《冷たい部長の甘い素顔【完】》第21話 夜景の見えるバーで
エレベーターが最上階に著くと、部長は私の背中をそっと押してエレベーターを降りる。
そして、そのまま腰に手を添えた。
なんで!?
普通、部下に、こんなエスコートみたいなの、しないでしょ!?
こんな慣れないことをされて、またドキドキが止まらない。
だけど……
不思議と、その手を振り解きたくなるような嫌なじはしなかった。
なんで?
まだ、初めての會話からわずか3日。
まだ、初対面と言ってもいいくらいなのに……
戸う私をよそに、部長は、そのフロアに1つしかない扉を開けた。
やや薄暗いそこは、高級漂う會員制のバーのようだ。
窓際に、外を向いて配されたカウンター席に案され、私たちは、並んで窓の外を向いて座る。
「ぅわぁ……」
私は息を飲んだ。
眼下には、星空よりもまばゆい、とてもしい夜景が広がっている。
「綺麗ですね〜」
私が夜景に見とれていると、ふと視線をじた。
隣を見ると、部長がこっちを見ている。
「な、何ですか?」
「ふっ……」
部長は笑みをこぼす。
「いや、あまりにも素直に喜んでくれるから……」
っ!
笑われた!?
「っ! 単純なですみませんね!」
恥ずかしくなった私は、ぷいっと部長に背を向ける。
こういう所に來るような大人のは、これくらいのことで、はしゃいだりしないんだろうな。
私ってば、なんて殘念なの。
すると、部長は、また私の髪を取って、指に絡め始める。
「いや。素直でかわいいって、言ってるんだ」
えっ……
驚きと同時に、ボッと顔から火が出て、燃え上がるのをじた。
だけど……
普通に考えたら、そんなの本気なわけない。
「部長! そんな事、誰にでも言ってると、そのうち、刺されますよ? 彼は、こんな事みんなに言ってるって、知ってるんですか?」
私が怒ると、部長は言った。
「誰にでも言うわけじゃないし、彼もいない」
……それ、どういう意味?
私がそれ以上、何も聞けずにいると、部長は、ふっと笑った。
「爽は、何、飲む?」
爽!?
名前?
呼び捨て?
なんで?
わけが分からない。
「爽って……」
それだけをようやく絞り出すように言うと、
「名前、爽だろ? 間違ってるか?」
と聞かれ、私はふるふると首を橫に振った。
間違ってないけど……
「爽、何、飲む?」
改めて聞かれて、私は、考えることも出來ず、無意識に
「じゃあ、モスコミュールを……」
と答えた。
部長は、手を挙げて、2人分の飲みをオーダーしてくれる。
ほんじつのむだぶん
mixi・pixivで無駄文ライターを自稱している私が、 日頃mixiで公開している日記(無駄文と呼んでいます)を 小説家になろうでも掲載してみようと思い実行に移しました。 これは1日1本を目安に続けていこうと思います。 ご笑納くだされば幸いです。
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