《冷たい部長の甘い素顔【完】》第8話 異

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10月1日   月曜日

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10月1日。

正式に辭令が付されて、秦野部長がうちの部にやってきた。

「今日から、企畫部の部長を拝命した秦野 將軍はたの しょういです。皆さんと共に、企畫部をより良くしていこうと思ってます。そのために、皆さん協力をよろしく頼みます」

初対面の挨拶にもかかわらず、部長の銀縁眼鏡の奧の目は、冷たいままだ。

しくらい、にこりとすればいいのに……

この先が思いやられるなぁ。

今日は、月初めの月曜なので、いつにも増して、仕事が多い。

だから、挨拶もそこそこに、私たちは仕事に戻った。

まず、月初更新をかけて、次に、月曜更新をかける。

すると、先月分と先週分のデータが集計されて、各種データを帳表にして出力できる。

私たちは、真由と2人で、手分けして作業を進めた。

晝前に出來上がった帳表を見て、真由が小聲で言う。

「ねぇ、爽、これ、まとめて部長に出してきてくれない?」

「は? なんで? 真由の分は、いつも真由が持ってってるじゃない?」

なんで突然、そんなことを言うのか、意味が分からない。

「……だって、秦野部長、怖いもん」

真由は、眉を下げて困った顔をする。

まるで捨てられた子犬みたい。

そんな顔、ずるいよ。

はぁぁぁぁ………

私は、大きなため息をひとつ吐ついた。

仕方ないなぁ。

「分かった。まとめて出してくるね」

私は資料を全て抱えて、秦野部長の席に向かった。

「部長、資料をお持ちしました。まず、こちらが、先月分の資料と先週分の資料、こちらが昨日の分の資料です。確認をお願いします」

私が部長の機の上に資料を並べると、部長は座ったまま、私を見上げた。

「………分かった。確認しておく」

部長の返事を聞くと、私は、一禮して、また席に戻った。

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