《みんなは天才になりたいですか?僕は普通でいいです》5.卑怯者

馴染から[好き]と言われた。

たよりはモテる。僕なんかでは釣り合わないという臺詞は本心から出たもので、決して言い訳ではない。だけど、それでも僕は、現段階で誰かとそう言う関係になるつもりはない。理由は々あるが。

だからと言って、たよりと今の関係を壊したくないという気持ちが無いと言ったら噓になる。

いや、格好をつけるのはやめよう。今の関係が壊れるのは嫌だ。たよりに嫌われたくない。嫌われるという言い方はしおかしいかもしれないが、お互い意識して、ギクシャクして、気まずくなって、話をしなくなって。

そんなのは嫌われているのと一緒だ。

僕は卑怯者だ。イエスかノーか。どちらかはっきりと答える事が出來ない。いや、答えたくない。だけど、それでも、真っ直ぐに気持ちを伝えてくれた、 たよりの誠意に答えなければ。

「たより、ありがとう。正直に言うと、僕は今すぐに誰かと付き合うつもりはないんだ。ごめん」

「そっか。分かった。ちゃんと答えてくれてありがとう」

じゃぁもう一戦やりますか、と何もなかった様に再戦を提案するたよりに、(ありがとう、ごめんな)と心の中で呟く。

「次は、お前の畫面をおじゃまぷよでいっぱいにしてやるぜ! 世の中の、闇を抱えた人達の心の様にな!」

「はいはい、まじで意味分かんないから」

呆れた様な顔で苦笑いする たよりの顔を見て、し安心している自分を昔よりも、もっと大嫌いになった。

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