《99回告白したけどダメでした》85話
誠実達が通っている西星高校は、この辺では生徒數が多いのと敷地面積の広さでし有名だった。
そんな學校の広さに比例して、各教室施設なども大きい。
図書室なんかは、普通の高校の育館くらいの広さがあり、二階建ての建になっており、二階の學習スペースでは、機と椅子が置かれ、生徒が自由に自主學習出來るようになっている。
「久しぶりに來たが、やっぱりデッカいな~」
「學した頃の學校案でも思ったが、こんな大きな図書室が必要なのか?」
「まぁ、昔からあるものだからな、昔は生徒の數が今より多かったらしいし、そのせいだろ」
誠実達は沙耶香との約束通り、図書室二階の學習スペースに向かう。
テスト前と言うことで人の數も多く、席が空いているか心配になる誠実だったが、それよりも心配なことがあった。
「………なぁ、健」
「どうかしたか?」
「俺ら……見られてね?」
「………あぁ、俺も思ってた」
誠実達が図書室にった瞬間から、誠実達は視線をじていた。
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図書室にいる生徒が、ちらちらと誠実達を見ている。
付にいた眼鏡のとなんかは、職員室で見た小野山先生のように息を荒げて誠実達を見ていた。
「俺……なんか怖いんだが……」
「あの噂のせいか……さすがはうちの學校だ、報の伝達が異常に早い……」
「まさか、一日で生徒の噂の対象が塗り替えられるとはな……これも新聞部の力なのか?」
小聲で話しながら、誠実達は二階の學習スペースに向かっていく。
二階も人はいたが、そこまでではなかった。
席も空いている様子で、とりあえず一安心する誠実達。
沙耶香の姿を探して周りを見ると、すぐに沙耶香は見つかった。
沙耶香も誠実に姿を発見し、すぐに寄ってきた。
「誠実君達やっときたね。みんな待ってるよ!」
「あぁ、ごめん沙耶香。それでメンツはどんな……」
「「私たちよ!」」
沙耶香に勉強會のメンツを尋ねようとしたところ、沙耶香の背後から料理部面々が眼鏡を著用して登場する。
「やっぱりか……」
「大丈夫なのか?」
不安そうに尋ねる健と武司。
しかし、そんな二人の不安を打ち消すかのごとく、料理部の一人で沙耶香の一番の友人である、志保は前回のテストの答案を誠実達三人に見せつける。
「私はこれでも學年20位にるのよ! どう? 文句でもあるのかしら?」
どや顔でそんなことを言われ、武司が変な対抗意識を燃やし始めてしまい、志保に言い返す。
「ふん! 20位? 笑わせるな! こっちには、前回學年順位1位がいるんだぞ!」
「確かにそうね、でも今回はどうかしら? 今の學力では、赤點は必死ではなくて?」
「くっ……まさか、お前は誠実の弱點を!」
「えぇ、知っているわ。そして私たちにはその弱點を突く策もある!」
志保をそう言って、沙耶香の背後に回り、沙耶香の腕を反らせを前に突き出させる。
「え! ちょっと何? 志保何?!」
「最近この子……Fカップになったの………」
「「な、なんだってぇぇぇぇぇぇ!!」」
「な、なんで言うのよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「いや、だから何なんだよ……勉強しようぜ……」
聲を上げて驚く健と武司。
涙目で顔を真っ赤にし、ぶ沙耶香。
そしてなぜか悲しげな目をする志保。
誠実は一どうしてこんな話をしているのかと問いたくなる位に、狀況がつかめていなかった。
「っく……俺たちの負けだ……約束通り誠実は前橋にやろう」
「おい、勝手に人の運命きめてんじゃねー」
「え、くれるの? じゃあ遠慮なく!」
「沙耶香さん?! 遠慮してくれません! あなたまでボケたら、突っ込み俺しかいなくなるじゃん!」
などというおふざけをしていると、図書委員の上級生から注意されてしまい。
誠実達は、おとなしく長テーブルに向かい合って座り、勉強を開始した。
「じゃあ、改めて勉強しましょうか」
そう切り出したのは、料理部の副部長で先ほどの茶番の首謀者でもある志保だった。
志保以外の沙耶香の呼んだ人は、こちらも料理部の平部員で島崎鈴(しまざき すず)だった。
誠実達と同じ學年であり、黒髪のサイドテールの子で、すごく乗りの良い子なのを誠実は覚えていた。
「いやぁ~まさか校一のイケメンに勉強教える日が來るなんて、ありがたいことですなぁ~」
健の前に座った鈴は、健を見ながらそんなことを言う。
言われた健は相変わらずの無表で「よろしく頼む」と短く応える。
しかし、その表はどことなくキリッとしていた。
「でもよぉ~、あと數日でほんとに大丈夫か? 俺はそれが心配だぜ……」
「武田君何を言ってるのよ! この私が教えるのよ、赤點なんてとらせないわ!」
「なんで、古賀がやる気出してんだよ……」
武司の前には、志保が座った。
二人は面識があり、話も合うようなのでこの席にした。
一緒になって悪巧みをしないか、誠実は若干心配だったが、テストが間近に迫っているので、その心配はないだろうと思っていた。
「じゃあ、沙耶香頼む!」
「うん! 任せて、誠実君の績をそこまで落ちない用にするから!」
誠実には當たり前だが、沙耶香がついた。
席も向かい合っている為、過剰なスキンシップを心配することは無いし、何より沙耶香は頭が良い。
沙耶香のことをいろいろ考えなくてはいけないのかもしれないが、今は勉強に集中させてもらおうと思う誠実。
「じゃあ、始めようか」
「あぁ、お願いするよ」
そうして勉強會は幕を開けた。
*
誠実達が勉強にいそしんでいるその頃、山瀬綺凜は神的にまいっていた。
とても學校に行ける狀態ではなく、本日は學校を休み家で寢ていた綺凜。
「………」
部屋でベッドにくるまり、今までのことを思い出すと、自分がどんどん嫌いになっていった。
「……私は……もう……誰のことを……」
工場で見た真実。
その後、駿本人から今までの話を聞き、綺凜の心は大きく傷ついた。
『俺は君をずっと騙した。好きでも何でも無い』
あの後、家に來た駿にそう言われ、綺凜の心は深く傷ついた。
しかし、一番綺凜が心を痛めた理由は他にあった。
「……伊敷君………ごめんなさい………」
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