《みんなは天才になりたいですか?僕は普通でいいです》95.試合後のベッドでは脳反省會が開かれる
【試合お疲れ。今日はすごい試合が見れたよ。ゆっくり休んで】
ベットの上で、文人からのメッセージを読み返す。試合が終わった日の夜は、決まって中が痛い。もう一歩もけないと思うほど、全が疲労している。
「一日に2試合あるとやっぱりきついな……」
は電池が切れたおもちゃの様に、ぴくりともかない。いや、かす気にもなれないと言った方が正しいだろうか。
だけど、そにれ反して、心の中は高揚と後悔が渦巻いて、実に落ち著かない。
あの時こうけばよかった、あのシュートを決めた時は最高の気分だった、あそこでやられたのは悔しい、あのディフェンスはよかった、あそこでパスが出せたのは長したと思う、フリースロー外しちゃった、あのドライブは我ながら鋭かった、リバウンドをもうしとれたらよかったのにな、相手の4番うまかったな、でも結構止めれたぞ……
目をつぶると、その日の試合の景が、まるで畫サイトでよく見るハイライトの様にエンドレスに再生される。よかったことも悪かったことも、永遠と。
自分の脳では自分が主人公になれる。別に誰に見せるわけでもないんだから、誰にも文句は言われない。
一試合目はかなり苦戦してひやひやしたけど、終わってみれば結構な點差がついていた。やっぱり花ちゃんは凄い……今までも凄かったけど、今日はいつもに増してすごかった。語彙力がなくなるくらい、とにかく凄かった。
二試合目も第一クォーターから全開で、ガンガン點を決めまくっていた。
自分が三年生になった時、果たしてあのレベルにたどり著くことができるのだろうか? 同じコートで、同じ指導者に教えてもらいながら、同じ練習メニューをこなしている。それでいて、なぜこうも差ができる……?
格や、生まれ持っての能力……そういったものも確かにある。ただ、こう言ってはなんだけど、花ちゃんは足が速いわけでもなければ、筋骨隆々なわけでもない。人並外れたジャンプ力があるわけでもなければ、周りを見下ろす程の長があるわけでもない。
恐らく、周囲の狀況を瞬時に判斷できる視野の広さや、空間把握能力。相手の行を予測するバスケIQの高さや、瞬時に相手とのズレを作るリズム。
右と思えば左に、左と思えば右に……面白いように逆を突かれて、が直する。相手ディフェンスからすれば、まるで花ちゃんの掌の上で踴らされているかの様な覚にすら陥る。
実際には、踴るようにコートを舞っているのは、花ちゃんのほうなんだけど。
そういった數値化できない部分の能力を、人は【センス】と総稱する。みな、につけたいと願ってはいるけど、凡人には理解できない領域、鍛え方の分からない能力。
ひょっとしたら、その能力を振るって、活躍している本人でさえも、言語化するのが難しいのかもしれない。
「花ちゃんに聞いても、『なんとなくでパッとやってるだけだよ~』とか言いそうだし……」
「はぁ……がんばろ……」
若干テンションが下がってしまったが、人と自分を比べてたってしょうがない。結局は自分にできることを一生懸命やるしかないんだから。
自分がどのレベルまで上り詰めることが出來るかなんで、誰にも分からない。
それは良い意味でも悪い意味でも……
「文人に電話しよっかな……」
こんな時間に掛けたら迷だろうか……?
私も疲れてるし、また今度にしようか?
もしかして、二葉と電話してたりして……?
電話をして聲を聞きたい自分と、電話を掛けたくない自分。相反するが渦巻く。
それは、試合を思い出していた時とし似ているのかも知れない。
【文人、まだ起きてる?】
間をとってメッセージを送ることにした。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
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