《冷たい部長の甘い素顔【完】》第43話 告白

私たちは、そのまま、他もない話をしながら、ワインを飲み、食事を楽しんだ。

話が弾んだ事もあり、気付けば時刻は21時半を過ぎていた。

デザートも食べ終わり、そろそろ帰ろうかな…と思い始めた頃、服部さんが話題を変えた。

「爽ちゃん、噂で聞いたんだけどさぁ」

「何?」

噂? 何の?

「彼氏と別れたってほんと?」

「え? ああ……!

もう、2ヶ月位前にね」

そのことかぁ。

社員の間では、そういう噂が回るのは早いけど、男社員は遅いのかも。

食事や休憩でも、いつも仕事の話してるもんね。

「もうふっきれた?」

「うん。最低な別れ方だったから、しばらくは辛かったけど、もうなんとも思ってないよ」

もう大好きな人もいるしね。

「俺さぁ、実は、爽ちゃんに彼氏がいるから、ずっと言えなかったんだけど、爽ちゃんの事が、好きだったんだ」

えっ!?

「諦めようって思ってたんだけど、最近の爽ちゃん見てて、前よりもっと好きになった。だから、俺と付き合ってくれない?」

っ!!

真由〜、どうしよう〜!?

真由の言うこと、ちゃんと信じれば良かった……

「あの……、ごめんなさい。

服部さんの事、そんな風に見た事がなくて……。

いい人なのは、分かってるんだけど、ほんとにごめんなさい」

私は、一杯、頭を下げる。

「うん。

爽ちゃんが、俺の事、男として見てないのは、分かってる。だから、今から、男として見てくれないかな?」

えっ……

それって、つまり……どういうこと?

「とりあえず、週末、一緒に出掛けない?

俺の事、知ってほしいし」

あぁ……!

困った……

うーん……

どうしよう……

すぐには、言葉も見つからない。

部長の事は、言えないしなぁ……

「あの、ほんとにごめんなさい……

私、もう好きな人がいるんです。

だから……」

私は、しどろもどろになりつつも、一杯、伝える。

「その人とは、もう付き合ってるの?」

えっ……

さらに突っ込まれるとは思ってなかった。

付き合ってる…って言ったら、相手を聞かれちゃうよね。

どうしよう……

「それは…」

私は言葉を濁した。

「だったら、俺の事も考えてみてよ。

俺、絶対、爽ちゃんの事、大切にするから」

どうしよう……

「でも……、

やっぱり、ごめんなさい」

私は、ごめんなさいを言うことしかできない。

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