」

「先生! 止めないでください! 俺にはやらなきゃいけない事が!」

「そうだな、お前はもうし考えて行できるようになろうな~、ほら座れ~」

そう言って小川は慣れた手つきで誠実を席に座らせホームルームを始める。

この新聞の事を知らないのは、おそらく昨日行を共にしていた自分達三人だけであろうと考える誠実。

どれだけの人間にこの新聞が出回っているのか、それが心配な誠実であった。

「よし、じゃあ朝はここまでだ。あ! あと伊敷と武田と古沢、この後職員室に來なさい」

ホームルームの最後で、誠実達三人を呼び出す小川。

昨日の噂の事だろうか? そう思った誠実だったが、それならなぜ自分一人を呼び出さずに、武司と健も呼び出すのか不思議だった。

「まじかよ、呼び出しか~、怖い怖い」

「誠実はともかく、俺と武司は何も問題を起こしていないはずだが…」

「健は昨日の無斷欠席だろ? ほんとに謎なのは俺だけだっての」

職員室に向かう道すがら、そんな事を話す誠実達三人。

「もしかして、昨日の喧嘩バレた?」

「あぁ…それもありそうだな」

「ま、三人揃ってこの傷だ。それにあいつらが學校側に告げ口した可能もある」

健の意見を聞きながら、誠実はその可能だけはあまり信じてはいなかった。

こっちには保険もある事だし、わざわざ駿達がそんな事をするとは思えなかった。

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