《冷たい部長の甘い素顔【完】》第17話 乾杯

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10月3日   水曜日  

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翌日、18時。

「場所、分かります? 一応、通信アプリでマップ送っておきますね」

私は、歓迎會の會場として予約した串屋のマップを送信する。

私一人が張り切っていて、部全員が乗り気じゃないのは、分かってる。分かってるんだけど、みんなに部長との距離をめてしくて、私は孤軍闘している。

まぁ、何より、當の部長にその気がないのも、大きいと思うのよね。

はぁぁ……

部長は、人に嫌われる事に抵抗はないのかなぁ?

10分後、私が店に著くと、部長以外は揃っていた。

みんな席につき、奧の二席だけが空いている。

真由は1番手前に座っていて、部長から1番離れた席をがんばって確保したのは明白だった。

「部長、まだなんだ? ちょっと、見てくるね」

私が店の外へ出て見回すと、數百メートル先に、背の高い男の影が見えた。

私は駆け寄って、

「部長、みんな待ってますよ。」

と、聲を掛けるけれど、部長は、一向に急ごうとはしない。

業を煮やした私は、部長の腕を取り、引っ張って歩く。

「お待たせしました!」

部長に1番奧の席に座ってもらい、私はその隣に腰を下ろした。

「服部さん、挨拶お願いします!」

と私が聲をかけると、服部さんが立ち上がる。

「では、只今から、秦野はたの部長の歓迎會を始めます。秦野部長、一言お願いします」

服部さんがそう聲を掛けると、服部さんとれ替わって、部長が立ち上がる。

「今日は、わざわざ私のために歓迎會を開いてくれてありがとう。今日は、堅い話はなしにして、楽しんでください。」

それだけ言って、部長は座ってしまう。

すると、服部さんが立ち上がって、乾杯の音頭を取る。

「では、皆さん、グラスの用意はいいですか? 秦野部長、企畫部へようこそ。乾杯!」

服部さんがグラスを上げると、みんなも、

「乾杯!」

「乾杯!」

とそれぞれグラスを合わせて、飲み始める。

それにしても、挨拶、みじかっ!

ま、いいけど……

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