《みんなは天才になりたいですか?僕は普通でいいです》96.出口のない迷宮の出口ってなんだろう
文人にメッセージを送信してすぐに目を瞑る。
は疲れているのに、アドレナリンが脳に殘留しているのか、若しくはいまだに放出し続けてているのか、眠りに落ちる気配は全くない。
試合會場でじたあの熱気と同じように、私のと心も火照ったままだ。試合後のアイシングだけでは、の芯から湧き出てくる熱を冷ましきることはできなかったようだ。
時間が時間だし、文人からの返信は正直期待していない。むしろ、返信がなくても良いとまで思っている。
文人へメッセージを送るという行為自が、自分の心をほんのしだけ落ち著かせていることを不思議にじて、自然と口元が緩む。
いったい私は何がしたいんだろう? と思うけど、もしかしたらバスケ以外の事を考えたいだけなのかもしれない。
バスケのことを考えること自は嫌いではない。研究家とまでは言えないが、むしろ好きな方だ。こういうプレイをしたい、こういうきをしたい、こんな風に點を取りたい、こんなディフェンスをしたい……とか、考え出したらキリがない。
コーチやキャプテンには「お前は頭でっかちだな」「考えすぎだ」とよく注意されるけど、こればっかりは分なのでなんともできない。
ほとんどのスポーツに言えることだけど、考えるだけでもだめ、を鍛えるだけでもだめ。その両方が合わさって始めて結果に繋がる。更に心の強さが絡んでくるから事態はもっと複雑だ。
そんな私でも、時にはバスケの事を忘れて頭をからっぽにしたい気分になることもある。 特に試合前や試合後なんかは、考えが堂々巡りになることが多いから、さすがに疲れてしまう。
出口の見えない迷宮を、永遠に彷徨う覚……考えただけでぞっとする。そもそも私にとっての出口がなんなのかすら分からないんだから、この迷宮を攻略しようとすること自が間違いなのかもしれない。
第一、いま彷徨っている迷宮の出口に辿り著いたとして、その先には一なにがあるんだろうか。
また次の迷宮までの一本道なのか、はたまた巨大な迷宮の中に新たな迷宮が作られただけで、出口を出ても結局まだ迷宮の中……なんてうんざりしてしまう。
いっそのこと、考えることをやめて行き當たりばったりに生きてみるのも悪くないかもしれない。
実際にそう割り切って生きている人もなからずいるだろう。その人達の人生が、素晴らしいものなのか、それとも悲慘なものなのか……一誰が決めるのだろう。
やっぱり、考えても答えが出ないのであれば同じことなのかもしれない。それでも思考停止は悪なのだろうか。
[人間は考える葦である]
と、言う有名な言葉がある。葦の様にか細く弱い存在である人間が、考える事によりこれまで進化してきた。
でも私には[考える事をやめたら、人間は植と同じ]と言われているみたいで、ほんのし恐怖をじる。
植と人間様、どちらが偉いのか? という深い問いはこの際おいて置いて、私はもうしのあいだ人間でありたいとんでいる。
「……あれ? 私、いま何考えてたんだっけ?」
不意に我に返り、苦笑いする。堂々巡りどころか、堂々と脇道にそれて、明後日の方向に向かって全力疾走だ。現実逃避といっても過言ではない。の逃避行なら大歓迎だが、現実から逃げていて行き著く先は夢の國だ。
「ははっ」
自分でも驚くほど高い聲で笑ったと同時にスマホの著信音が鳴り出す。
「うわっ! びっくりした……」
スマホの畫面を見ると、文人からの著信だった。一瞬にして心臓の鼓が早くなる。
すーはー……と一度深呼吸をして、通話ボタンをタップする。
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