《じるのは快楽だけ》恐怖に変えられた快楽
結果から言うとドアは開かなかった。
殘念な反面、し安堵した。
とりあえずはここから出ることよりも、生きることを優先しなければならない。
とするとあまり力を使うのは得策ではないだろう。
壁に寄りかかって座る。
そして考える。
どうするべきなのか。
犯人は俺のことをどうしたいのか。
いたぶって最後には殺すのか。
又は他の目的があるのか。
ここに連れてこられるまでは一般的な生活をしていた。
普通の家庭でそだち、普通に學校に通い、普通に友達と遊んだり勉強したり部活したり。
こんな目に遭っている理由がわからない。
理由なんて知ってもしょうがないのかもしれない。
自分に非があったとして謝罪すれば許されるのか。
そんなわけがない、連れ去ってここに監して。
そんなことまでしておいて途中で気が変わることなんてありえない。
今更償えない。
そんなことを考えるよりどう逃げるかを考えよう。
今はしまっているあの黒いドアだが、犯人がってくる時には鍵が外される。
犯人がる隙を狙って逃げるのが良いだろうか。
それくらいは想定か。
逃げる意思がないと思わせ、油斷させたところを逃げ出すのが理想的だが、そうするには長い時間を犯人と過ごさなければならない。
それに、あまりにも油斷させるのに時間がかかると、いたぶるのに飽きた犯人に途中で殺されてしまうかもしれない。
そんなことを考えながらも、焦りと恐怖が襲ってくる。
よくない方向へと思考が傾いていく。
今にも犯人がってきて殺されるのでは…
ドアからかおをそむけるように地面を見つめた。
ガチャ
ドアの方から音がした。
慌てて顔を上げる。
そこには
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