《冷たい部長の甘い素顔【完】》第14話 歓迎會しなきゃ!

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10月2日   火曜日

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部長と食事に行った翌日、私は、いつも通りに仕事をする。

データを力し、集計し、経営戦略のための資料を作る。

私たちが作る資料を使うのは、主に部長以上の役職の人ばかり。

だから、うっかりミスは許されない。

そのため、何度も數値をチェックして、確認してから、資料を提出する。

朝一で提出する資料を部長に屆けた所で、私はふと思い立った。

「そうだ!

部長の歓迎會しなきゃ、いけませんね!」

私が聲を上げると、真由が一瞬にして顔を曇らせた。

他の男社員達も、目で、

『余計な事を言うな』

と訴えている。

だけど、みんな、會社での部長しか知らないから怖がるんだよね。

外で會ったら、あんなによく笑う人なのに。

だから、みんなの視線は無視して歓迎會をやってしまおう!

「部長は、いつが都合がいいですか?」

私が聞くと、部長はにこりともせずに、眼鏡の奧から冷たい視線を向けた。

「別に必要ない」

どうして?

昨日とは、まるで別人みたい。

それでも、私は、あえて気づかないふりをして続ける。

「えぇ〜!? 必要ですよ! コミュニケーション不足は、円な仕事を妨げるんですよ。私は、明日でもいいですけど、部長は予定あります?」

部長は、無表でじっと見つめる。

「………みんな行きたがってないのに、無理にやる必要はない」

そうだけど!

「何、言ってるんです?

私は、行きたいですけど?」

ここで私が折れたら、部長はみんなから恐れられたままになる。

「………好きにすればいい」

部長は、長い沈黙の後、諦めたようにそう言った。

「はーい! 好きにします!」

やった!

「じゃあ、日程は、みんなの予定を聞いて決めますね。部長、どうしてもダメな予定がある日は、ありますか?」

私は、何気なく尋ねた。

「……金曜日」

金曜日!?

って、私と出掛けるから!?

「ふふっ、分かりました!

今週の金曜日はやめておきますね」

私は、大満足で席に戻り、仕事を続けた。

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