《ただいま冷徹上司を調・教・中・!》仮がホントに変わるとき(14)
「お疲れ様」
営業マンは全員出払い、私と紗月さん、瑠ちゃんしかいない6課に、凱莉さんの聲が響いた。
キャリーを引きながらデスクに向かう凱莉さんの橫顔を見て私は驚いた。
4日前はあんなに元気だったというのに、すっかり疲れ切った凱莉さんを目の當たりにしたからだ。
目の下には薄らとクマができ、寢不足からなのか目もうつろ。
支社周りに得意先の先生の學會參加、新機視察など、かなりのハードスケジュールだとは聞いていたけれど、こんなにやつれてしまうほど大変だったとは。
心配そうに聲をかける紗月さんと瑠ちゃんに「大丈夫だ」と返事はしているが、私にはどれだけ凱莉さんが疲れているかがわかる。
私は急いで給湯室でコーヒーをれ、自分のデスクの引き出しからカカオ70%のチョコレートを添えて、凱莉さんのデスクに持って行った。
「気休めですけど、力回復してください」
「ありがとう」
間近で見る凱莉さんはやはり疲れている。
疲れていてもクマがあってもイケメンなのには変わりないところが恐ろしいと思うけど。
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「大丈夫ですか?」
デスクに置かれた凱莉さんの手をそっと握ると。
「大丈夫だ。問題ない」
パッと手を引かれてわされ、私の手は軽く弾かれてしまった。
「……すまない」
「いえ……」
なんだかとてもぎこちない空気が私達を包む。
……なんだかおかしいことになっていないか?
私の不安をじ取ったのか、凱莉さんは私にだけ聞こえるような小さい聲で呟いた。
「仕事が終わったら時間をくれないか?俺の家で待っててしい。話があるんだ」
真剣な表でそう言った凱莉さんに、私は一抹の不安を抱いた……。
終業後、出張前の凱莉さんから預かっていた鍵で部屋にる。
疲れて帰ってくるであろう凱莉さんの為になにかしたくて、私はお風呂掃除と簡単な晩飯を用意した。
テーブルに料理をセッティングしていると、玄関の方でドアの開く音が聞こえた。
「お帰りなさい」
慌てて出迎えると、凱莉さんは緩く笑って「ただいま」と返してくれた。
「食事の用意ができてます。お風呂れてくるので、先に著替えてください」
「ありがとう。そうさせてもらうよ」
凱莉さんはキャリーを抱えたまま、著替えのために寢室にっていった。
堅苦しいスーツをいだらしはリラックスできるかもしれない。
お腹が満たされたらお風呂でゆっくりと疲れを取ってもらおう。
そのあとはマッサージでもしようか。
給湯栓を開け、お湯ボタンを押してリビングに戻ると、直ぐに凱莉さんがってきた。
「ご飯、もう食べますか?」
帰ったら話があるとかなり深刻な顔で言われたのだ。
何かあるならご飯の前に解決した方がいいかもしれない。
そう思って凱莉さんに訪ねたのたが、凱莉さんはテーブルの前に座った。
「先に晩メシにしてもいいか?ずっとまともに飯食ってなかったんだ。そのあとゆっくり話させてくれ」
「……わかりました」
どんな話なのかはわからない。
けれど凱莉さんの表から、今までみたいに軽い話ではないということだけはじ取れた。
なんだかとても聞きたくない……。
凱莉さんはご飯を食べているときも言葉なめだった。
出張でのことを話してはくれるのだけれど、どうも心ここにあらずといったじだ。
凱莉さんが食後の話に張を持っているというのが私にも伝わる。
おかげでせっかくのご飯は、何の味もしなかった。
食事を終え、食を手早く片付けたころ、給湯のメロディーが流れた。
「俺が行ってくる」
凱莉さんがお風呂場に向かったのを確認して、私は大きな溜め息を吐き出す。
「この空気……重すぎる……」
4日前はあんなにラブラブな雰囲気で別れたというのに。
今日の凱莉さんはまだ一度も私にれてくれない。
避けるように引かれた手を思い出すとが苦しくなる。
凱莉さんと一緒にいるのに、初めて帰りたいと思ってしまった。
「千尋、いいか?」
流しに手をついて俯いていた私は、覚悟を決めて顔を上げた。
「はい」
そう言って凱莉さんと並びソファーに座ったけれど、不自然に距離を取ってしまった。
どうしよう……。
もうれたくてもれられなくなってしまったじゃないか。
これで悪い話だったりしたら、もう立ち直れないかもしれない。
「千尋には今までたくさんのことを教えてもらった。本當に謝してるよ」
やめてよ。
急に謝してるなんて、変なフラグ立てるような言い方しないでほしい。
もう全部が心臓になったように、鼓が大きく鳴り響いた。
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